
エンジニア派遣は本当に「やめとけ」?仕組み・年収・未経験からのなり方まで徹底解説!
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「エンジニア派遣って実際どうなんだろう…」
「"やめとけ"なんて声も聞くけど、本当のところを知りたい」
「自分に合った働き方なのかな?」
エンジニア派遣という働き方に興味をお持ちのあなたへ。
もしかしたら、こんな疑問や不安を抱えているかもしれませんね。
ITエンジニアとしてのキャリアを考え始めた方、あるいは今の働き方に悩んでいて新しい選択肢を探している方にとって、エンジニア派遣は魅力的な選択肢の一つに見えるかもしれません。
しかし、インターネット上には様々な情報があふれており、「SESとの違いがよくわからない」「給料はどれくらいもらえるの?」「未経験でも大丈夫?」といった具体的な疑問から、「将来性はあるの?」「やっぱり正社員の方がいいのかな…」といった漠然とした不安まで、なかなかスッキリ解決できないことも多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなあなたの疑問や不安に一つひとつ丁寧にお答えしていきます。
エンジニア派遣の基本的な仕組みから、気になるメリット・デメリット、まことしやかに囁かれる「やめとけ」と言われる理由とその真相、そしてリアルな年収事情や未経験からエンジニア派遣として活躍するためのステップまで、どこよりも分かりやすく解説します。
この記事を最後まで読めば、エンジニア派遣という働き方があなたにとって本当に合っているのか、具体的なイメージを持って判断できるようになるでしょう。
そして、もしエンジニア派遣の道を選ぶなら、後悔しないための会社の選び方や、次のステップに進むための具体的な行動も見えてくるはずです。
あなたのキャリア選択の一助となれば幸いです。それでは、一緒にエンジニア派遣の世界を見ていきましょう。
現役エンジニア
監修者守田典男さん
2001年にSierに就職。金融系、在庫管理、生産管理などさまざまな分野のシステム開発プロジェクトに参画。インフラエンジニアとして20年の経験を持つ。得意分野はデータベース技術。
国家試験である情報処理技術者試験(プロジェクトマネージャ、データベーススペシャリスト、応用情報技術者)、AWS認定試験(クラウドプラクティショナー、ソリューションアーキテクト アソシエイト、AWS Certified Database - Specialty)に合格。
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- エンジニア派遣とは?仕組みや種類、SESとの違いを丁寧に解説
- エンジニア派遣の基本的な仕組み:「技術者派遣」とは違うの?
- 押さえておきたい!派遣エンジニアの主な3つの種類
- 【比較表あり】派遣とSES(システムエンジニアリングサービス)の違いを徹底比較!
- メリット・デメリットを正直に解説!「やめとけ」と言われる理由とは?
- エンジニア派遣として働くメリット
- 知っておくべき!派遣エンジニアとして働くデメリット
- なぜ?「エンジニア派遣はやめとけ」と言われる理由と、その対策
エンジニア派遣とは?仕組みや種類、SESとの違いを丁寧に解説
エンジニア派遣という働き方に興味を持ったけれど、「そもそも派遣ってどういう仕組みなの?」「いろんな種類があるみたいだけど、よくわからない…」と感じている方も多いのではないでしょうか。
まずは基本となるエンジニア派遣の定義や、混同されやすいSESとの違いをしっかり理解することが、自分に合った働き方を見つけるための第一歩です。
エンジニア派遣の基本的な仕組み:「技術者派遣」とは違うの?
エンジニア派遣の最も基本的な「仕組み」を理解することは、他の働き方と比較検討する上での大前提となります。
エンジニア派遣とは、派遣会社(派遣元)と雇用契約を結んだエンジニアが、派遣先企業に派遣されて、そこで指示を受けながら仕事をする働き方です。
少し難しく聞こえるかもしれませんが、ポイントは「雇用契約を結ぶ会社」と「実際に仕事をする会社(指揮命令を受ける会社)」が異なるという点です。
- あなた(派遣エンジニア):派遣会社と雇用契約を結びます。お給料も派遣会社から支払われます。
- 派遣会社(派遣元):あなたのスキルや希望に合った派遣先企業を探し、紹介します。福利厚生や研修制度を提供する場合もあります。
- 派遣先企業:あなたが実際に働く会社です。仕事の具体的な指示は、この派遣先企業の担当者から受けます。
「技術者派遣」という言葉もよく耳にするかもしれませんが、これはエンジニア派遣とほぼ同じ意味で使われることが多いです。
特にIT分野に限らず、機械設計や電気電子系のエンジニアなども含めて「技術者」と総称する場合に用いられます。
この記事では、主にITエンジニアの派遣を念頭に解説を進めます。
押さえておきたい!派遣エンジニアの主な3つの種類
派遣と一口に言っても、契約形態によって働き方や安定性が大きく変わるため、自分に合った種類を選ぶための知識は不可欠です。
エンジニア派遣には、主に以下の3つの種類があります。
それぞれの特徴を理解して、自分に合った働き方を選びましょう。
- 特徴:派遣会社に登録し、仕事がある時だけ派遣会社との間で雇用契約が結ばれます。派遣契約の期間が終了すると、雇用契約も一旦終了となります。
- 向いている人:特定の期間だけ働きたい、様々な企業で経験を積みたい、自分のライフスタイルに合わせて柔軟に働きたい人。
- 注意点:仕事が途切れる期間が発生する可能性があります。
- 特徴:派遣会社の正社員または契約社員として雇用され、派遣先企業で働きます。派遣先での仕事が終了しても、派遣会社との雇用契約は継続されるため、給与が安定しやすいのが大きなメリットです。派遣会社によっては、待機期間中も給与が支払われたり、研修を受けられたりします。
- 向いている人:安定した雇用を望む人、長期的なキャリア形成を考えている人、派遣会社のサポートを受けながらスキルアップしたい人。
- ポイント:近年、「エンジニア派遣はやめとけ」という声に対する一つの安心材料として注目されています。
- 特徴:派遣期間(最長6ヶ月)終了後、本人と派遣先企業の双方が合意すれば、派遣先企業の直接雇用(正社員や契約社員など)に切り替わることを前提とした働き方です。
- 向いている人:将来的に正社員として働きたいけれど、まずは職場の雰囲気や仕事内容を実際に体験してから決めたい人。
- メリット:自分に合う会社かどうかをじっくり見極められます。
このように、派遣エンジニアと一口に言っても、その種類によって働き方や安定性に違いがあります。
ご自身の希望やキャリアプランに合わせて、どの種類が最適か考えてみましょう。
【比較表あり】派遣とSES(システムエンジニアリングサービス)の違いを徹底比較!
