小児外来看護師の役割とは?求められるスキルや転職の全知識まとめ!
最終更新日:
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「子どもが好き!」「子育て経験を活かしたい!」という理由で、小児外来への転職を希望する看護師さんは多いです。
しかし、小児外来が未経験の看護師さんは、具体的な役割や仕事内容などがわからないですよね。
小児外来は、内科や外科などのさまざまな診療科の知識が必要なうえ、子どもの成長発達段階にあわせたケアが必要です。
豊富な知識と経験を活かせる仕事なので、小児外来に転職すれば大きなやりがいを感じられるでしょう。
本記事では、小児科外来看護師に求められる役割や知識・スキル、小児科外来に転職するためのコツを紹介しています。
「小児科外来に興味はあるけど、仕事内容をイメージできない」という方は、ぜひチェックしてみてください。
バイリンガル看護師
監修者ダシルヴァ石田牧子さん
ダシルヴァ石田牧子(だしるゔぁいしだまきこ)は、米国と日本で免許を持つバイリンガル看護師。また、外国人診療の看護師、医療英語の大学教員、精神保健分野の研究員など、さまざま分野での勤務経験がある。2021年にフリーランス・ナースとして独立し、コンサルティング、ライティング、講師、医療翻訳などの仕事に従事。順天堂大学医学部および順天堂大学の国際教養学部で医療コミュニケーション分野のゲスト講師を務める。看護師として「子育てしながら在宅でパラレルキャリアを積む」ことに挑戦中の2児のママ。
ダシルヴァ石田牧子(だしるゔぁいしだまきこ)は、『Medical Explorer』『Medical World Walkabout / 医療の世界を見渡そう』の著者でもある。
▼書籍一覧
ダシルヴァ石田牧子さんの著書一覧現役訪問看護師
監修者周田 佳介さん
周田 佳介(すだ けいすけ)さんは現役の訪問看護師として勤務中。 また急性期病院、慢性期病院、特養、グループホーム、ホームヘルパーと勤務経験あり。看護師資格を活かして、看護や介護の専門家で記事の執筆や研修講師などで働いている。資格は正看護師、介護福祉士、介護支援専門員、終末期ケア専門士などを保持している。
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- 魅力ある小児科外来看護師の役割と仕事内容
- 役割1.患児の観察・問診
- 役割2.処置のわかりやすい説明を行う
- 役割3.医師の診察介助
- 役割4.病棟との連携
- 役割5.予防接種・乳幼児健診
- 役割6.診療器具の準備や環境整備
- 小児科外来看護師に求められる知識・スキル
- 成長・発達段階についての知識
- 幅広い専門分野の知識
- 子どもが安心して話せるコミュニケーションスキル
- 家族の悩みや不安を聞き出すスキル
- 医師や他職種と連携・調整するスキル
- 小児外来看護師のあるあるをチェック
- 重症患者が急に飛び込んでくる
- 子ども向けアニメにやたらと詳しくなる
- 子どもや親に癒されてほっこり
- 子どもへの対応力を家庭では活かせない
- 受付終了30分前に患者が増えるのがつらい
- 理想の小児外来看護師になるには?【転職のコツ】
- まずは小児科看護師が向いている性格をチェック!
