Operated by Ateam Inc.

イーデス

資金ショートとはなぜ起こる?原因と早期・中期・長期で取り組むべき対策方法を解説

最終更新日:

資金ショートとはなぜ起こる?原因と早期・中期・長期で取り組むべき対策方法を解説
資金調達
このページにはPRリンクが含まれています
イーデス』は、複数の企業と提携し情報を提供しており、当サイトを経由して商品への申込みがあった場合には、各企業から報酬を受け取ることがあります。ただし当サイト内のランキングや商品の評価に関して、提携の有無や報酬の有無が影響を及ぼすことはございません。
また当サイトで得た収益は、サイトを訪れる皆様により役立つコンテンツを提供するために、情報の品質向上・ランキング精度の向上等に還元しております。※提携機関一覧

事業活動を円滑にするために欠かせないのが資金繰りです。しかし、普段は問題がない資金繰りが何かの事情で崩れてしまい、資金ショートしてしまうことがあります。

事業活動に多大な悪影響を及ぼす恐れがある資金ショートを未然に防ぐ方法はあるのでしょうか。また、万が一資金ショートを起こしてしまった場合の対処法が知りたい人も多いでしょう。

本記事では、資金ショートが起こる原因と対策、資金ショートしそうなときの相談先を解説します。万が一の事態に備えて、本記事を参考に対策や相談先について理解しておきましょう。

この記事を読んでわかること

  • 資金ショートを起こす原因がわかる
  • 資金ショートを起こしてしまった場合の対策がわかる
  • 資金ショートを起こしてしまいそうなときの相談先がわかる
塚越さん

塚越 一央 / 塚越FP社労士事務所 代表

【専門家の解説】

資金ショートとは、事業活動における収入と支出のバランスが崩れ、支払いに必要なお金が不足する状態のことです。支払いができないと倒産に追い込まれることもあり、普段から運転資金の確保と入出金の管理をしっかりやる必要があります。また、顧問税理士と相談して、事前に資金ショートを防ぐ工夫をすることも大事です。

  • ファイナンシャルプランナー / 塚越FP社労士事務所

    監修者塚越 一央

    東京都立大学法学部を卒業後、大手都市銀行および銀行系のシンクタンクに41年間勤務。
    定年退職を機に1級ファイナンシャル・プランニング技能士および社会保険労務士のダブルライセンスで「塚越FP社労士事務所」を立ち上げ、現在に至る。
    日本FP協会東京支部主催の「神保町FPフォーラム」に参加し、相続のセミナー講師および相談員を務める。
    また、外部メディアへの記事執筆や監修、コンサルティング業務を手掛ける。

    経営理念「お客様に喜んでいただき、信頼される仕事を目指します」

    • SNS
  • 株式会社エイチームライフデザイン

    編集者イーデス編集部

    「ユーザーが信頼して利用できるWEBメディア」を目指す編集部チーム。実際のユーザーの声や業界知識の豊富な専門家の協力を得ながら、コンテンツポリシーに沿ったコンテンツを制作しています。暮らしに関するトピックを中心に、読者の「まよい」を解消し、最適な選択を支援するためのコンテンツを制作中です。

    ■書籍
    初心者でもわかる!お金に関するアレコレの選び方BOOK

    ■保有資格
    KTAA団体シルバー認証マーク(2023.12.20~)

    ■許認可
    有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可・許可番号:23-ユ-302788

    • SNS

気になる内容をタップ

資金ショートの原因

資金ショートに陥る原因はいくつか存在しますが、主な原因は次の5つです。

これらの状態を回避するには、きちんとした支出の管理現実的な売上予測、万が一予測が外れても耐えられる運転資金の確保の3点です。

この3点を意識していないと、綱渡り状態での資金繰りになってしまうかもしれません。それぞれの詳細を解説します。

売上の減少

売上が減少すれば、企業に入ってくるお金は少なくなるため、資金ショートを起こしてしまう可能性が高くなります。ただし、緩やかな売上の減少というよりは、急激に売上が減少するほうが資金ショート発生の確率は高くなるでしょう。