「派遣」と「SES」はIT業界でよく比較される働き方ですが、その違いを正確に理解している人は意外と少ないです。
エンジニア派遣とよく比較される働き方に「SES(システムエンジニアリングサービス)」があります。
どちらもお客様先の企業で働く点は似ていますが、契約形態や指揮命令系統に大きな違いがあります。
比較項目 | エンジニア派遣 (労働者派遣契約) | SES (準委任契約/請負契約) |
---|---|---|
契約形態 | 派遣元(派遣会社)と派遣先企業が「労働者派遣契約」を締結 | 発注元企業とSES企業が「準委任契約」または「請負契約」を締結 |
雇用関係 | あなたと派遣会社 | あなたとSES企業 |
指揮命令権 | 派遣先企業 (実際に働く会社の担当者) | SES企業 (あなたが所属する会社の担当者) |
業務範囲 | 派遣先企業の指示に基づき、幅広い業務を担当可能 | 契約で定められた特定の業務や成果物の完成が目的 |
報酬の対象 | 労働力の提供 (時間に対して支払われる) | 業務の遂行や成果物 (作業や成果物に対して支払われる) |
主なメリット |
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主な注意点 |
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一番大きな違いは「指揮命令権がどこにあるか」です。
- エンジニア派遣:派遣先企業の担当者から直接、仕事の指示を受けます。
- SES:所属しているSES企業の担当者から指示を受けます。お客様先の担当者から直接指示を受けることは、原則としてできません(偽装請負にあたる可能性があります)。
SESは、特定の技術やスキルを提供することに重きが置かれる傾向があります。
一方、派遣エンジニアは、派遣先のチームの一員として、より幅広い業務に関わるチャンスがあると言えるでしょう。
どちらが良い・悪いではなく、それぞれの特徴を理解し、ご自身のスキルやキャリアプラン、働き方の希望に照らし合わせて選ぶことが大切です。
どんな仕事内容?派遣エンジニアの主な職種を紹介
「エンジニア派遣って、具体的にどんな仕事ができるの?」と疑問に思っている方もいるでしょう。
実は、派遣エンジニアが活躍できるフィールドは非常に幅広く、あなたのスキルや興味に合わせて様々な職種に挑戦できる可能性があります。
ここでは、代表的な職種をIT系とIT系以外に分けてご紹介します。
多岐にわたる!IT系のエンジニア職種
IT業界は技術の進歩が速く、常に新しい技術やサービスが生まれています。それに伴い、エンジニアの活躍の場も広がっています。
派遣エンジニアとして関われる代表的なIT系の職種には、以下のようなものがあります。
職種 | 業務内容 | 求められるスキル |
---|---|---|
システム開発エンジニア(プログラマー、SE) | 業務系システム、Webアプリケーション、スマホアプリなどの設計、開発、テスト、運用・保守など。 使用言語例:Java, Python, PHP, Ruby, C#, JavaScript など | プログラミングスキル、論理的思考力、コミュニケーション能力。 |
インフラエンジニア(ネットワークエンジニア、サーバーエンジニア) | 企業内のネットワークやサーバーの設計、構築、運用、保守、セキュリティ対策など。クラウド環境(AWS, Azure, GCPなど)の構築・運用も増えています。 | ネットワーク機器やサーバーOSの知識、クラウド技術の知識、トラブルシューティング能力。 |
Webエンジニア(フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア) | WebサイトやWebサービスの設計、開発、運用。ユーザーが見る画面側(フロントエンド)と、サーバー側の処理(バックエンド)に分かれることも。 使用技術例: (フロントエンド)HTML, CSS, JavaScript, React, Vue.js (バックエンド)PHP, Ruby, Python, Node.js, Java | Web技術全般の知識、UI/UXに関する理解、データベースの知識。 |
データベースエンジニア | データベースの設計、構築、運用、チューニング、バックアップ、セキュリティ管理など。 | SQLの知識、各種データベース製品(Oracle, MySQL, PostgreSQL, SQL Serverなど)の知識。 |
ヘルプデスク・テクニカルサポート | 社内外からのITに関する問い合わせ対応、トラブルシューティング、PCのセットアップなど。 | ITの基礎知識、コミュニケーション能力、問題解決能力。 |
これらの他にも、テストエンジニア、セキュリティエンジニア、データサイエンティストなど、専門性の高い職種も派遣で募集されることがあります。
自分の興味や得意分野に合わせて、様々な仕事にチャレンジできるのが魅力です。
ITだけじゃない!IT系以外のエンジニア職種
「エンジニア」と聞くとIT系を想像しがちですが、実はIT以外の分野でも多くの派遣エンジニアが活躍しています。
特に「ものづくり」の現場では、専門的な知識や技術を持つエンジニアの力が求められています。
職種 | 業務内容 | 求められるスキル |
---|---|---|
機械系エンジニア | 自動車、家電、産業機械などの製品や部品の設計(CADを使用)、解析、評価、生産技術など。 | 機械工学の知識、CAD操作スキル、図面読解力。 |
電気・電子系エンジニア | 電子回路の設計、半導体開発、制御システムの設計、評価、品質管理など。 | 電気・電子工学の知識、回路設計スキル、計測機器の取り扱いスキル。 |
化学系エンジニア | 新素材の研究開発、化学製品の製造プロセスの設計・改善、品質管理、環境分析など。 | 化学の専門知識、実験・分析スキル。 |
これらの分野でも、大手メーカーや研究機関などで派遣エンジニアの求人が出ています。
自分の専門知識や経験を活かしたい方、特定のプロジェクトに期間を区切って関わりたい方にとっては、魅力的な選択肢となるでしょう。
メリット・デメリットを正直に解説!「やめとけ」と言われる理由とは?