- 小児外来看護師になるのに特別な資格は必要ない
- 小児科外来の看護を勉強する
- 小児科看護師を勉強できる専門学校に通う
- 現場の口コミを徹底リサーチ
- 看護師の転職サイトに登録する
魅力ある小児科外来看護師の役割と仕事内容
小児外来は、やりがいのある魅力的な仕事ですが、他の診療科とは異なる特徴があります。
大人が受診する一般外来とも異なる点が多いため、ここで確認しておきましょう。
小児科外来看護師の役割と仕事内容について、詳しくご紹介します。
小児科外来看護師の役割・仕事内容
役割1.患児の観察・問診
小児外来看護師の仕事は、来院した患児を観察・問診することから始まります。
素早く的確に情報収集を行い、医師が適切な診察をできるようにサポートすることが大切です。
しかし、来院した患児と接するのが初めての場合も多く、「自分の状態をうまく伝えられない子ども」が相手なので簡単ではありません。
患児の状態を総合的に観察・問診する手順は、おおまかに以下の通りです。
小児科外来の観察・問診
- 患児の状態を親から聞き取る
- 患児本人に症状を聞く
- 患児の全身状態を観察
- 緊急性の有無を判断
親から情報を得ることも重要ですが、患児本人からの聞き取りも欠かせません。
普段から子どもを観察している親と、医療のプロである看護師の両面から、患児の様子を判断する必要があります。
小児外来看護師は、それぞれの患児に合った治療が行われるように、医師のサポートをすることが大切な役割です。
役割2.処置のわかりやすい説明を行う
患児本人や保護者に対し、処置の内容をわかりやすく説明することも、小児外来看護師の大切な役割です。
検査・処置について、保護者や患児本人に具体的かつわかりやすく説明することをプレパレーションといいます。
多くの子どもは病院が嫌いだったり、怖かったりすることが多く、子どもの年齢によっては治療を嫌がるケースも多いです。
また、処置の必要性は理解していても、自分の病気を受け入れられず、精神的に不安定になる患児もいます。
子どもにプレパレーションをする際は、以下の方法を用いて丁寧に説明することが必要です。
プレパレーションの方法
- 絵や人形を使った説明
- 動画を用いた説明
- わかりやすい言葉を使う
(注射:ちっくん、聴診:もしもし、吸入:もくもく、内服:おくすり 等)
プレパレーションがうまくいくと、患児の親から「看護師が子どもに丁寧に説明してくれた」という声をもらうこともあります。
子どもたちが安心して治療に取り組むためにも、プレパレーション(術前指導)は小児外来看護師にとって重要な役割です。
子どもを上手になだめて治療に納得してもらえたときは、大きなやりがいを感じられるでしょう。
役割3.医師の診察介助
医師の診察介助も、小児外来看護師の大切な仕事です。
来院する患児をスムーズに診察する必要がありますが、病気やケガをしていてもじっとしていられずに暴れたり、大声を出したりする子どももいます。
医師の診察が困難になるケースもあるため、以下のような役割も看護師の仕事です。
スムーズな診察のための仕事内容
- 患児・家族の誘導
- 問診(身長・体重測定含む)
- 診察準備
- 診察中に子どもを和ませる
- 診察後の補足説明
医師が患児の診察に集中できるようにサポートし、スムーズに診察を進めていきます。
役割4.病棟との連携
病棟との連携を取るのも、小児外来看護師の役割です。
外来に通う患児が、検査や治療を目的に入院する場合もあります。
その場合、これまでの経緯や子ども・親との関わり方などを、病棟に引き継ぐ仕事です。
また、病棟を退院した患児が外来通院となる場合は、病棟から申し送りを受けます。
病棟と外来で情報共有をすることで、患児にとって適切なケアを行えるようになるでしょう。
役割5.予防接種・乳幼児健診
子どもの予防接種や定期健診は、病院の小児科外来で行われることが多いです。
小児外来の看護師は、子どもの身体測定や注射を順番に手際良く行っていきます。
健診は予約制であることが多いため、病気やケガの外来に比べると予定を立てやすいでしょう。
しかし、何人もの子どもの健診・予防接種をこなす必要があるため、スピードと正確さが求められる仕事です。
ダシルヴァさん
予防接種は、接種時期、接種間隔、組み合わせ、済んでいない予防接種の対応なども考慮したスケジューリングが必要で、慣れるまでに意外と苦労しました。
役割6.診療器具の準備や環境整備
診療器具の準備や環境整備も、小児外来看護師の仕事内容に含まれます。
診察内容を把握し、患児ごとの適切な処置道具を揃えることも、スムーズに診療を進めるために必要な役割です。
