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看護師が育休中にもらえる給料はどのくらい?産休前に知っておきたい全知識!

看護師が育休中にもらえる給料はどのくらい?産休前に知っておきたい全知識!

最終更新日:

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「育休中の給料はいくらもらえるかな?夜勤手当等を引いたらかなり少なそう…」

看護師が育休を取得するときに、育休中にどのくらいお金が入ってくるのか、気になる人は多いです。

この記事では、看護師が育休中に受け取れる手当の種類と金額、ボーナスは貰えるのかなどを徹底解説しています。

また、育休が取得できる期間や、産休との違いについても解説しているので、ぜひ最後までお読みください。

  • バイリンガル看護師

    監修者ダシルヴァ石田牧子さん

    ダシルヴァ石田牧子(だしるゔぁいしだまきこ)は、米国と日本で免許を持つバイリンガル看護師。また、外国人診療の看護師、医療英語の大学教員、精神保健分野の研究員など、さまざま分野での勤務経験がある。2021年にフリーランス・ナースとして独立し、コンサルティング、ライティング、講師、医療翻訳などの仕事に従事。順天堂大学医学部および順天堂大学の国際教養学部で医療コミュニケーション分野のゲスト講師を務める。看護師として「子育てしながら在宅でパラレルキャリアを積む」ことに挑戦中の2児のママ。
    ダシルヴァ石田牧子(だしるゔぁいしだまきこ)は、『Medical Explorer』『Medical World Walkabout / 医療の世界を見渡そう』の著者でもある。
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    産休・育休期間中は看護師の給料って出るの?

    産休・育休は、法律で認められた労働者の権利ですが、企業側に休暇中の給料を支払う義務は課せられていません。

    その代わりに、産休・育休中に受け取れるさまざまな手当が法律で定められています。

    出産・育児期間中を安心して過ごすためには、手当の種類と金額をしっかり把握しておくことが大切です。

    まずは、産休・育休中に受け取れる手当の種類と金額を確認していきましょう。

    育休の取得条件について

    育休は、いくつかの条件を満たさないと取得できない場合が多いです。

    育休取得の条件は、病院と従業員との間で書面により締結された協定(労使協定)によって定められています。

    「じつは育休取得条件を満たしていなかった…」と後で困ることのないよう、産休に入る前に必ず取得条件を確認しておきましょう。

    産休・育休期間に貰える手当の種類と金額

    看護師 産休・育休

    産休・育休中にもらえる手当の額は、産休前の基本給(通勤手当、残業手当なども含む)をもとに決定されます。

    以下は、産休・育休期間中に貰える手当の種類と金額を簡単にまとめた表です。

    手当手当額申請〆切申請先
    出産育児一時金子供1人につき42万円出産の翌日から2年以内医療機関(直接支払制度の場合)
    出産手当金産休日数×基本給(日割)×2/3産休開始の翌日から2年勤務先
    育児休業給付金育児休業開始日~180日目まで
    →休業開始前の基本給の67%
    181日目~育休終了日まで
    →休業開始前の基本給の50%
    初回申請期限:育休開始日から4ヶ月後の月末
    2回目以降申請:原則2ヶ月ごとに2ヶ月ぶんまとめて申請
    勤務先
    児童手当子供(3歳未満)1人につき1万5千円/月申請した翌日から支給現住所の市区町村の役所

    *手当名をクリックすると詳細に移動します。

    手当を確実に受け取るためには、種類や金額だけでなく、それぞれの申請〆切をきちんと把握しておくことも大切です。

    それぞれの手当についてもう少し詳しく見ていきましょう。

    出産育児一時金

    出産育児一時金とは、出産による家計の負担を軽減するために創設された制度です。

    健康保険加入者または加入者の配偶者全員を対象とし、子供1人につき42万円が支給されます

    申請〆切は、出産の翌日から2年以内で、申請先は直接支払制度を利用するか否かで異なります。

    直接支払制度とは

    出産育児一時金の額を上限とし、本人に代わって医療機関などが健康保険組合に出産費用を請求する制度です。

    この制度を利用した場合、医療機関等の窓口で本人が支払う出産費用は、出産育児一時金の額を超過した額のみとなります。

    役所に出向く必要がなくなるので、特に理由がなければ「直接支払制度」の利用をおすすめします。

    監修者

    監修者

    私も「直接支払い制度」を利用しました。
    出産後は、新生児の世話や自分の身体の回復のために外出が難しくなるので、超過分だけを病院や助産院に支払えば済むこの制度はとても助かりました。