エンジニア派遣という働き方を選ぶ上で、良い点(メリット)と気になる点(デメリット)の両方をしっかり理解しておくことは非常に重要です。
特に「エンジニア派遣はやめとけ」といったネガティブな声も耳にすることがあるかもしれません。
ここでは、その理由も含めて、客観的にメリットとデメリットを解説し、後悔しないための対策も合わせてお伝えします。
エンジニア派遣として働くメリット
まず、エンジニア派遣として働くメリットを解説します。

派遣エンジニアはさまざまな現場で経験を積めるため、広く技術を習得できる点が大きなメリットです。
「同じ現場に長くいるのではなく、いろんなことを経験したい」という方におすすめです。
様々な企業やプロジェクトで経験を積める
大手企業から成長中のベンチャー企業まで、多様な環境で働くチャンスがあります。
異なる業界や開発手法、新しい技術に触れる機会が多く、短期間で幅広いスキルや経験を身につけやすいです。
自分の希望やスキルに合わせて仕事を選びやすい
勤務地、業務内容、残業時間、使用技術など、自分の希望条件を派遣会社に伝えることで、マッチする仕事を紹介してもらえます。
「この技術を極めたい」「あの業界のプロジェクトに関わってみたい」といったキャリアプランに沿った仕事選びがしやすいです。
ライフワークバランスを重視しやすい
契約時に勤務時間や残業時間について取り決めがあるため、比較的プライベートの時間を確保しやすい傾向があります。
「残業は少なめがいい」「特定の曜日だけ働きたい」といった希望も、派遣会社を通じて交渉できる場合があります。
大手企業のプロジェクトに参加できるチャンスがある
正社員としては入社が難しいような大手企業や有名企業のプロジェクトに、派遣エンジニアとして参加できる可能性があります。
大規模なプロジェクトに関わることで、貴重な経験や人脈を得られることもあります。
派遣会社のサポートを受けられる
スキルアップのための研修制度やキャリア相談、福利厚生などを提供している派遣会社もあります。
仕事上の悩みやトラブルがあった場合も、派遣会社の担当者に相談できるため安心です。
特に常用型派遣の場合、このサポート体制が充実していることが多いです。
これらのメリットは、特に自分のスキルを短期間で高めたい方や、柔軟な働き方を求める方にとっては大きな魅力となるでしょう。
知っておくべき!派遣エンジニアとして働くデメリット
一方で、エンジニア派遣にはデメリットも存在します。
これらを理解し、対策を考えることが大切です。

派遣エンジニアはさまざまな現場を経験できますが、数ヶ月程度の就業ではスキルが身につきません。
そのため、短期のプロジェクトばかりだと、エンジニアとしての成長が止まってしまいます。
スキルアップするためには、働きながら自己研鑽することが必須です。
雇用の安定性(登録型派遣の場合)
登録型派遣の場合、派遣契約の期間が終了すると、次の仕事が見つかるまで収入が途絶える可能性があります。
景気や企業の業績によっては、契約が更新されない(雇い止め)リスクもゼロではありません。
CHECK!
派遣切りのリスクを防ぐためにはスキルアップが重要
自分だけの強みを身につけて派遣切りを防ぐためには、スキルアップを図ることが重要です。
派遣会社ではさまざまなスキルアップ支援を提供しているので、働きながら知識を身につけることが可能です。
たとえば、派遣会社「パーソルクロステクノロジー」では、以下のような支援を受けられるので活用してみてください。
- 指定の資格を取得すると助成金が支払われる
- 日経BP社ビジネス書籍を定価の10%引きで購入できる
- ECC英会話コースを家族も優待割引で利用できる
- 富士通ゼミナールのテキストを自宅学習用に安く購入できる
(参考元:パーソルクロステクノロジー )

派遣エンジニアは人脈を広げやすいので、有識者に教えてもらうのも1つの手です。
派遣エンジニアは日々自分の能力を高め、顧客に売り込んでいかないといけないため、多くの人が自己研鑽しているはずです。
書籍やサイトなどで学習を進めつつ、わからないところは同じ派遣会社のエンジニアに相談して一緒にスキルアップを目指すとよいでしょう。
キャリアパスの形成が難しい場合がある
派遣先の業務は限定的な場合があり、一つの企業で長期的なキャリアを築いたり、マネジメント経験を積んだりする機会は少ないかもしれません。
自分で積極的にスキルアップやキャリアプランを考え、行動していく必要があります。
給与・待遇面での限界
一般的に、同じ業務内容であれば正社員と比較してボーナスや退職金がない、または少ない場合があります。
昇給の機会も限定的かもしれません。
ただし、スキルや経験によっては高時給・高単価の案件もあります。

近年では、注目度の高いAIを使った技術やデータ分析に関連するスキルがあると高単価を狙いやすいです。
プログラミング言語であれば「Python」、インフラ系の業務であれば「クラウド」のスキル習得を目指すのがおすすめです。
帰属意識を持ちにくい
派遣先企業の社員ではないため、疎外感を感じたり、職場のイベントなどに参加しづらかったりすることがあるかもしれません。
重要な業務に関わりにくい場合がある
企業の機密情報に関わる業務や、責任の重いコアな業務は、正社員が担当することが多く、派遣エンジニアには任されにくい傾向があります。
CHECK!
