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ゼロゼロ融資とは?返済開始はいつから?返済できないとどうなるのかわかりやすく解説

ゼロゼロ融資とは?返済開始はいつから?返済できないとどうなるのかわかりやすく解説

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新型コロナウイルス感染症の影響から、政府は事業者に対しさまざまな救済措置を取ってきました。「ゼロゼロ融資」も、そのような対応策のひとつです。

ゼロゼロ融資の返済時期はピークを迎えており、返済に頭を悩ませる方もいらっしゃるでしょう。しかし早めに動き出せば対応策は複数あります。

本記事では、ゼロゼロ融資の仕組みや返済状況、返済が苦しい方向けの対応策についてわかりやすく解説していきます。

この記事を読んでわかること

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    監修者金子 賢司

    東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、金融に興味を持ち、資産運用やローンなどの勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。

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ゼロゼロ融資とは

ゼロゼロ融資とは、新型コロナウイルス感染症の影響で売上が減少した事業者(主に中小企業)に対して、実質無利子・無担保で融資を行う制度です。

政府系金融機関や民間金融機関により、2020年3月から貸付が実施されてきました。現在は新規の貸付は行われていません。

中小企業庁の発表によると、2022年12月末時点でのゼロゼロ融資の融資金額は約60兆円、件数は約318万件に上ります。多くの事業者が、ゼロゼロ融資を利用していることがわかります。

ゼロゼロ融資が行われた背景

ゼロゼロ融資が導入された背景には、新型コロナウイルス感染症の流行があります。感染拡大防止のための外出自粛や営業制限などにより、多くの企業が売上減少に直面。特に資金面で脆弱な中小企業は、深刻な資金繰りの悪化に見舞われました。

そのような状況を受け政府は、事業者の迅速な救済を目的に、ゼロゼロ融資という異例の支援策に踏み切りました。

CFP(日本FP協会会員)
監修者 金子 賢司の一言コメント!

ゼロゼロ融資は、新型コロナウイルスが拡大した当初は、日本政策金融公庫といった政府系金融機関が手掛けていましたが、需要が追い付かず2020年5月から民間の金融機関でも融資ができるようになりました。

ゼロゼロ融資は、設備資金なら最長20年、運転資金なら15年間にわたって融資が受けられ、最長5年か元金の返済が免除される仕組みです。しかしゼロゼロ融資の返済免除期間が終わりに近づき、資金繰りに不安を感じ始める事業者が増えているのです。

金子さん

金子さん

ゼロゼロ融資の仕組み

ゼロゼロ融資という名称は、実質無利子・無担保で借り入れできることに由来します。では、なぜ利子や担保が必要ないのでしょうか。

通常、企業が融資を受ける際は利子の支払いが発生します。また返済できなくなるリスクに備え、担保や保証人を用意しなければなりません。

しかしゼロゼロ融資では、利子は都道府県が負担します。さらに元本の返済は、信用保証協会が100%保証。そのため、企業は無利子かつ担保や保証人も用意せずに融資を受けられたのです。利子や担保が必要ないため、資金調達の敷居は大幅に下がります。

ゼロゼロ融資の返済開始はいつから?

ゼロゼロ融資の返済時期はすでに始まっています。中小企業庁によると、民間からの借り入れを行った事業者の返済開始時期は、2023年7月から2024年4月に集中すると見られています。その理由は、多くの事業者が据置期間を3年以内に設定しているためです。

ゼロゼロ融資の据置期間は最長5年ですが、無利子期間は3年までに限定されています。そのため「無利子で借りられる」というメリットをフル活用するために、据置期間を3年以内に設定している事業者が多いと考えられます。

ゼロゼロ融資の申し込みが終了したのは2021年3月。そこから3年が経つ2024年4月までが返済のピークになるでしょう。

ゼロゼロ融資の返済状況

多くの企業にとって、ゼロゼロ融資の返済は大きな負担となっているようです。帝国データバンクが実施した、全国の27,443社を対象とする調査では、2024年2月時点で返済が3割未満の企業は41.1%。未返済や返済開始前の企業も10.5%に上ります。一方で、5割以上を返済済みの企業はわずか10.5%にとどまっていました。

また返済が完了していない企業のうち、返済に不安を抱える企業の割合は13.0%と、1割を超える水準でした。帝国データバンクが2022年8月から継続的に行ってきた調査では横ばいが続いていましたが、今回わずかに増加に転じています。

