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手形の裏書譲渡とは?メリット・デメリット・仕訳方法をわかりやすく解説

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手形の裏書譲渡とは?メリット・デメリット・仕訳方法をわかりやすく解説
ファクタリングとは
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取引先から受け取った手形を譲渡する方法が知りたい
手元にある手形を現金化できる方法ってあるの?

手形取引では商品代金の支払いが数カ月も先となるため、資金繰りが厳しいと感じる方もいるのではないでしょうか。

厳しい資金繰りを解決する方法として、手形を譲渡して支払いに充てる「手形の裏書譲渡」があります。

裏書譲渡は簡単に利用でき、上手に活用すれば大幅に資金繰り改善が可能です。

そこでこちらの記事では、手形の裏書譲渡の方法や、譲渡した後の仕訳方法などを紹介します。

最後まで読むことで裏書譲渡を理解でき、最適な方法で資金繰りを回せるようになるでしょう。

塚越さん

塚越 一央 / 塚越FP社労士事務所 代表

【専門家の解説】

代金の支払い方法の一つに、手形の受け渡しがあります。手形は、一定期間後に現金化される有価証券です。受け取った手形は、別の代金の支払いに使うことができます。その際に、手形の裏面に会社名などを記載して押印することから、手形の裏書譲渡と言います。日本の商取引で、一般的に利用されている手法です。

  • ファイナンシャルプランナー / 塚越FP社労士事務所

    監修者塚越 一央

    東京都立大学法学部を卒業後、大手都市銀行および銀行系のシンクタンクに41年間勤務。
    定年退職を機に1級ファイナンシャル・プランニング技能士および社会保険労務士のダブルライセンスで「塚越FP社労士事務所」を立ち上げ、現在に至る。
    日本FP協会東京支部主催の「神保町FPフォーラム」に参加し、相続のセミナー講師および相談員を務める。
    また、外部メディアへの記事執筆や監修、コンサルティング業務を手掛ける。

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手形の裏書譲渡とは?

手形の裏書譲渡とは

  • 持っている手形に「裏書」をしたうえで(代金支払の代わりに)手形を取引先に渡す手続きのことです。

イメージしやすいように、実際に裏書譲渡が行われる例を見ましょう。

手形の裏書譲渡が行われる例

  1. 1.自社

    A社に500万円分の商品を販売

    A社から500万円(期間2カ月)の約束手形を受け取る

  2. 2.自社

    1カ月後、B社から500万円分の材料を仕入れる

    A社から受け取った500万円の約束手形(期日まで残り1カ月)をB社に裏書譲渡する

  3. 3.B社

    裏書譲渡で受け取った500万円の手形を銀行に取り立て依頼

  4. 4.銀行

    期日に手形を交換提示に回し、B社の口座で500万円を資金化


上記のように手形を裏書譲渡すれば、直接代金を支払わずに済みます。

取引先は裏書譲渡で受け取った手形を取り立てに回すことで、手形振出人から手形期日に支払を受けられるわけです。

ちなみに、手形の裏面には裏書譲渡の欄が4つ並んでおり、C社D社へと裏書譲渡を重ねることも可能です。

(※欄が一杯になっても手形に「補箋(ほせん)」を貼り付けて割印することで、さらに裏書譲渡を続けられます)

手形を裏書譲渡するメリット

裏書譲渡を利用するからには、何かしらのメリットが明確であることが求められます。

手形を裏書譲渡する主なメリットは以下の2点です。

手形を裏書譲渡する2つのメリット

  • 手形の支払期日前に他の支払に充てられる
    裏書譲渡で支払いの代わりになるので、支払期日前に手形を活用できる
  • 裏書譲渡には費用がかからない
    手形の裏面に社判と社印を押すだけなので、振込手数料や割引料などのコスト削減になる

最大のメリットは、期日到来前に手形活用して支払いに充てられることにあります。

支払期日まで手形を放置すると手形の金額が眠ったままですが、裏書譲渡によって譲渡先から仕入れができるようになるわけです。

また裏書譲渡の手続きも、裏書きして取引先に渡すだけとシンプルでコストもかかりません

手形を裏書譲渡するデメリット

比較的お手軽に見える裏書譲渡ですが、デメリットがないわけではありません。

特に以下にまとめた3つのデメリットはよく考える必要があります。

手形を裏書譲渡する3つのデメリット

  • 手形不渡時の責任あり
    万が一手形が不渡りになれば、裏書譲渡した取引先から支払請求(遡及(そきゅう))される
  • 相手の了承が必要
    手形の銘柄や手形サイトによっては取引先に敬遠される可能性がある
    ※相手に取立手数料の負担も発生
  • 金額が変えられない
    約束手形に記載された金額は一切変更できないので、金額の過不足の調整が必要になることが多い

手形を裏書譲渡した後に万が一手形が不渡りになってしまうと、裏書きをした人に支払請求がされる可能性があります。

手形を譲り渡した後も不渡りリスクは残ったままになるので「譲渡したからもう安心」ではないのです。

また、裏書譲渡を素直に受け入れてくれる取引先ばかりではありません。

支払期日までの先払いと同じことになり、手形が不渡りになると何かと面倒だからです。

特に名前も知らないような零細企業の手形では、取引先は大いに不安になることでしょう。

また、手形の流通量自体が激減している近頃では、裏書譲渡の経験のある企業も少なくなっています。

いきなり裏書譲渡を打診すると、取引先を戸惑わせかねないので注意しましょう。

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
監修者 塚越 一央の一言コメント!