正社員転職するなら「ワークポート」がおすすめ
派遣で働くデメリットを確認して「正社員のほうがいいかも……」と感じた方もいらっしゃるでしょう。
正社員としてエンジニア転職したいならば、IT業界の転職に強みを持つ「ワークポート」の利用がおすすめです。

- (引用元
- ワークポート)
「ワークポート」は、IT・Web・ゲーム業界の求人に強い転職エージェント。
「未経験可」や「未経験歓迎」の求人も多いため、IT業界未経験からエンジニアを目指している方におすすめです。
専門知識を持ったアドバイザーの方が転職活動を手厚くサポートしてくれるので、ぜひ利用してみましょう!
ワークポート|基本情報
運営会社 | 株式会社ワークポート |
---|---|
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(最終更新:25年5月時点)
これらのデメリットを理解した上で、それでもエンジニア派遣を選ぶのか、あるいは別の働き方を探すのかを考えることが重要です。
なぜ?「エンジニア派遣はやめとけ」と言われる理由と、その対策
「エンジニア派遣はやめとけ」という言葉を耳にすると、不安になりますよね。
なぜそう言われるのか、主な理由とそれに対する考え方や対策を見ていきましょう。
「雇用が不安定だから」
特に登録型派遣の場合、契約期間が終わると次の仕事が見つかるまで収入が不安定になることがあります。
「派遣切り」といった言葉のイメージも影響しているかもしれません。
- 常用型派遣を選ぶ:派遣会社の社員として雇用されるため、派遣先が変わっても雇用は継続され、給与も安定します。これが最も有効な対策の一つです。
- スキルを高める:市場価値の高いスキルを身につければ、仕事が途切れにくくなります。
- 複数の派遣会社に登録する:仕事の選択肢を増やすことができます。
「スキルアップしにくい・キャリアアップできないから」
任される業務が限定的だったり、簡単な作業ばかりだったりすると、スキルが身につかないと感じることがあります。
また、派遣先で昇進することは基本的にありません。
- 主体的に学ぶ姿勢を持つ:派遣の仕事以外でも自己学習を進め、資格取得を目指すなど、積極的にスキルアップに取り組みましょう。
- 派遣会社にキャリア相談をする:経験豊富な担当者に相談し、スキルアップできる案件やキャリアプランに合った仕事を紹介してもらいましょう。優良な派遣会社は研修制度も充実しています。
- 紹介予定派遣を活用する:将来的に正社員を目指せる道もあります。
様々なプロジェクトを経験することで、特定の企業に長く勤めるよりも多様な技術や知識が身につくという側面もあります。
「給料が安い・待遇が悪いから」
正社員と比較してボーナスや退職金がない、昇給が少ないといったイメージがあります。
- 高単価案件を狙う:経験やスキルによっては、正社員より高い時給を得られることもあります。特に需要の高いプログラミング言語やインフラスキルを持つエンジニアは有利です。
- 派遣会社の福利厚生を確認する:社会保険はもちろん、有給休暇、健康診断、育児支援制度などが充実している派遣会社を選びましょう。
- 単価交渉:スキルや実績に応じて、派遣会社を通じて単価交渉ができる場合もあります。
「責任ある仕事を任せてもらえない・雑用ばかりやらされるから」
重要な業務は正社員が担当し、派遣社員は補助的な業務に回されることがある、というイメージです。
- 契約内容をしっかり確認する:どのような業務範囲なのか、事前に派遣会社に確認しましょう。
- スキルや意欲をアピールする:派遣先で積極的にコミュニケーションを取り、できることをアピールすることで、より専門的な仕事を任せてもらえる可能性もあります。
「雑用」と感じる業務でも、その企業やプロジェクトの進め方を学ぶ良い機会と捉えることもできます。
「人間関係が希薄・疎外感を感じるから」
派遣社員は「お客様」扱いされたり、社内のイベントに参加しにくかったりすることがあります。
- 積極的にコミュニケーションを取る:挨拶や報告・連絡・相談をしっかり行い、自分からチームに溶け込む努力も大切です。
- 派遣仲間との繋がりを大切にする:同じ派遣会社の仲間がいれば、情報交換をしたり悩みを共有したりできます。
割り切って、仕事とプライベートをきっちり分けたい人にとっては、むしろメリットになることもあります。
「やめとけ」という言葉は、過去のイメージや一部の良くない事例から生まれていることも少なくありません。
大切なのは、情報を鵜呑みにせず、デメリットを理解した上で、それを回避・軽減するための対策を講じることです。
特に常用型派遣の登場は、従来の派遣のイメージを大きく変えつつあり、安定性とスキルアップの両立を目指せる働き方として注目されています。
結局いくら稼げる?派遣エンジニアの年収・単価相場と推移
働く上で最も気になることの一つが「収入」ではないでしょうか。
「派遣エンジニアって、実際どれくらい稼げるの?」「自分のスキルや経験だと、どれくらいの単価が見込めるの?」といった疑問にお答えします。
ここでは、派遣エンジニアの年収や単価の相場観、そしてその決まり方や市場の動向について見ていきましょう。
データで見る!派遣エンジニアの平均時給・月収・年収の目安
派遣エンジニアの給与は、一般的に「時給」で計算されることが多いです。
月収や年収は、この時給と労働時間によって変動します。
プログラマー・システムエンジニア | 2,000円~4,500円程度 | 経験年数やスキル、プロジェクトの規模によって大きく変動します。JavaやPythonなどの需要の高い言語スキル、上流工程の経験などがあると高くなる傾向があります。 |
---|---|---|
インフラエンジニア(ネットワーク・サーバー) | 2,200円~5,000円程度 | クラウド技術(AWS、Azureなど)の経験や、大規模インフラの設計・構築経験があると高単価になりやすいです。 |
ヘルプデスク・テクニカルサポート | 1,500円~2,500円程度 | 対応範囲や専門性によって異なります。英語対応が可能だとプラスされることも。 |