返済状況の具体的な金額についても確認してみましょう。会計検査院の報告では、2022年度末時点でのゼロゼロ融資の不良債権は約8,785億円で、貸付金額全体の6%に達しています。さらに、回収不能に陥った金額はすでに697億円に上ると指摘されました。

不良債権や回収不能額は、その後もさらに増加していると想定されます。このような返済状況から、返済が大きな負担だと感じる事業者は決して少なくないと考えられます。

ゼロゼロ融資の返済に不安を抱える企業が多い理由

多くの企業が返済に不安を感じている理由として、ゼロゼロ融資がスピード重視で実施されたことが挙げられます。ゼロゼロ融資では「事業者の救済」が最優先でした。そのため、通常の融資審査では通過が難しいような企業にも広く融資が行われたのです。

実際、帝国データバンクのリリースでは、経営破綻状態にありながら事業を継続する「ゾンビ企業」は2019年度以降増加の一途をたどり、2022年度末には約25.1万社に達しました。2019年度と比べて、実に7割も増えている計算です。

こうした企業のなかには、ゼロゼロ融資を受けたものの、事業の立て直しが進まず返済に苦しむケースも多いでしょう。加えて、「人手不足」や「物価・人件費の高騰」といった経営環境の変化ものしかかっています。ゼロゼロ融資によって一時的な資金繰りは改善できても、根本的な課題を解決できず、返済に苦しむ事業者が多いのです。

CFP(日本FP協会会員)
監修者 金子 賢司の一言コメント!

ゼロゼロ融資の返済再開に加え、急激な円安による仕入価格やエネルギー価格の高騰も、多くの企業に影響を与えています。

日本は40年ぶりの水準となる物価上昇に直面しており、ゼロゼロ融資でなんとかやりくりをしていた企業が苦境に立たされるケースが目立つようになりました。こうした企業が保証会社から一括返済を求められても、対応できるケースは少ないでしょう。

ゼロゼロ融資の返済が厳しいときは、早い段階で手を打っておかなければなりません。

金子さん

金子さん

ゼロゼロ融資の返済ができないとどうなる?

では、万が一ゼロゼロ融資の返済ができなくなった場合、企業はどのようなリスクを負うのでしょうか。

結論、返済を踏み倒してしまうと、企業や経営者個人の信用情報に傷がつくだけでは済みません。財産を差し押さえられ、会社の存続が危うくなると考えられます。

ゼロゼロ融資の返済が不可能な場合、保証会社が返済を一時的に肩代わりします。しかし保証会社からは一括での返済を求められる可能性が高く、かえって負担は大きくなります。

最悪のケースでは、金融機関からの法的手続きにより、企業の資産が差し押さえられるリスクもあります。その場合、事業継続が絶たれ、倒産に直面する危険性があるでしょう。

ただし、どうしても返済が難しい場合でも、いくつかの対応策があります。条件次第では、一部の金額が返済免除になるかもしれません。

ゼロゼロ融資の返済ができないときに検討したい支援・対応策

ゼロゼロ融資の返済が難しいと感じた時点で、早めに対策を講じることが重要です。返済のための支援や対応策の具体例としては以下が挙げられます。

もし返済が難しくても、金融機関や自治体が対応してくれる可能性があります。また、返済に向けて動き出すタイミングが早いほど、時間に余裕がある分さまざまな対策を並行して検討しやすくなります。

ギリギリになって金融機関や自治体に相談しても「もう遅い」と判断され、対応してもらえない可能性があります。そのため、返済の目途がたたないことが濃厚になった段階で、なるべく早めに動き出すことを意識しましょう。

借り入れ先の金融機関に相談をする

ゼロゼロ融資の返済が難しい場合、まずは借り入れ先の金融機関に相談するのがおすすめです。返済開始時期の延期や、返済額の調整などについて、柔軟に対応してもらえる可能性があります。政府も金融機関に対し、企業への柔軟な対応を要請しています。

金融機関に相談する際は、経営改善計画を用意するのがおすすめです。経営改善計画とは、企業の収支をどう改善していくかを示す計画のことです。現状に対する分析や目標、改善策の内容や実行スケジュールを考え、経営改善計画を策定してみましょう。金融機関からも「協力すれば返済が可能である」と判断され、相談に応じてもらいやすくなります。