また、院内感染対策の観点から、患児の診察に使用する物品や場所を清潔に保つ必要もあります。
「どんな処置だからどこが不潔なのか」「不潔部分をどうやって清潔にするか」を常に考え、周囲を観察しながら仕事をこなすことが求められるでしょう。
小児科外来看護師に求められる知識・スキル
小児外来の看護師は、基本的な看護技術に加え、子どもの成長発達段階による違いや、さまざまな疾患への理解が求められます。
「小児外来を目指すときは、具体的にどのような知識が必要なの?」と疑問に思っている方は、ここで確認しておきましょう。
小児外来看護師に求められる知識やスキルについて詳しくご紹介します。
求められる知識・スキル
成長・発達段階についての知識
小児外来看護師は、子どもの成長・発達段階に関する知識が欠かせません。
0歳~15歳までの幅広い年代の患児を看護するため、それぞれの年代の特徴などを把握しておく必要があります。
子どもの成長・発達を瞬時に観察できれば、異常の早期発見や症状の変化にも気づけるでしょう。
子どもの成長・発達の観察例
- 授乳期の子どもの栄養状態
- 幼児期の子どもの自律性
- 学童期の子どもの生活習慣
- 思春期の子どものメンタル状態
また、小児外来は子どもだけでなく、20歳以上の成人した大人が受診する場合もあります。
先天性疾患により子どもの頃から受診している場合、小児科の医師が主治医を継続することがあるからです。
ただし、循環器や脳神経外科などにバトンタッチされた場合は、小児科はフォローの役割を担います。
小児外来看護師は、ときには大人もケアするため、幅広い年代の成長・発達段階について理解しておく必要があるでしょう。
幅広い専門分野の知識
小児外来看護師は、子どもの疾患についての幅広い知識が必要です。
小児科にはさまざまな疾患の患児が訪れるため、以下のような専門分野について学んでおく必要があります。
小児科の専門外来例
- 心臓外来
- アレルギー外来
- 内分泌外来
- 神経外来
- 発達・栄養相談
曜日ごとに、複数の専門外来を行う病院もあり、それぞれの専門の医師が診察します。
しかし、看護師はすべての外来に対応するケースが多いため、それぞれの専門外来に対応できるように、小児疾患について幅広く学んでおきましょう。
子どもが安心して話せるコミュニケーションスキル
小児外来看護師は、子どもが自分の不安を訴えられるようなコミュニケーションを心がけます。
子どもは、普段の生活とは違う雰囲気の場所にいると不安を感じるため、子どもが安心して話せる雰囲気を作ることが必要です。
病院の雰囲気や、白衣を着たスタッフに怖気づいてしまうこともありますが、うまくコミュニケーションを取りながら心をほぐしていきます。
「患児自身が何を感じているのか」をすみやかに医師や親に伝えることで、子どもの意思に沿った診察・治療を進めやすくなるでしょう。
家族の悩みや不安を聞き出すスキル
小児科外来では、家族へのケアも重要です。
患児の親は、自分の子どもの病気に戸惑っている可能性が高く、大きな不安を抱えています。
「親の不安に寄り添うこと」が看護師の大事な役割のため、家族の不安や悩みを聞き出すスキルが必要です。
親の不安を取り除くことができれば、医師の説明を冷静に聞けるため、治療について正しく理解できるでしょう。
小児外来看護師は、スムーズに治療を進めていくためにも、患児の両親・家族を含めて良好な関係を築いていくスキルが求められます。
ダシルヴァさん
小児看護では、子どもとの関わり以上に保護者との関わりにエネルギーと時間を費やすこともあります。
医師や他職種と連携・調整するスキル
小児外来看護師は、医師や他職種の人と連携し、うまく調整していくスキルも必要です。
小児外来を受診する子どもは、病院に対して「痛い」「怖い」などの悪いイメージを持っている可能性があります。
しかし、子どもが安心して治療や検査を受けるためには、その不安や恐怖を取り除いてあげなければいけません。
小児外来看護師は、治療や検査に関する患児の不安を聞き取り、医師や検査技師などに伝えることが必要です。
「患児の不安をどのように対処してほしいか」という看護師としての見解も伝えておくと、医師や他職種の人とうまく連携しながら調整できるでしょう。
小児外来看護師の診察介助方法
小児外来看護師は、医師の診察介助が主な仕事です。
実際に、どのような診察介助を行っているか、小児外来で行っている診察介助の具体例を3つご紹介します。
以下の3つは診察介助のごく一部なので、小児外来のイメージをつかむ参考にしてみてください。