仮に時給2,500円で、1日8時間、月20日働いた場合…
- 月収:2,500円 × 8時間 × 20日 = 400,000円
- 年収:400,000円 × 12ヶ月 = 4,800,000円
(※これに加えて、残業代が支給される場合があります。交通費は派遣会社によって規定が異なります。)
あくまでこれは一例です。スキルや経験、勤務地、案件の内容によって時給は大きく変わります。
例えば、令和5年度 労働者派遣事業報告書の集計結果によると、情報処理・通信技術者の平均賃金(8時間換算)は20,430円でした。(参考:労働者派遣事業の事業報告の集計結果について |厚生労働省 )
厚生労働省が発表している「労働者派遣事業報告書」などの公的なデータや、大手派遣会社が公開している求人情報などを参考にすると、よりリアルな相場観を掴むことができるでしょう。
単価はどう決まる?経験やスキル、職種による違い
派遣エンジニアの時給(単価)は、主に以下の要素によって決まります。
当然ながら、経験年数が長いほど、より高いスキルや問題解決能力が期待されるため、単価も高くなる傾向があります。
特に3年以上の実務経験があると、選択肢が広がり、単価も上がりやすくなります。
- プログラミング言語
Java, Python, PHP, Ruby, Go, Swift, Kotlinなど、需要の高い言語や新しい技術を扱えるエンジニアは高単価になりやすいです。 - フレームワーク・ライブラリ
React, Vue.js, Angular, Ruby on Rails, Django, Springなどの人気フレームワークの経験も評価されます。 - インフラスキル
AWS, Azure, GCPといったクラウド技術の設計・構築・運用経験、Linux/Windowsサーバーの深い知識、ネットワーク設計・構築スキル、セキュリティ関連の知識などは高く評価されます。 - データベーススキル
Oracle, MySQL, PostgreSQLなどのDB設計・構築・チューニング経験。 - 上流工程の経験
要件定義、基本設計、詳細設計といった上流工程の経験があると、単価アップに繋がりやすいです - マネジメント経験
プロジェクトリーダーやチームリーダーの経験もプラス評価です。
一般的に、システム開発やインフラ構築といった専門性の高い職種の方が、ヘルプデスクなどの職種よりも単価が高い傾向にあります。需要と供給のバランスによっても変動します。例えば、AI関連やデータサイエンスのスキルを持つエンジニアは、現在非常に需要が高く、高単価が期待できます。
金融、医療、製造といった特定の業界の業務知識があると、その分野のプロジェクトで重宝され、単価に反映されることがあります。
都市部(特に東京)は、地方に比べて単価が高い傾向にあります。
グローバルなプロジェクトや外資系企業での案件では、英語力が求められ、それが単価に上乗せされることがあります。
自分のスキルや経験を客観的に把握し、派遣会社のエージェントとよく相談しながら、適正な単価の仕事を探すことが重要です。
エンジニア派遣の単価の推移:市場の需要と動向は?
現在の単価だけでなく、将来的な見通しや市場のトレンドを知ることは、キャリアプランを考える上で非常に重要です。
エンジニア派遣の単価は、IT業界全体の需要と供給のバランスに大きく影響されます。
- IT人材不足による単価上昇傾向
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や新しい技術(AI、IoT、クラウドなど)の普及に伴い、ITエンジニアの需要は年々高まっています。しかし、供給が追いついていないため、多くの企業でIT人材が不足している状況です。
この人材不足を背景に、特に高いスキルを持つエンジニアや、需要の高い分野のエンジニアの派遣単価は上昇傾向にあります。 - 専門性の高いスキルへの需要増
以前は汎用的なスキルを持つエンジニアの需要も高かったですが、近年はより専門性の高いスキル(例:特定のクラウド技術、AI関連技術、サイバーセキュリティなど)を持つエンジニアへのニーズが強まっています。こうしたスキルを持つエンジニアは、より高い単価で迎えられる傾向があります。 - 働き方の多様化と派遣の活用
企業側も、正社員採用だけでなく、必要なスキルを持つ人材を必要な期間だけ確保できる派遣エンジニアの活用を積極的に進めています。
IT技術は今後も進化し続け、新しいサービスやシステムが次々と生まれてくるでしょう。
それに伴い、ITエンジニアの需要は引き続き高い水準で推移すると予想されます。
特に、AI、データサイエンス、IoT、クラウド、セキュリティといった分野は、今後も成長が見込まれ、これらのスキルを持つエンジニアの市場価値は高まると考えられます。
ただし、技術の移り変わりも速いため、常に新しい情報をキャッチアップし、スキルをアップデートしていく努力は不可欠です。
市場の動向を把握し、将来性のあるスキルを身につけていくことが、派遣エンジニアとして長く活躍し、高い収入を得るための鍵となります。
未経験からでも派遣エンジニアになれる?目指し方を紹介
「プログラミング経験はないけど、エンジニアになってみたい」「IT業界に興味があるけど、何から始めればいいかわからない」そんな未経験の方でも、派遣エンジニアとしてキャリアをスタートできる可能性は十分にあります。
ここでは、未経験者を取り巻く現状と、実際に目指すための具体的なステップや準備について解説します。
未経験者採用のリアル:IT人材不足が追い風に
未経験の人は「自分でもなれるのだろうか」という大きな不安を抱えているのではないでしょうか。
結論から言うと、未経験からでも派遣エンジニアになれるチャンスはあります。
その大きな理由の一つが、先ほども触れた「深刻なIT人材不足」です。
経済産業省の調査によると、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されており、多くの企業がエンジニアの確保に苦労しています。(※参考:IT 人材需給に関する調査|経済産業省 )