たとえば、現在取り扱っている商品の評判が著しく落ちた、競合他社の登場による売上の激減が資金ショートにつながる恐れがあります。

また、企業の信頼を損なうような出来事が起きた際も、売上の急減が起こりうる事態です。どちらも新規顧客だけではなく既存顧客の喪失から発生する事態でもあります。このような事態を避けるために運転資金の確保を常に心がけておく必要があるのです。

支出の増加

入ってくるお金だけが資金ショートの原因になるとは限りません。想定していなかった急な出費が重なり、資金ショートを起こすことも考えられます。

想定されるものとして、裁判にかかる訴訟費用や損害賠償が挙げられます。製造業であれば、リコールも考えられるでしょう。また、大規模受注への対応のために投じた先行投資もこれに該当します。

いずれのものも、計画的に出費の予定がわかるものではなく、急に発生するものです。繰り返しになりますが、十分に余裕を持った運転資金の確保をしておきましょう。

資金の管理不足

会社の資金をしっかり管理していないと、資金ショートを起こす恐れがあります。日々の業務が忙しく管理できていない場合はもちろん、不採算事業を放置している場合に資金繰りが悪化し、気が付いたら資金ショート一歩手前の状況まで陥ってしまう可能性があるのです。

また、人件費の高騰が要因で資金ショートを起こす可能性があります。

規模が大きな会社であればあるほど、資金管理は大変です。また、大きな収入と支出がある会社も、資金をしっかりと管理するのは難しいものです。

しかし、資金ショートを起こしてしまっては意味がありません。日常の支払いや事業内容・人件費などを総合的に見たうえで、収支バランスを崩さないようにすることが重要です。

売掛金の未回収

なんらかの要因で売掛金が未回収になってしまうと、資金ショートを起こす原因となります。取引先の財務状況の悪化や倒産で売掛金を回収できないと、最悪の場合、連鎖倒産と呼ばれる倒産を起こしてしまいかねません。特に取引先が少ない会社ほど注意する必要があるでしょう。

連鎖倒産を防止するには、余裕をもった運転資金を確保しておくことと、与信管理をしっかりしておくことが重要です。

与信管理とは、取引先の信用度を検証することです。何より、1回の売掛金の未回収で資金ショートを起こすということは、自転車操業状態に陥っている可能性もあります。早急にキャッシュフローを改善する必要があります。

不測の事態

自然災害や戦争など、取引先との関係および会社のキャッシュフローとは関係のない予想できない原因で、資金ショートを起こす可能性があります。特に日本では地震が多く発生するため、それを原因に機材の破損や建物の損壊などで業務がストップしてしまい、多額の修理費が出ていくのと同時に操業できないために収入が得られない状況になってしまうのです。

近年では、2020年~2023年に発生した新型コロナウイルス関連倒産と呼ばれるものがあります。新型コロナウイルスを原因とした倒産は全国で6,761件にのぼり、時期が下るほど倒産件数が増加していることが帝国データバンクから示されました。

新型コロナウイルス関連倒産

※引用元:新型コロナウイルス関連倒産|帝国データバンク

万が一不測の事態が発生したときに備えて、資金を貯めておくことをおすすめします。ほかのケースと比較するといくらの貯蓄が必要かわからないという声も上がってくるかもしれませんが、ある程度まとまった資金を集めておくことで、不測の事態が起こってもすぐに倒産するような事態には陥りにくくなるでしょう。

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
監修者 塚越 一央の一言コメント!