患児の観察
小児科の看護師は、緊急性のある症状の子どもがいないか、待合室全体の様子を観察する必要があります。
次々に来院する患児のなかには、緊急を要する症状の子どもがいる可能性があるため、常にアンテナを張りめぐらせておきましょう。
子どもは呼吸性の心停止が多いため、「呼吸観察」はとくに重要です。
小児外来看護師は、以下の観察ポイントをチェックし、急変する徴候がないかを判断します。
患児の観察ポイント
- 呼吸観察(呼吸の回数・努力呼吸の有無)
- 顔色
- 胸郭の上がり方
- 全身の様子
異常が見られた場合にはすぐに医師に報告し、優先的に診察を行います。
採血などの処置の介助
注射や採血など、「針」を怖がる子どもは非常に多いです。
小児外来看護師は、できるだけ優しい表情と言葉で子どもに話しかけ、気をそらしながら採血などの介助を行います。
しかし、なかには全身を使って暴れる子どももいるため、危険を避けるために体を固定することも多いです。
抑制帯やバスタオルなどを使って体幹を包むと、スムーズに採血できるようになります。
また、患児が長時間泣き続けていた場合は、血管が収縮して採血しにくいこともあるため、温めるなどの処置も必要です。
泣いている患児への対応
小児外来では、「病院が怖い」「注射が怖い」という理由で患児が泣くケースが多いです。
乳幼児は、抱っこすると安心して泣き止むケースも多いため、縦抱き・横抱きなどの好みをお母さんに相談しながらケアします。
しかし、「どこかが痛い」「便が出なくて苦しい」などの理由で泣いているケースもあるため、看護師は泣いている原因を考え、対処することが重要です。
一度泣き出したら止まらないケースも多いため、泣いている患児への対応は根気が必要になるでしょう。
小児科外来看護師の1日のスケジュール
小児外来看護師には、医師が診療をスムーズに進めるためのサポートの役割があります。
そのため、1日のスケジュールをしっかり把握しておくことが大切です。
小児外来看護師の1日の流れと業務内容を確認していきましょう。
小児外来看護師の1日の流れと業務内容
小児外来看護師の1日の業務は、以下のような流れで行います。
時間 | 業務内容 |
---|---|
8:30 | 診療準備・環境整備 |
8:45 | 朝礼・申し送り |
9:00 | 診療開始 |
12:30 | 休憩 |
14:00 | 専門外来・予防接種・乳幼児健診 |
17:00 | 片付け・業務終了 |
小児科外来は予約制の場合が多いため、スケジュールを立てやすいのが特徴です。
ただし、医師による家族への説明が長引いたり、子どもが処置を拒否したりすると、スムーズに進まないことも多々あります。
そのため、1人の診療時間が長引くことを想定したスケジュールを立てることも、小児科外来看護師の重要な役割といえるでしょう。
小児科の病棟看護師と外来看護師の違い・特徴
同じ小児科でも、病棟看護師と外来看護師では、働き方や給与などが大きく異なります。
「小児科には興味があるけど、病棟と外来で悩んでいる…」という方は、ここでチェックしておきましょう。
小児病棟・外来看護師について、以下の4つの違いや特徴をご紹介します。
病棟と外来看護師の違い・特徴
勤務体制
小児病棟と小児外来では、勤務体制に違いがあります。
病棟勤務は不規則になることが多いですが、外来勤務なら生活リズムを整えやすいのが特徴です。
【小児病棟・外来勤務体制の違い】
病棟 |
|
外来 |
|
勤務体制の違いに関しては、他の診療科の病棟と外来でも同じような違いがあります。
給料
小児科の病棟・外来では、給料の額にも違いがあります。
病棟の場合は夜勤手当があるため、給与が高いケースが多いです。
【小児病棟・外来勤務の平均年収】
病棟 | 約400万〜600万円/年 |
外来 | 約200万〜500万円/年 |
給与についても、他の診療科の病棟・外来と同じような違いがあります。
患児との関わりや疾患の程度
小児病棟と小児外来では、患児との関わり方や、疾患の程度が大きく異なります。
【患児との関わりや疾患の程度の違い】
病棟 |
|
外来 |
|
小児病棟勤務では、週単位・年単位の長期間にわたって、重い疾患を抱えた患児と関わるケースがほとんどです。
一方、小児外来勤務では、軽症の患児と関わるケースが多いことが特徴といえます。
小児外来のほうが楽というわけではありませんが、軽症の患児が多いぶん、精神的な負担は少ないでしょう。
家族との関わり方
小児病棟と小児外来では、患児の家族との関わり方にも違いがあります。