このため、企業は経験者採用だけでなく、ポテンシャルのある未経験者を採用し、自社で育てていこうという動きを強めています。
特に派遣会社の中には、未経験者向けの研修制度を充実させ、ITエンジニアとしての基礎を学んだ上で派遣先を紹介してくれるところが増えています。
- ヘルプデスク・テクニカルサポート
ITの基礎知識やコミュニケーション能力が活かせます。 - テスター・評価業務
開発されたシステムやアプリが正しく動作するかを確認する仕事です。細かい作業が得意な人に向いています。 - IT事務・運用保守のアシスタント
資料作成やデータ入力、簡単なシステム操作などからスタートできます。
もちろん、最初から高度な開発業務を任されることは少ないかもしれませんが、まずはIT業界での実務経験を積むことが重要です。
そこからステップアップしていく道が開けます。
未経験から派遣エンジニアになるための3ステップ・準備
未経験から派遣エンジニアを目指すためには、いくつかの準備とステップが必要です。
ステップ1:ITの基礎知識を身につける
- プログラミング学習サイト
Progate、ドットインストール、Udemyなど、初心者向けのオンライン学習サービスがたくさんあります。まずはHTML/CSS、JavaScriptといったWeb系の基礎や、Pythonのような比較的学びやすい言語から始めてみるのがおすすめです。 - 書籍
ITパスポートや基本情報技術者試験の参考書など、ITの基本的な知識を網羅的に学べる本も良いでしょう。 - IT関連のニュースやブログを読む
IT業界のトレンドや新しい技術に触れておきましょう。
いきなり全てを学ぼうとせず、「まずはWebサイトを作れるようになる」「この言語の基本をマスターする」といった具体的な目標を立てると、学習のモチベーションを維持しやすくなります。
ステップ2:スキルを証明できるものを作る
学んだ知識を活かして、簡単なWebサイトやアプリケーションなど、自分で何かを作ってみましょう。
それがあなたのスキルを証明する「ポートフォリオ」となり、就職活動で有利に働くことがあります。
- ITパスポート
ITの基礎知識を証明する国家資格。 - 基本情報技術者試験
ITエンジニアとしての基本的な知識・技能を証明する国家資格。 - マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)
WordやExcelなどのスキルを証明。ヘルプデスクやIT事務を目指す場合に役立ちます。
その他、プログラミング言語関連の認定資格(Oracle認定Javaプログラマなど)や、クラウド関連の認定資格(AWS認定など)も、目指す職種によっては有効です。
ステップ3:派遣会社に登録し、相談する
- 未経験者向けの求人に強い派遣会社を選ぶ
派遣会社の中には、未経験者向けの求人を多く扱っていたり、充実した研修制度を持っていたりするところがあります。そういった会社を選びましょう。 - 研修制度を活用する
多くの派遣会社では、IT基礎研修、プログラミング研修、ビジネスマナー研修などを無料で提供しています。積極的に活用してスキルを身につけましょう。
例:マンパワーグループの「SODATEC」のような、未経験からITエンジニアを目指せる研修プログラムを提供している派遣会社もあります。 - キャリアコンサルタントに相談する
自分の希望やスキルレベルを正直に伝え、どんな仕事からスタートできるか、どんなキャリアパスが考えられるかなどを相談しましょう。未経験者の就職支援に慣れているコンサルタントなら、親身にアドバイスをくれます。
未経験からの挑戦は簡単ではありませんが、IT業界は常に新しい人材を求めています。
大切なのは、「エンジニアになりたい」という強い気持ちと、学び続ける意欲です。焦らず一歩ずつ進んでいきましょう。
後悔しない!自分に合った派遣会社の選び方と登録の流れ
エンジニア派遣として働く上で、どの派遣会社を選ぶかは非常に重要です。
良い派遣会社と出会えれば、希望に合った仕事が見つかりやすく、スキルアップやキャリア形成のサポートも期待できます。
ここでは、後悔しないための派遣会社の選び方のポイントと、登録から就業までの一般的な流れを解説します。
ここが重要!派遣会社の選び方5つのポイント
派遣会社は数多く存在するため、どこを選べば良いか分からないという人もいるかと思います。
数ある派遣会社の中から、自分に合った一社を見つけるためのチェックポイントをご紹介します。
- IT・エンジニア分野に特化しているか
総合的な派遣会社よりも、IT・エンジニア分野に特化している会社の方が、専門知識を持った担当者が多く、質の高い求人を紹介してもらえる可能性が高いです。 - 求人数の多さと質
扱っている求人数が多いほど、選択肢が広がります。また、大手企業の案件や、自分の希望する職種・スキルレベルに合った案件がどれくらいあるかも確認しましょう。非公開求人(登録者限定で紹介される求人)の数も重要です。 - 得意な分野や職種
派遣会社によって、開発系に強い、インフラ系に強い、未経験者向けに強いなど、得意な分野があります。自分の希望と合っているか確認しましょう。
- キャリアコンサルティングの質
あなたのスキルや経験、キャリアプランを丁寧にヒアリングし、適切なアドバイスや仕事紹介をしてくれるか。親身になって相談に乗ってくれる担当者がいるかは重要です。 - スキルアップ支援・研修制度
eラーニング、資格取得支援、提携スクールの割引など、スキルアップをサポートする制度が整っているか。特に常用型派遣の場合、待機期間中の研修制度が充実していると安心です。 - 就業後のフォロー体制
派遣先で困ったことがあった場合に、すぐに相談できる窓口があるか、定期的な面談などで状況を確認してくれるかなど、就業後のサポートも大切です。
- 社会保険完備
健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険への加入は必須です。 - 有給休暇