会社の資金の問題として、赤字や債務超過がありますが、資金ショートが一番深刻な状況と言えます。資金ショートの原因に、売上の減少や支出の増加がありますが、簡単に回避することはできません。
一方、資金の管理不足や売掛金の未回収による資金ショートは、努力すれば回避できるので、しっかり対応してください。

塚越さん

塚越さん

取組タイミング別:資金ショートを防ぐための対策方法

資金ショートを起こす前にできることはいくつかあります。しかし、資金ショートを起こす恐れがあるタイミング次第で取り組むべき対策が異なります。早期・中期・長期に分けて、優先度が高い順番に解説するため、ぜひ参考にしてください。

自社の状況に応じて、参考にする項目が変わります。安定した経営に戻すためにも、以下の章で紹介している内容を実践しましょう。

早期に取り組むべき対策

資金ショートまで一刻の猶予もない場合、取れる手段としては入金を増やすか早めること、もしくは出金を減らすか遅らせるかの4択です。4つのうちのいずれかに取り組むことで、キャッシュフロー改善につながるでしょう。

ただし、この状況下では入出金に対策を講じても時間稼ぎでしかありません。稼いだ時間内で別の方法を実践し、利益を増やすことが重要です。あくまでも会社の一時的に存続させるための応急処置だと思ってください。

ファクタリングの利用

ファクタリングとは、発注書や請求書などの売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらう方法です。2社ファクタリングと3社ファクタリングの2種類ありますが、いずれも売掛債権をもとにファクタリング会社が審査し、最終的には手数料を引いた金額が依頼した会社のもとに入ってきます。

ファクタリングは借入ではなく、債権の前払いをするサービスです。そのため、バランスシート(貸借対照表)に負債として記入する必要がありません。期日よりも早く現金が手に入るのが大きなメリットですが、手数料がかかる点、返済は一括以外の選択肢がないことに注意しましょう。

おすすめのファクタリングについては、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

コストカットの実施

家賃や人件費の見直しでコストカットができると、現金を確保できるようになるかもしれません。必要な経費を無理に削る必要はありませんが、無駄な経費をカットすることでキャッシュフローを改善できる可能性があります。具体的に見直せる項目と内容は以下の通りです。

見直せる項目具体的な内容
家賃契約内容次第で家賃を引き下げてもらえる可能性がある
家賃 人件費残業時間の見直し、および時間外労働のルールの見直しをすることで、人件費を削減できる
家賃 通信費・水道光熱費契約プランの見直しや格安プランへの入り直しで費用を削減できる可能性がある
家賃 仕入れ費交渉次第だが、購入する量を増やす代わりに単価を下げてもらえる場合がある
家賃 交通費通勤定期の支給やテレワークの導入で交通費の削減が見込める
家賃 保険代法人向けの生命保険に加入することで、課税所得削減につながる節税が見込める
家賃 各種税金設備投資などを行うことで課税所得を削減し、法人税の節税につながる場合がある

出金量を抑えるための施策であり、即効性のあるものもあれば、長期的に見ておかなければならないものもあります。特に保険代や税金については年に一回の還付でその効力を実感できるため、時間がかかります。とはいえ、長い目で見れば出金を抑えられるため、実施しておいて損はないでしょう。

公的支払いの延長を検討する

コストカットの実施」で触れた税金への対策は、あくまでも出金を抑える方法でしたが、もうひとつの方法として支払いを延長することもできます。特に資金ショートまで時間の問題という会社は、公的支払いの延長申請をすることで一時的に出金を抑えられます。

延長の相談ができるのは、公共料金や税金です。いずれも各種取扱い会社や税務署などの相談窓口に相談すると良いでしょう。

ただし、漠然と「延長してほしい」と伝えても、延長申請に応じてくれる可能性は低いです。しっかりと払えない理由と支払いの目途を伝えることで、申請が許可される可能性があります。また、あくまでも支払期日を延長してもらっているだけであるため、猶予期間中に支払えるようなキャッシュの準備が必要です。

リスケジュールの検討

金融機関や公的機関から融資を受けている場合、その支払期日をリスケジュールできないか交渉してみましょう。リスケジュールとは、返済にかかわるスケジュールを見直すことです。金融機関にもよりますが、返済スケジュールを見直すことで、月々の返済額や返済期間が再設定できるかもしれません。

こちらも税金などの支払いの延長申請と同じく、なぜリスケジュールが必要なのかを先方に伝える必要があります。また、もしリスケジュールができたとしても結果として月々の負担が変わらない可能性もあるでしょう。