子どもの病気やケガに戸惑い、不安を感じていることは同じですが、入院・通院などの状況によって不安の大きさが異なるでしょう。
家族との関わり方の特徴や違いは、主に以下の通りです。
【家族の特徴と関わり方の違い】
病棟 |
|
外来 |
|
病棟の場合は、親が神経質になっている可能性があるため、子どもの病気やケガに不安を抱える親の気持ちを理解できる看護師は向いているでしょう。
一方、外来の場合は、病状が発生するまでの経緯を親から上手に聞き出し、適切な診察につなげる観察力がある看護師が向いています。
小児外来看護師のあるあるをチェック
SNSでつぶやかれていた「小児外来看護師のあるある」をご紹介します。
実際に小児科で働くイメージをつかむために、ぜひ参考にしてみてください。
重症患者が急に飛び込んでくる
小児外来には、軽度の病気から重症の子どもまで、さまざまな症状の患児が来院します。
親が気づいていなくても、重症の患児が急に来院することもあるため、見極めが必要です。
小児外来看護師は、重症の子どもを素早く見極め、適切な診察につなげることが求められます。
子ども向けアニメにやたらと詳しくなる
小児外来看護師は、毎日たくさんの子どもたちと接します。
子どもと仲良くなりたい小児科看護師は、人気アニメの情報収集は欠かせません。
アニメやゲーム、戦隊ものに詳しい小児科看護師さんは多いです。
子どもや親に癒されてほっこり
子どもが好きな看護師にとって、小児外来で働くメリットは多いです。
日頃から「子どもの可愛らしさに触れられる」というのは、小児科で働く看護師ならではのメリットといえるでしょう。
また、子どもの親との触れ合いも、心がなごむ瞬間といえます。
ダシルヴァさん
子どもと関わっていると、仕事中でも癒される場面が多いです。
子どもへの対応力を家庭では活かせない
小児科の看護師は、子どもへの対応に慣れているため「家庭でも上手に子育てしているのだろう」と思われる傾向があります。
しかし、自分の子どもとなると「うまくいかない」という看護師も多いです。
子育ての大変さは、小児科看護師も一般的な親と変わらないでしょう。
受付終了30分前に患者が増えるのがつらい
診察受付の終了間際に、「急に患者が増える」というのも小児科あるあるです。
予約制ではない小児クリニックの場合、延長診療で残業が多くなるケースもあります。
もし、家庭の事情などで残業が難しい場合は、完全予約制のクリニックを選ぶと良いでしょう。
小児科の看護師になりたい理由【志望動機の例】
小児科の看護師求人は少ないうえ、人気があるため、採用倍率が高い傾向があります。
採用されるためには、「子どもが好きだから」という理由だけでなく、好印象を与える志望動機を考えることが大切です。
ここでは、小児科を目指す看護師の志望動機の例文をご紹介します。
以下に例文をご紹介しますが、そのまま利用するのではなく、状況に合わせたアレンジをして志望動機を作成しましょう。
志望する病院の特色に惹かれた
例文
約5年間、循環器病棟で勤務してまいりました。
もともと子ども好きということもあり、現職で子どもの患者さんと接しているうちに、小児医療の分野でスキルアップしたいと考えるようになりました。
貴院は地域密着の小児専門医院として定評があります。
私も、貴院の一員として、これまでの看護師経験を活かして小児医療に取り組みたいと思い志望いたしました。
患児や家族をサポートしたい
例文
○○病院の内科病棟に3年ほど勤めています。
子どもの患者さまのご家族から疾患に関する相談を受ける機会が多いため、看護技術だけでなく、患者さま・ご家族さまへのサポートなど、多くのことを学べました。
患者さま・ご家族さまに寄り添う看護を行いたいと思い、地域に密着した診療をモットーにされている貴院で長く勤めたいと考えております。
小児科の経験がある看護師向け
例文
これまで内科や整形外科、小児科などで看護師として働いてきましたが、一番やりがいを感じたのが小児科の仕事でした。
もともと子どもが好きなこともあり、小児科の仕事に魅力を感じ、地域を代表する小児科医院である貴院で働きたいと思い志望いたしました。
これまでの小児科の経験を活かし、ぜひ貴院で地域の子どもたちの成長を見守りたいと考えています。
理想の小児外来看護師になるには?【転職のコツ】
「小児外来看護師として働きたい!」と思っても、理想の職場に転職できるか不安もあるでしょう。
ここでは、小児科外来に転職して長く働くためのコツを5つご紹介します。
小児科外来に転職するコツ
まずは小児科看護師が向いている性格をチェック!