計画の策定が難しければ、そのことを金融機関に正直に伝えてみましょう。一緒に経営の改善に向けたステップを考えてくれる可能性があります。

同時に、財務状況がどれだけ苦しいか、返済が苦しくなった背景は何かを伝えることが大切です。どのような状況でどこに課題があるのかを正直に伝えられれば、金融機関も協力する方法を模索しやすくなります。より具体的かつ効果的な提案をしてもらえる可能性が高くなるでしょう。

コロナ借換保証を利用する

もうひとつの有力な対応策が「コロナ借換保証」を活用することです。コロナ借換保証とは、債務の返済に苦しむ事業者向けに2023年1月10日からスタートした借換保証制度です。

この制度の大きな特徴は保証限度額が1億円と、ゼロゼロ融資の限度額である6,000万円を大きく上回っている点です。ゼロゼロ融資からの借り換えに加え、新たな資金需要にも対応できるようにと定められました。

コロナ借換保証の概要
保証限度額1億円
保証期間10年以内
据置期間5年以内
金利金融機関所定
保証料(事業者負担) 0.2%等(補助前は0.85%等)

ただし、コロナ借換保証の利用には、一定の要件をクリアする必要があります。コロナ借換保証の対象となるのは、次の要件のいずれかに該当する事業者です。

コロナ借換保証の利用要件

  • セーフティネット4号の認定(最近1か月間の実績と、その後2か月の見込みを前年同期と比較して売上高が20%以上減っている)
  • セーフティネット5号の認定(指定業種であり、最近3か月間の実績と前年同期を比較して売上高が5%以上減っている)
  • 売上高が5%以上減少(最近1か月の実績と前年同月を比較)
  • 売上高総利益率/営業利益率が5%以上減少(最近1か月の実績と、前年同月または直近2年分の決算書を比較)

つまり、1年間で売上が一定以上落ち込んでいる企業が対象となります。

また、経営行動計画書を作成し、金融機関からの伴走支援を受ける必要があります。利用手続きの大まかな流れは以下のとおりです。

  1. STEP.1

    経営行動計画書を作成して金融機関へ融資の申し込み

  2. STEP.2

    金融機関が認定申請や保証審査を市区町村・保証会社に依頼

  3. STEP.3

    金融機関からの融資と継続的な伴走支援が実施される

ポイントは、ゼロゼロ融資と比べて、融資を受けるまでのハードルが高くなっている点です。どのように経営をしていくかに関する計画をまとめるだけでなく、自治体や保証会社からの審査をクリアしなければなりません。

地方自治体の借換制度を利用する

ゼロゼロ融資の返済に苦しむ企業にとって、地方自治体が創設する借換制度も有力な選択肢でしょう。

自治体によっては無担保での借り入れが可能であり、通常の融資よりも事業者の負担が少なく済むケースもあります。ゼロゼロ融資の返済に行き詰まったら、そのような自治体の制度を積極的に活用するのもひとつの手でしょう。

たとえば、東京都では以下のような借換制度が用意されています。

項目内容
制度名新型コロナウイルス感染症対応融資(伴走)
融資期間運転資金・設備資金(いずれも10年以内)
据置期間5年以内
融資限度額2メニューで計2.8億円(組合の場合4.8億円)
金利責任共有対象外:固定年1.5%以内~2.0%以内
責任共有対象:固定年1.7%以内~2.2%以内
信用保証料の補助伴走全国:事業者負担0.2%~1.15%
伴走対応:小規模事業者1/2
融資対象の条件以下のいずれかに該当する中小企業者または組合
1. 経営行動計画書を策定
2. 以下のいずれかに該当
- セーフティネット保証4号または5号の認定取得
- 最近1か月の売上高が前年同月比で5%以上減少
- 売上総利益率や営業利益率が前年同月比または直近決算比で5%以上減少
- 令和6年能登半島地震の直接被害を受けた企業(罹災証明が必要)

信用保証料の大部分を負担してくれるのが嬉しいポイントですね。1年間における売上の落ち込みが一定基準を超えている事業者が利用対象です。

ただし、利子の有無や審査の厳しさは自治体ごとに異なるため注意が必要です。ゼロゼロ融資の返済が滞る企業が増えるなか、審査基準が厳格化される可能性もあります。まずは自治体の窓口に相談し、最新の情報を確認してみましょう。

CFP(日本FP協会会員)
監修者 金子 賢司の一言コメント!