    出産手当金

    出産手当金は、出産のため働くことができない産休期間の生活をサポートする制度です。

    社会保険加入者を対象とし、産休(産前休業・産後休業)中に、基本給(日割)の2/3にあたる額が支給されます

    例:基本給月額30万円で16週間(112日)の産休を取得した場合

    30万円(基本給)×1/30(日割)×112(産休日数)×2/3

    約74万円

    「支給日数」は、どの月も1ヵ月を30日として計算します。

    また、出産手当金は「賃金日額」に30を掛けた「賃金月額」を基準に算出され、上限額・下限額が定められています。

    そのため、どんなに給与が高かったとしても、支給額が上限を超えることはありません。

    育児休業給付金

    育児休業給付金とは、子育てのために働くことができない育休期間の生活をサポートする制度です。

    育児休業給付金の手当額は、育児休業開始日からの期間によって、金額が異なります

    期間手当の額
    育児休業開始日~180日目休業開始前の基本給の67%
    181日目~育児休業終了日休業開始前の基本給の50%

    上記のように、育休開始日から181日目以降は、貰える金額が休業開始前の基本給の50%にまで減ってしまいます。

    また、手当の申請先も初回と2回目以降で〆切が異なるので、その点にも注意してください。

    育児休業給付金の申請〆切

    • 初回申請期限…育休開始日から4ヶ月後の月末
    • 2回目以降申請期限…原則2ヶ月ごとに2ヶ月分まとめて申請

    育児休業給付金の申請先は、出産手当と同様に勤務先で行うものとされています。

    監修者

    監修者

    出産手当金と育児休業給付金の手続きは、職場の担当者に依頼しますが、産休に入る前に担当者に挨拶しておくことをおすすめします。
    私は産前から担当者と書類確認などのやりとりをしていたので、産後の連絡や書類申請がスムーズでした。

    児童手当

    児童手当は、15歳以下の子供を扶養する保護者等に対して給付金を支給する制度です。

    3歳未満の子ども1人につき、1万5千円/月が支給されます。

    子供が3歳に達する1日前までが〆切で、申請をした翌日から支給を受けることが可能です。

    過去に遡って支給を受けることはできないため、お子さんが生まれたら、できるだけ早く申請の手続きを行うようにしましょう。

    なお、申請先は、現住所の市区町村役所です。

    産休・育休期間中の賞与(ボーナス)

    看護師 産休・育休

    産休・育休中に、賞与(ボーナス)がもらえるかどうかも気になるところです。

    ここでは、看護師の賞与の算定方法や看護師の賞与事情について解説していきます。

    産休・育休中の賞与の有無は就業規則を確認

    産休・育休中に賞与がもらえるかどうかは、就業規則に賞与に関わる規定があるかどうかによって決まります。

    つまり、雇用契約や給与規定の中で、賞与の支払いについて明記してあれば、賞与の支払い義務自体は発生するものと考えられます。

    ただ、産休日数や育休期間の長期化などの事情によって、賞与が減額になる可能性は充分に考えられるでしょう。

    産休・育休の賞与額の基準

    産休・育休に関する給付と同様に、賞与の金額の基準は諸手当を含む基本給です

    基本給は、一般的な手当・賞与・給付金など、さまざまな場面で看護師に渡される支給金額の基準となります。

    看護師は、夜勤手当や時間外手当など、さまざまな手当を受け取るケースが多いため、一般企業と比べて産休・育休中の賞与額も高額になることが多いです。

    産休に入る前に、およそどのくらいの賞与がもらえるのか、確認しておくと良いでしょう。

    看護師の産休・育休時の賞与事情

    看護師の賞与事情は、勤め先が国公立病院(すなわち公務員)である場合と、そうでない場合で大きく異なります

    それぞれの賞与事情を詳しく見ていきましょう。

    国公立病院の看護師(公務員)の賞与

    国公立病院などに勤務する看護師の場合、賞与が減額されることはあっても、ゼロになることは少ないです。

    ただし、育休が延長されて1年以上の長期休暇になる場合などは、何らかの調整が入ることもあります。

    賞与に関する不安がある場合は、産休に入る前に総務部などに確認しておくのがよいでしょう。

    私立の病院・施設・会社の看護師の賞与

    私立の病院やクリニック、一般企業に勤務する看護師の場合、賞与がもらえるかどうかは勤務先の規定によって違います。

    一般的に多く見られるのが、支給対象期間のうち、産休・育休で休んだ期間を除いた分の賞与が支給されるパターンです。

    たとえば、6ヶ月の対象期間のうちの1ヶ月を産休で休んだ場合は、5ヵ月分だけ賞与をもらえることになります。

    他方、施設によっては、産休・育休がかかる年度は全くボーナスを支給しないというケースもあるため、事前に総務などに確認しておきましょう。

    産休と育休の取得条件・取得できる期間とは?