法律で定められた通りに取得できるか。取得しやすい雰囲気かも確認できると良いでしょう。 - 健康診断
定期的な健康診断を受けられるか。 - その他
交通費支給の有無や条件、育児休業・介護休業制度、保養施設の利用、提携サービスの割引など、独自の福利厚生を提供している会社もあります。 - 給与水準・支払いサイクル
自分のスキルに見合った給与水準か、給与の支払い日や支払い方法なども確認しておきましょう。
- 労働者派遣事業の許可番号
厚生労働大臣の許可を得て事業を行っているか確認しましょう(許可番号は通常、会社のウェブサイトなどに記載されています)。 - 実績・評判
設立年数、派遣実績、利用者からの口コミなども参考にしましょう。ただし、ネット上の口コミはあくまで個人の感想なので、鵜呑みにしすぎないように注意が必要です。 - 情報管理体制
個人情報の取り扱いが適切に行われているか(プライバシーマークの取得など)も確認ポイントです。
- 登録方法
Web登録、来社登録、オンライン面談など、自分に合った方法で登録できるか。 - 対応の速さ
登録後の連絡や仕事紹介までのスピードも、スムーズに仕事探しを進める上では重要です。
複数の派遣会社に登録して比較検討するのも良い方法です。それぞれの会社の特徴を理解し、自分にとって最もメリットの大きい会社を選びましょう。
簡単!登録から派遣就業までの5ステップ
派遣会社に登録してから実際に働き始めるまでの流れは、おおむね以下のようになります。
派遣会社への登録
- オンライン登録
派遣会社のウェブサイトから、氏名、連絡先、職務経歴、希望条件などを入力します。 - 登録会・面談
オンラインまたは派遣会社のオフィスで、担当者と面談を行います。これまでの経験やスキル、希望する仕事内容、勤務条件などを詳しく伝えます。ここでスキルチェック(タイピングテストや簡単な適性検査など)が行われることもあります。履歴書や職務経歴書が必要になる場合が多いので、事前に準備しておきましょう。
お仕事の紹介
登録時の情報や面談内容に基づいて、あなたに合ったお仕事が派遣会社から紹介されます。
紹介される際には、仕事内容、勤務地、勤務時間、給与、契約期間などの詳細が伝えられます。
興味のある仕事があれば、さらに詳しい情報を聞いたり、応募の意思を伝えたりします。
希望に合わない場合は、断っても問題ありません。
派遣先企業との顔合わせ(職場見学・面談)
応募したい仕事が決まると、派遣会社の担当者と一緒に派遣先企業を訪問し、担当者と顔合わせ(面談や職場見学)を行います。
これは選考(面接)ではなく、主に業務内容の確認や職場の雰囲気を見るためのものです。
ただし、企業側もあなたの人となりやスキルを確認する場でもあるため、失礼のないように対応しましょう。
ここで疑問点などを直接質問することも可能です。
就業決定・契約手続き
あなたと派遣先企業の双方が合意すれば、就業が決定します。
派遣会社との間で雇用契約を結びます。
契約内容(業務内容、就業場所、契約期間、就業時間、休日、賃金など)をしっかり確認しましょう。
お仕事開始
契約に基づいて、派遣先企業での勤務がスタートします。
初日は派遣会社の担当者が同行してくれることもあります。
就業中も、派遣会社の担当者が定期的にフォローしてくれます。困ったことや相談したいことがあれば、遠慮なく連絡しましょう。
スムーズに仕事探しを進めるためには、自分の希望条件を明確にしておくこと、そして派遣会社の担当者と積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。
他の働き方との違い・比較:あなたに合うのはどれ?
エンジニア派遣以外にも、エンジニアとして働く道はいくつかあります。
代表的なものとして「正社員」や「フリーランス」が挙げられます。
それぞれの働き方には特徴があり、メリット・デメリットも異なります。
ここでは、エンジニア派遣とこれらの働き方を比較し、あなたがどの働き方に向いているのかを考えるヒントを提供します。
正社員との違い:安定性 vs 柔軟性
多くの人が派遣と正社員を比較検討します。
「雇用」「安定」「キャリア形成」といった観点から違いを明確にすることで、自身の価値観やライフプランに合った選択をしやすくなるでしょう。
比較項目 | エンジニア派遣 | 正社員 |
---|---|---|
雇用契約 | 派遣会社と結ぶ(常用型は無期雇用、登録型は有期雇用が基本) | 勤務先の企業と直接、期間の定めのない雇用契約を結ぶのが一般的 |
雇用の安定性 | 常用型は比較的安定。登録型は契約期間満了で終了の可能性あり。 | 一般的に安定している。解雇規制がある。 |
給与・賞与 | 時給制が多い。賞与や退職金は無いか、あっても少ない場合がある(派遣会社による)。 | 月給制が多い。賞与や退職金制度がある企業が多い。 |
昇進・昇給 | 派遣先での昇進は基本的にない。昇給は契約更新時やスキルアップに応じて交渉可能な場合あり。 | 企業内の評価制度に基づき、昇進・昇給の機会がある。 |
業務内容の範囲 | 契約で定められた範囲の業務。様々なプロジェクトを経験しやすい。 | 企業の事業戦略に基づき、幅広い業務や責任ある業務を任される。異動や転勤の可能性もある。 |
キャリア形成 | 多様な経験を積めるが、主体的なキャリアプランニングが必要。 | 企業内でのキャリアパスが用意されていることが多い。マネジメント職への道も。 |
福利厚生 | 派遣会社の福利厚生が適用される。正社員に比べると限定的な場合もある。 | 勤務先企業の充実した福利厚生(住宅手当、家族手当など)を受けられる場合がある。 |
働く場所 | 派遣先の企業(契約によって変わる) | 自社オフィスや、プロジェクトによっては顧客先常駐など。 |
人間関係 | プロジェクト単位での関わりが多いため、比較的ドライな関係になりやすい。 | 同じ会社の同僚として、長期的な人間関係を築きやすい。 |
どちらに向いている?