融資ではなく、補助金や助成金を活用する方法もあります。補助金や助成金は、要件を満たせば返済する必要がありません。例えば「ものづくり補助金」は、生産性を向上させるための投資を支援する制度で、製造業でなくても幅広い業種で申し込めます。

また非正規雇用の正社員化や、処遇改善といった取り組みをした事業主を助成する「キャリアアップ助成金」といって助成金もあります。

金子さん

金子さん

ファクタリングサービスを利用する

ゼロゼロ融資の返済に困っているのであれば、ファクタリングサービスの利用も検討してみましょう。ファクタリングとは、売掛債権を売買する取引のことです。売掛債権とは、商取引が発生したものの、代金の回収が後回しになっているために、まだ現金化されていない債権を指します。

この売掛債権をファクタリング業者に売却することで、手数料を差し引いた金額を即座に現金化できます。取引先からの入金を待たずに売上を現金化できるため、ゼロゼロ融資の返済に充てるお金を素早く用意することが可能です。

CFP(日本FP協会会員)
監修者 金子 賢司の一言コメント!

すでに金融機関から融資を受けるのが難しい場合、ファクタリングも検討してみましょう。ファクタリングは売掛債権を売却して資金化し、売掛金が入金されたら、その売掛金をファクタリング業者に返済する仕組みです(二社間ファクタリングの場合)。

そのため取引先の信頼性が高ければ、利用者が赤字決算であったり、信用情報に問題あったりしても利用できる可能性があります。

金子さん

金子さん

ビートレーディング

ファクタリングサービスのなかでもおすすめなのが「ビートレーディング」です。

おすすめポイント

  • 手続きがすべてオンラインで簡潔
  • 入金まで最短2時間
  • 提出する必要書類は2点だけ


入金スピード最短2時間
手数料2社間:4.0%~12.0%
3社間:2.0%~9.0%
審査時間最短30分
ファクタリングの種類2社間/3社間取引
個人事業主の使用可否可能※
申し込み方法オンライン
営業時間平日
9:30~18:00

※個人事業主の場合、売掛先が法人に限る

ビートレーディングなら、手続きはすべてオンラインで完結。わざわざ対面や郵送で手続きする必要がないため、場所や時間を選ばずに利用できます。

また、最短2時間での入金が可能であり、スピード面では業界トップクラスです。買取額に下限・上限なしのため、大口の売掛債権にも対応できるうえ、「早急に多額の資金を用意したい」というニーズにも対応できます。

加えて、手数料は3社間なら2%からと低水準。そのため費用面での負担も抑えられます。さらに、個人事業主でも利用可能。幅広い事業者にとって頼りになるサービスとなっています。

どうしてもゼロゼロ融資の返済ができない場合は法的整理も検討

ゼロゼロ融資の返済に行き詰まり、各種の支援策を活用しても資金繰りの目処が立たない場合はどうすればよいでしょうか。その場合、最後の選択肢として法的整理を検討する必要があります。

法的整理には、大きく分けて「再生型」と「清算型」の二つのアプローチがあります。

  • 再生型:会社を存続させた状態で債務整理を行い会社の経営を立て直す方法
  • 清算型:債務整理の結果として、最終的に会社の法人格を消滅させる方法

どの方法が最適なのか、個人の判断だけで見極めるのは難しいでしょう。法的整理は、会社の存続や債権者との関係など、さまざまな影響を及ぼす重大な意思決定です。

そのため法的整理を検討する際は、必ず弁護士などの専門家に相談しましょう。

まとめ

本記事では、ゼロゼロ融資の仕組みや返済状況、返済が苦しいときの対応策についてお伝えしました。返済に苦しむ事業者が少なくない中、政府や自治体もさまざまな対応策を用意しています。

返済が苦しいときは、はやめに動き出すことが大切です。金融機関や自治体に相談しながら、解決方法を模索してみましょう。

またファクタリングサービスのように民間のサービスを利用するのも選択肢のひとつです。しかし民間の事業者のなかには悪徳業者も紛れ込んでいる可能性があります。民間業者を利用する際は、業者に関する情報を入念に確認しましょう。

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