    看護師 産休・育休

    産休や育休を検討している看護師の中には、「取得条件や、具体的な期間がよくわからない…」という人もいるでしょう。

    産休・育休制度を最大限に活用するためには、取得条件や期間をきちんと把握しておくことが大切です

    ここからは、産休・育休の取得条件と期間を詳しく解説していきます。

    産休の取得条件・期間

    産前・産後休暇(産休)は、母体保護を目的とした休業で、取得に関して勤務した期間などの条件はありません

    そのため、働き始めてすぐに妊娠がわかった場合でも、産休は取得できます。

    産休の期間は、出産予定日の6週間前から、産後8週間までです。

    なお、産休は法律上定められた休暇なので、就業規則に記載されていなくても取得できます。

    育休の取得条件・期間

    育休取得に関しては、産休取得とは異なり、条件がある場合が多いです。

    取得条件については、労使協定で定められているので、まずは勤務先の病院・施設の協定をよく確認するようにしましょう。

    育児休業の期間は、基本的に子どもの年齢が1歳になる日の前日までですが、保育園に入れないなどの事情があれば、最長2歳まで育児休暇を延長できます

    東京などの都市部では子供が待機児童になる可能性が高く、子供が満1歳になった次年度4月まで育休を延長するケースが多く見られます。

    住んでいる地域の待機児童の状況などを、各自治体に問い合わせておくと良いでしょう。

    産休・育休を定めている法律

    看護師 産休・育休

    産休と育休はともに子供に関する休暇ですが、定めている法律が異なります

    それぞれの法律に関する正しい知識があれば、制度に関する理解不足で悩む心配もなくなるでしょう。

    ここでは、産休と育休を定める法律について簡単に紹介するので、ざっと目を通しておいてください。

    産休(産前産後休業)を定めるのは労働基準法

    いわゆる産休と呼ばれるお休みの正式名称は「産前産後休業」といいます。

    産前産後休業を定めている法律は「労働基準法(労基法)」です。

    労働基準法第六十五条(産前産後)

    使用者は、六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない

    ② 使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。

    ③ 使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。

    (引用:労働基準法│e-Gov法令検索

    このように、労基法は産前産後のそれぞれに対し、妊娠・出産した女性の就業を禁止する項目を定めています。

    なお、産前と産後7週間目以降は、女性側からの請求があれば働くことができるのも知っておくとよいでしょう。

    育休(育児休暇)を定めるのは育児・介護休業法

    育休の正式名称は「育児休暇」です。

    育児休暇は、育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)という法律によって定められています。

    育児・介護休業法第五条

    労働者は、その養育する一歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。ただし、期間を定めて雇用される者にあっては、次の各号のいずれにも該当するものに限り、当該申出をすることができる

    一 当該事業主に引き続き雇用された期間が一年以上である者

    二 その養育する子が一歳六か月に達する日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者

    (後略)

    (引用:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律│e-Gov法令検索

    上記のように、育休は産休と異なり、雇用形態や勤め先によって取得条件が異なります。

    件次第で育休が取れない場合もあるので、育休を取得する際は事前に法律と就業規則等をよく確認しておきましょう。

    看護師が育休を取得するときの注意点

    看護師 産休・育休

    産休・育休は、出産・子育て看護師の強い味方となってくれますが、システムを理解していないとトラブルの原因になります。

    産休・育休を取得する看護師にぜひ知っておいて欲しい注意点を5つ解説していきます。

    妊娠が発覚したら早めに上司に相談する

    産休・育休をトラブルなく取得したいなら、妊娠が発覚したら早めに上司に相談することが大切です。

    なぜなら、妊婦は妊婦健康診査を定期的に行う必要があるため、職場は代替人員の確保をしなければいけないからです。

    看護師はシフト制で勤務することが多いため、仕事や夜勤の調整は、同僚看護師への負担がかなり大きくなってしまいます。

    相談時期が早ければ早いほど、調整に時間をかけられるため、妊娠の発覚後は速やかに上司に相談した方がよいでしょう。

    妊婦健康診査の回数等に関する補足

    以下は、職場が妊婦健康診査のために確保する必要のある調整の回数と、その間の給与についてです。

    職場が受診のために確保する必要のある調整回数

    • 妊娠23週までは4週間に1回
    • 妊娠24週から35週までは2週間に1回
    • 妊娠36週以後出産までは1週間に1回
    • 医師等がこれと異なる指示をした場合はその回数