転職後に「やっぱり小児科は向いてなかった…」と後悔する看護師もいます。
転職失敗を防ぐために、小児科の看護師に向いているかどうかを事前にチェックしておきましょう。
以下の条件に当てはまれば、小児科看護師が向いている可能性が高いです。
- 子どもが大好き
- 忍耐力がある
- 子ども・大人に対するコミュニケーション能力がある
- 看護師としてスキルアップを目指したい
小児科では、泣いている子どもを何時間もあやして診察を受けさせるなど、成人の診療とは違った忍耐力も必要です。
また、子どもにわかりやすく治療を説明したり、保護者に対して治療方針を説明するなど、コミュニケーション能力も求められます。
さらに、小児科では赤ちゃんから高校生の子どもまで診療科の区別なく診療するため、さまざまな診療科の知識が必要です。
コミュニケーション能力があり、スキルアップの意欲がある方は、小児科看護師に向いているでしょう。
小児外来看護師になるのに特別な資格は必要ない
小児外来看護師になるために、特別な資格は必要ありません。
「看護師国家資格」があれば、働くことが可能です。
「将来は小児救急看護や新生児集中ケアの認定看護師資格に挑戦したい」という看護師は、まずは小児外来に勤めてからスキルアップすれば良いでしょう。
転職サイトなどで小児外来の求人を探し、転職することが小児外来看護師になる近道です。
小児科外来の看護を勉強する
理想の小児科外来に転職するためには、小児科外来で求められる看護知識やスキルを学んでおきましょう。
いざ入職したら、その日から小児外来看護師としての役割が求められるため、自分で知識を身につけてから転職することが望ましいです。
転職先で信頼される看護師になるには、以下の内容を事前に勉強しておくことをおすすめします。
小児外来の看護を学ぶポイント
- 子どもの発達段階を知る
- プレパレーション(術前指導)の方法
- 子ども・家族との関わり方
- 子どもに多い疾患について
- 小児科外来で多い処置
(注射・点滴、身長・体重測定など)
理想の小児外来に転職して長く働くなら、小児科についての勉強は欠かせません。
勉強してもわからないことがあれば、転職後に先輩や上司に相談しましょう。
わからないことをそのままにして患児や家族へ対応すると、トラブルにつながる可能性もあります。
素直に質問してスキルアップすれば、将来的にも貴重な知識として役立つでしょう。
小児科看護師を勉強できる専門学校に通う
小児看護について深く勉強するなら、専門学校に通うのも1つの方法です。
しかし、小児看護に特化した専門学校は少ないため、小児看護についてより知識を深めたいなら、認定看護師や専門看護師の資格取得を視野に入れましょう。
例えば、東京医療秘書福祉専門学校の「小児看護コース」では3年間学ぶことができます。
小児分野の認定・専門看護師の資格は、以下の通りです。
小児分野の認定看護・専門看護
- 小児救急看護認定看護師
- 小児プライマリ・ケア認定看護師
- 新生児集中ケア認定看護師
- 小児看護専門看護師
ただし、認定看護師や専門看護師の資格を得るには、「分野の臨床経験が5年以上」などの受験資格が定められています。
まずは小児外来で経験を積み、知識も身についた時点で受験するのがおすすめです。
小児分野での臨床経験がある看護師なら、スムーズに認定看護師・専門看護師に合格できるでしょう。
現場の口コミを徹底リサーチ
理想の小児外来に転職したいなら、転職前にそれぞれの職場の口コミをリサーチしておきましょう。
小児外来の口コミは少ない可能性がありますが、病院全体の口コミなら見つかる可能性があります。
- (引用元
- ナスコミ)
ナスコミは、現場で働く看護師のリアルな口コミが投稿されているサイトです。