手形の裏書譲渡のメリットは、支払期日前に別の代金の支払いに利用でき、資金を効率的に使うことができることです。デメリットは、渡した手形が決済されず不渡りになると、渡した会社から支払い請求を受け、支払い義務が生じことです。従って、信用力のある会社の手形を裏書譲渡するようにしてください。

塚越さん

塚越さん

裏書譲渡した手形の仕訳方法

はじめての裏書譲渡では、どのように仕分けしたらよいか疑問に思うことでしょう。

ここでは、手形の裏書譲渡に関わる仕訳方法を次の2パターンで紹介します。

  1. 手形を裏書譲渡した側の仕訳
  2. 手形を裏書譲渡された側の仕訳

手形を裏書譲渡した側の仕訳

【例】

A社から受け取った1,000,000円の手形を、B社からの仕入れ1,000,000円の支払いに裏書譲渡で充てる場合


借方貸方
仕入1,000,000円受取手形1,000,000円

基本的な仕訳は上記に示したとおり、シンプルで難しく考える必要はありません。

基本的に勘定科目として「約束手形」を用いることはなく、上記の場合では「受取手形」になる点に注意すればOKです。

上記の基本を押さえれば「裏書譲渡+現金」「裏書譲渡+約束手形」といった支払いでも簡単に応用できます。

手形を裏書譲渡された側の仕訳

【例】

A社に販売した1,000,000万円の商品の支払いに、B社の手形1,000,000円の裏書譲渡で充てられた場合


借方貸方
受取手形1,000,000円売上1,000,000円


上記とは逆に裏書譲渡された場合も、特に難しいことはないでしょう。

裏書譲渡によって受取手形を入手するので借方に記載し、貸方には対応する売上金額をバランスさせればOKです。

また現金や約束手形との組み合わせも簡単に対応できます。

ファクタリングの仕訳については、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
監修者 塚越 一央の一言コメント!

裏書譲渡した手形の仕訳方法は、譲渡した側では借方に仕入をたて、貸方に受取手形をたてればよいです。手形は、受取手形という勘定科目になるので、注意してください。譲渡された側は、借方に受取手形をたて、貸方に売上をたてることになります。

塚越さん

塚越さん

手形の裏書譲渡以外で早期に資金繰りする方法

裏書譲渡での資金繰り以外にも、急ぎで資金調達する方法は以下があります。

  • 手形割引
  • ファクタリング
  • ビジネスローン

ここでは上記の資金調達方法を簡単に解説します。

手形割引

手形割引とは、金融機関に割引料を支払って期日前に現金化してもらう金融サービスのことです。

初めての割引利用では審査に時間を要しますが、2回目以降の利用では当日~数日程度で利用できるようになります。

割引の手数料は手形の銘柄と利用者の企業格付によりますが、おおむね年率2%前後~5%程度です。

比較的安価な手数料&スピード感がメリットである一方、万が一の不渡り時には手形の買い戻しをする必要があります。

手形割引がおすすめなのはこんな企業

  • 信用状況が良好な銘柄の手形を持っている
  • 取引先に通知せず、かつリーズナブルに現金を調達したい

ファクタリング

割引可能な手形を持っているなら手形割引がおすすめですが、近年では手形決済が激減しているので利用しにくい面もあるでしょう。

その点「ファクタリング」であれば、売掛金さえあればファクタリング会社に譲渡することで現金を調達できます。

手数料が高いため常時利用には向いていませんが、スピード感や利用ハードルの低さから「緊急一時的な現金調達」に向いている資金調達方法と言えます。

ファクタリングがおすすめなのはこんな企業

  • ある程度信用状況の良好な取引先の売掛金がある
  • 緊急一時的にスピーディーに資金調達したい
  • 決算が不調で融資を受けられないが、売掛先の信用は高め

ビジネスローン

適当な手形や売掛金がない時でも、ビジネスローンならスピーディーに小口の短期資金を調達できます。

金利は一般的な融資よりは高めの設定ですが、融資スピードと審査の柔軟性に優れます。

来店不要で利用可能なビジネスローンもあり、忙しい経営者の方でも時間ロスを最低限に抑えやすいのが特長です。

銀行ビジネスローンとノンバンク系ビジネスローンの2つにわけられ、ノンバンク系は金利が高めなものの審査がより柔軟な傾向にあります。

ビジネスローンがおすすめなのはこんな企業

  • 数カ月以内の短期資金をスピーディーに調達したい
  • 赤字決算や税金未納の状態だが柔軟に審査をして欲しい(ノンバンク系ビジネスローンが最適)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
監修者 塚越 一央の一言コメント!

裏書譲渡以外で早期に資金を調達する方法としては、まず手形割引があります。手形割引は金融機関に割引手数料を払って、期日前に資金化するものです。ファクタリングは手形の代わりに売掛金を、手数料を払って資金化するものです。ビジネスローンはお金を借りることで、手形や売掛金は必要ありません。

塚越さん

塚越さん

まとめ

こちらでは手形の裏書譲渡を中心に解説しました。

最後に大切なポイントを振り返ります。

ポイント

  • 手形の裏書譲渡によって額面金額分の支払いに充てることが可能
  • 裏書譲渡により、手形の期日前に支払いに充てられるため資金繰りの改善に役立つ
  • 裏書譲渡後も不渡り時のリスクが無くなるわけではないので注意が必要
  • 手形の裏書譲渡以外にも「ファクタリング」「手形割引」「ビジネスローン」などの方法も検討可能

以上のことを理解していただくことで、手形の裏書譲渡に関する疑問を解消できたことでしょう。

資金繰りを改善する有効な手段の1つとして、ぜひ理解を深めておいてください

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