    勤務しなかった日・時間の給与

    • 有給か無給かは病院・施設・会社の定めによる

    出産が近づくほど調整に必要な回数も多くなるので、復帰後のトラブルを避けるためにも、できるだけ早く上司へ相談することを心がけましょう。

    育休の延長には条件がある

    育休は基本的に1歳未満まで、最長2歳までの期間に延ばせますが、延長には条件があります。

    延長の条件は、子どもが1歳の時点で職場に復帰できない場合で、1回目の延長は1歳6ヶ月まで、それでも復帰できない場合のみ最大2歳まで延長できます。

    職場に復帰できない場合とは、具体的には以下のようなケースです。

    • ”認可”保育所の利用を希望し1歳以後に入園が決まっていない場合
      (市区町村から入所不承諾通知などの通知がなされている場合)
    • 子どもの養育を行う予定であった者が死亡、負傷・疾病等、離婚等により、それができなくなった場合

    上記に当てはまらない場合は、育休は子供が1歳になる誕生日の前日までしか取得できないので、勘違いのないようにしておきましょう。

    雇用保険に加入していないと手当はもらえない

    たとえ育休が無事に取得できた場合でも、雇用保険に加入していない場合は育休手当をもらうことができません

    なぜなら、育休手当は事業者からではなく国から支給される手当なので、雇用保険に入っていない人は受給の対象外となってしまうのです。

    育休後、退職や単発のみなどの働き方を考えている人は、今後の出産時に手当が貰えなくなる可能性があることに注意してください。

    看護師が育休明けに時短勤務した場合の給料は?

    育休明けから時短勤務で働き始める場合、フルタイム勤務に比べて貰える給料は下がります。

    一般的に、時短勤務をすると基本給は3/4に減額されます

    また、育休明けは残業や夜勤ができないために、各種手当がもらえない分だけ収入が大きく下がる人もいるでしょう。

    賞与も、勤務時間を短縮すると減額されるのが一般的なので、育休明けは産休以前よりも給料が大きく下がると認識しておいた方がいいでしょう。

    出産・育児に理解がない職場なら転職も視野に入れる

    妊娠の報告をしたとき、「出産・育児に対する理解がないな」と感じた人は、転職を検討してみるのも良いでしょう。

    産休・育休に対して理解が得られない職場では、育児と仕事の両立が難しくなる可能性が高いです。

    ただし、育休明けすぐに退職すると周囲に迷惑がかかるため、円満退職を目指すなら復職後6ヶ月から1年経ってからの転職がおすすめです。

    産休・育休をきっかけに転職する看護師におすすめの転職サイト

    看護師 産休・育休

    基本給の低さや職場の育児に対する理解の低さなどから、産休・育休取得をきっかけに転職を考える看護師は多いです。

    しかし、初めての転職で「何から始めればいいのかわからない…」という人もいるかもしれません。

    そこでおすすめしたいのが、履歴書の書き方から面接対策まで転職を全般的に支援してくれる看護師転職サイトの活用です

    看護師転職サイト

    ここでは、育休を取得する看護師におすすめの転職サイトを3つ紹介していきます。

    ちなみに、「この中で一番良いのはどれか…」と言われると、求人数とサポートの両方とも充実している看護roo!がおすすめです。

    しかし、手厚いサポートをしてくれるかは、担当者の良し悪しにも左右されるため、「このサイトを使えば安心!」と言い切れるサイトは正直なところありません。

    質の悪い担当者に当たっても大丈夫なように、転職サイトは複数登録しておくことをおすすめします。

    看護roo!|求人数・サポート共に充実している

    看護roo!
    (引用
    看護roo!

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    看護roo!は、看護師転職では「お決まり」と言えるほど人気の看護師転職サイトです。

    サポートの手厚さに定評があるため、履歴書作成や面接対応に不安がある看護師さんにおすすめです。

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    なお、看護rooは登録者限定で「転職ガイドブック」を配布しています。

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    産休・育休に関するよくある悩みと疑問

    看護師 産休・育休

    最後に、看護師さんの育休と給料に関する、よくある悩みと疑問について見ていきましょう。

    看護師は3年育休が取れるって本当?