同じ病院内でも、部署によって看護師メンバーの雰囲気が異なることがあります。
そのため、転職前に希望の部署の雰囲気を調べておくことがおすすめです。
登録は無料なので、小児外来看護師として希望の働き方ができるよう、情報収集に役立ててください。
看護師の転職サイトに登録する
小児科外来の求人は、非常に少ないです。
看護師の配置人数が病棟に比べて少人数の場合が多く、離職者も少ないため欠員募集があまり出ません。
そのため、求人が出たらすぐに応募できる体制を整えておくことが大切です。
転職サイトを利用すれば、担当者が希望の求人を紹介してくれるうえ、履歴書の添削や面接対策などの転職サポートをしてくれます。
また、「どんな職場が合うのか」という相談をして、自分に合った施設のアドバイスももらえるでしょう。
「転職相談にはお金がかかるのでは…」と不安に感じるかもしれませんが、求職者は転職サイトを無料で利用できます。
多くの転職先から自分に合った職場を見つけるためにも、転職サイトに登録して実際に相談してみましょう。
小児科外来看護師になるためにおすすめの転職サイト
小児科外来看護師になるためにおすすめの看護師転職サイトを3つご紹介します。
「このなかで一番良いのはどれか…」と迷う場合は、求人数とサポートの両方とも充実している「看護roo!」がおすすめです。
しかし、手厚いサポートをしてくれるかどうかは担当者との相性に左右されるため、「このサイトを使えば安心!」と断言できるサイトはありません。
質の悪い担当者に当たっても慌てないように、転職サイトは複数登録しておくことをおすすめします。
手厚いサポートを受けたいなら「看護roo!」
- (引用
- 看護roo!)
看護roo!の特徴・強み
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まとめ
小児科外来看護師に転職するコツをご紹介しました。
小児科外来看護師の主な役割・仕事内容は以下の通りです。
小児科外来看護師の役割・仕事内容
- 患児の観察・問診
- 処置のわかりやすい説明を行う
- 医師の診療介助
- 病棟との連携
- 予防接種・乳幼児健診
- 診療器具の準備や環境整備
理想の小児科外来に転職したいなら、事前に十分な情報収集を行いましょう。
ただし、小児科外来の求人は少ないため、希望条件に合った転職先を効率よく探すなら「看護師転職サイト」の活用がおすすめです。
転職サイトを利用すると、「職場の人間関係」や「1ヶ月あたりの残業時間」など、職場の内部情報を教えてもらえます。
以下の転職サイトは看護師からの評判が高いので、ぜひ活用してみてください。
【おすすめ看護師転職サイト3選】
転職サイト名 | 公開求人数 | 対応エリア |
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看護roo! | 約5.6万件 | 全国 |
レバウェル看護 (旧:看護のお仕事) | 約8.8万件 | 全国 |
ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク) | 約1.6万件 | 全国 |
※2024年6月時点(「常勤」のみ)
複数の転職サイトに登録しておくと、理想の職場を見つけやすくなるでしょう。
転職サイトを存分に活用して、小児科外来への転職を成功させてください。
ダシルヴァさん
小児外来では、本人がうまく伝えられない症状を聞き出し、怖がる子どもに対して必要な処置を行うため、子どもへの気配りや高いコミュニケーション力が必要です。
子どもが好きで、保護者とも積極的に関わることができる看護師は、小児外来への転職を検討してみましょう。
小児科の外来看護師ってどんな役割が求められるの?