- 様々な企業やプロジェクトで経験を積みたい
- 自分のスキルや希望に合わせて仕事を選びたい
- ライフワークバランスを重視したい
- 特定の技術を極めたい、または幅広い技術に触れたい
- 人間関係のしがらみが少ない環境で働きたい
- 安定した雇用と収入を得たい
- 一つの企業で腰を据えてキャリアを築きたい
- 昇進や昇給を目指したい
- 充実した福利厚生を受けたい
- 企業の成長に貢献したい、責任ある仕事に挑戦したい
どちらが良いというわけではなく、あなたの価値観やライフステージ、キャリアプランによって最適な選択は異なります。
フリーランスとの違い:自由度 vs 自己責任
近年フリーランスという働き方も注目されています。
「契約」「自由度」「自己管理」といった観点から違いを明確にすることで、より幅広い選択肢の中から自分に合ったものを見つけられるでしょう。
比較項目 | エンジニア派遣 | フリーランス(個人事業主) |
---|---|---|
契約形態 | 派遣会社と「雇用契約」を結ぶ | クライアント企業と直接「業務委託契約(準委任契約や請負契約など)」を結ぶ |
仕事の獲得 | 派遣会社が仕事を紹介してくれる | 自分で営業活動をする、エージェントを利用するなどして案件を獲得する必要がある |
収入の安定性 | 常用型派遣は比較的安定。登録型でも派遣会社がある程度サポート。 | 案件が途切れると収入がなくなるリスクがある。単価は高い傾向だが、不安定。 |
指揮命令 | 派遣先企業の担当者から受ける | 基本的に指揮命令は受けない(業務委託契約の内容による)。成果物や業務遂行に対して責任を負う。 |
社会保険・税金 | 派遣会社が手続きを行ってくれる(健康保険、厚生年金、雇用保険など) | 自分で国民健康保険、国民年金に加入し、確定申告などの税務処理も行う必要がある。 |
福利厚生 | 派遣会社の福利厚生が利用可能 | 基本的にない(自分で備える必要がある) |
スキルアップ | 派遣会社の研修制度を利用できる場合がある。様々な案件で経験を積める。 | 自分で積極的に学ぶ必要がある。得意分野を深掘りしやすい。 |
責任範囲 | 派遣契約の範囲内での責任 | 契約内容によっては大きな責任を負うことがある(納期の遅延、成果物の品質など)。 |
自由度 | 勤務時間や場所は契約で決まる。ある程度の制約はある。 | 働く時間や場所を比較的自由に決めやすい(契約による)。 |
どちらに向いている?
- 安定したサポートを受けながら働きたい
- 営業活動や事務処理は任せたい
- 様々な企業のプロジェクトで経験を積みたい
- フリーランスになるための準備期間として経験を積みたい
- 高いスキルと実績があり、自分で仕事を選びたい
- 働く時間や場所を自由にコントロールしたい
- 高い収入を目指したい(リスクも許容できる)
- 自己管理能力が高い
- 営業力や交渉力に自信がある
フリーランスは自由度が高い反面、全て自己責任となる働き方です。
エンジニア派遣は、フリーランスほどの自由度はありませんが、派遣会社のサポートを受けながら、比較的安定して働くことができます。
ご自身のスキルレベル、リスク許容度、求める働き方の自由度などを考慮して、最適な道を選びましょう。

「どちらが自分に向いているのかわからない」という方は、まず登録型で働き始めるのがおすすめです。
登録型派遣の仕事は契約期間が決まっているので、短期間だけ働いてみて自分に向いている働き方かどうか検討することが可能です。
実際に働いてみて登録型の働き方が向いていないと感じた場合は、契約期間終了のタイミングで雇用形態を見直すとよいでしょう。
まとめ:エンジニア派遣は多様な働き方の一つ!自分に合った選択を
ここまで、エンジニア派遣の仕組みや種類、メリット・デメリット、年収、未経験からのなり方、そして他の働き方との比較について詳しく解説してきました。
本記事のポイントを振り返ってみましょう。
- エンジニア派遣とは:派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で働くスタイル。常用型なら雇用も安定。
- SESとの違い:指揮命令権が派遣先にあるのが派遣、自社にあるのがSES。
- 仕事内容:開発、インフラ、Web系から機電系まで多岐にわたる。
- メリット:多様な経験、自由な働き方、大手案件のチャンス、派遣会社のサポート。
- デメリット:雇用の不安定さ(登録型)、キャリア形成の難しさ(対策可能)。
- 「やめとけ」の真相:多くは常用型派遣やスキルアップ、適切な会社選びで回避・軽減できる。
- 年収・単価:スキルや経験、職種で変動。IT人材不足で上昇傾向。
- 未経験からでも:IT人材不足を背景にチャンスあり。学習と派遣会社の研修活用が鍵。
- 会社選び:専門性、求人数、サポート、福利厚生、信頼性がポイント。
- 他の働き方との比較:正社員(安定性重視)、フリーランス(自由度重視)との違いを理解する。
エンジニア派遣は、「やめとけ」と言われるようなネガティブな側面ばかりではありません。
特に常用型派遣であれば、雇用の安定性を確保しながら様々なプロジェクトでスキルを磨くことが可能です。
また、未経験からでもITエンジニアとしてのキャリアをスタートできる道も開かれています。
大切なのは、エンジニア派遣という働き方の実態を正しく理解し、メリットとデメリットの両方を踏まえた上で、ご自身の価値観やキャリアプラン、ライフスタイルに合っているかどうかを判断することです。
この記事が、あなたがエンジニア派遣という選択肢を検討する上での一助となり、より良いキャリアを築くための一歩を踏み出すきっかけになれば、これほどうれしいことはありません。

昨今ではIT人材が不足しているため、エンジニア派遣で仕事が見つかる可能性は高いです。
未経験でITに興味があるなら、エンジニア派遣から始めてみるとよいでしょう。
まずは登録型で短期の仕事を経験し「働き方が合っていれば常用型を目指す」「合わなければ雇用形態を見直す」ということも可能です。
派遣会社では働き方の相談もできるので、気になるサービスがあればぜひ登録を検討してみてください。
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