    育児・介護休業法は、条件つきで育休の延長を認めていますが、延長可能なのは最大2歳までです。

    ただし、これはあくまでも法律の話で、病院や施設の就業規則で個別に認められている場合は3歳まで延長できる可能性もあります

    一般的に、国公立病院や大手私立の総合病院であれば、長期間の育休延長を認めているケースも多いです。

    育休の取得期間に不安がある場合は、早めに就業規則を確認し、わからないことがあれば総務部などに相談してみましょう。

    夫(パパ)も育休って取れるの?

    育児休暇は母親だけでなく、夫(パパ)にも取得が認められます

    また、夫が母親の出産後8週間以内に育休を取得した場合、夫は無条件でもう一度育休の取得が可能になります。

    母親と同様に、夫の育休も法律上認められた権利なので、取得の必要があれば遠慮せずに申請しましょう。

    パパ・ママ育休プラスってなに?

    パパ・ママ育休プラスとは、両親共に育休を取得する場合、原則1歳までの休業期間が、子が1歳2か月に達するまで延長される制度のことです。

    活用例としては、ママが1歳まで育休を取得し、復職後の最初の2ヶ月はパパが育休を取得して職場復帰をサポートするなどの使い方が考えられます。

    パパ・ママ育休プラスの注意点は、「1人あたりの育休取得可能日数は変わらない」ということです。

    たとえば、「ママが産休・育休含めて1歳2ヶ月までずっと休暇をとる」などは不可なので、その点には注意をしてください。

    夫も育児休業給付金はもらえる?

    夫が育休を取得した場合も、育児休業給付金は受け取ることができます

    給料からの手当の計算方法(支給率)は母親の場合と同様です。

    育児休業給付金の支給率

    • 育休開始日から6ヶ月
      →基本給の67%
    • 育休開始日から6ヶ月経過後
      →基本給の50%

    なお、給付金は非課税扱いとなっているため所得税がかからず、また翌年度の住民税の算定にも含まれません。

    また、育児休業中の社会保険料は、労使ともに免除の扱いとなり、雇用保険料は給与所得に対して課されるため、こちらも負担ゼロとなります。

    以上の要素を総合的に考えると、育休手当と手取り賃金との差は、実質的に最大8割程度と考えてよいでしょう。

    産休まで仕事を続けた方がいい?

    健康上の問題などなければ、基本的には産休に入るまで仕事を続けることをおすすめします

    なぜなら、産休まで仕事を続けた場合と産休前に退職してしまった場合では、もらえる手当の総額が大きく異なってくるからです。

    産休前に退職してしまった場合、産休後の育休手当がもらえないため、経済的な損失が大きくなってしまいます。

    あくまでも母子の安全が第一ですが、健康上の問題がないのであれば、できるだけ産休まで働いて育休手当を貰った方がよいでしょう。

    まとめ

    産休・育休は、法律で定められた労働者の権利のひとつですが、雇用者が産休・育休中に給料を支払うことまでは義務づけられていません。

    看護師さんが産休・育休を取得し、安心して子育てするためには、出産育児一時金などの各種手当をしっかり受け取ることが大切です

    産休・育休中に受け取れる手当の種類と金額は、以下のとおりです。

    手当手当額申請〆切申請先
    出産育児一時金子供1人につき42万円出産の翌日から2年以内医療機関(直接支払制度の場合)
    出産手当金産休日数×基本給(日割)×2/3産休開始の翌日から2年勤務先
    育児休業給付金育児休業開始日~180日目まで
    →休業開始前の基本給の67%
    181日目~育休終了日まで
    →休業開始前の基本給の50%
    初回申請期限:育休開始日から4ヶ月後の月末
    2回目以降申請:原則2ヶ月ごとに2ヶ月ぶんまとめて申請
    勤務先
    児童手当子供(3歳未満)1人につき1万5千円/月申請した翌日から支給現住所の市区町村の役所

    安心して出産・育児に臨むためにも、産休に入る前に、育休手当などに関する正しい知識を身に着けておきましょう。

    なお、現在の職場が「出産・育児に対する理解がない」と感じた人は、転職を検討してみるのも良いでしょう。

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    監修者

    監修者

    出産後、ライフスタイルの変化に応じて転職を考える看護師はたくさんいます。
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