リスケジュールを検討することで月々の出金を抑えられるかもしれない一方、場合によっては断られたり、思ったような成果につながらなかったりする可能性があることも覚えておいてください。

仕入れ先との支払期限延長の交渉

税金の支払いの延長申請や、返済計画のリスケジュールと同じく、仕入れ先に対しても支払いの期限延長を交渉するようにしてください。支払いスケジュールを見直してもらったり、支払方法を変えてもらったりすることで、出金が抑えられてキャッシュの一時的な確保につながるかもしれません。

ただし、この方法はセンシティブであり、場合によっては取引先との関係に悪影響を及ぼしてしまう恐れがあります。交渉の際には支払いの意思があることを明確に伝えつつ、仕入れ先に不利にならないような条件で合意するように努めましょう。もっとも交渉難易度が高い方法でもあるため、あくまでも最終手段という位置づけにしておいてください。

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
監修者 塚越 一央の一言コメント!

資金ショートを防ぐ早期対策としては、入金を増やすか早めるか、あるいは出金を減らすか遅らせるかです。
具体的には、ファクタリングを利用して売掛金の回収を早める。コストカットを実施して、出金を抑える。税金などの公的支払いの延長を交渉したり、銀行の返済や仕入れ先の支払いをリスケジュールすることも効果があります。

塚越さん

塚越さん

中期的に取り組むべき対策

資金ショートを起こさないように取り組むべき内容のうち、中期的に取り組むこととして以下の事項が挙げられます。

いずれも早期に取り組むべきことを実施してから取り組むものです。また、すぐ資金ショートを起こすことはない会社でも、いずれ資金ショートが発生する可能性が高い場合は実施しておいて損はありません。

もっとも大事なことは、売上を増やしつつ不要な出金を出さないことです。そのために何をすべきなのか、詳細を見ていきましょう。

外部からの資金調達

中期的に資金ショートを防ぐには、資金調達をしてキャッシュフローを改善できるようにしておくことです。ほとんどが借入であるためゆくゆくの返済は必要ですが、売上を拡大させるために必要であれば資金調達をおすすめします。

具体的な資金調達の方法として、以下の方法があります。

  • ビジネスローン
  • ファクタリング
  • カードローン
  • 公的機関からの融資
  • 銀行からの融資

くれぐれも注意したいのは、資金調達は事業者の心の余裕を生むものではありません。資金調達が必要かどうかを冷静に判断し、必要なタイミングで受けられるようにしておくと良いでしょう。中には申請から融資実行まで時間がかかるものもあるため、中長期的な視点で資金調達が必要かどうかを判断してください。

また、資金調達には上記の通りさまざまな方法があります。いずれにもメリット・デメリットがあるため、それらを総合してどのように資金調達するのかを決めるといいでしょう。

ビジネスローンについては以下の記事が参考になります。

請求漏れや未入金の確認

過去の取引をもう一度見直し、請求漏れや未入金がないか確認しましょう。特に取引先が多い会社の場合、売上金を請求していない「請求漏れ」を起こしてしまう恐れがあります。先方に事情を説明したうえで請求書を発行し、漏れている請求を回収するようにしてください。

未入金に関しても、通帳や管理システムと照合してチェックし、入金がない取引先に対して入金をお願いしましょう。資金ショートの恐れがあることを伝える必要はなく、あくまでも期日が過ぎているという理由で支払ってもらうようにするのがベストです。資金繰りを正確にするためにも、定期的に見直して適切な対処をすることが重要です。

資金繰り表の作成と管理の徹底

対処が急がれる場合は作れない可能性もありますが、ある程度時間に余裕がある状態であれば、資金繰り表の作成をおすすめします。資金繰り表を作成しておくことで、キャッシュフローが可視化できるようになり、資金ショートが起こる時期がわかるようになります。

ただし、資金繰り表は1度作成するだけでは意味がありません。定期的に見直したり、場合によっては作り直すことで、より正確に会社の資金の収支をチェックできるようになります。作成には時間も手間もかかりますが、会社のキャッシュフローを改善するためにも管理を徹底してきましょう。

不要な在庫を持たない

在庫を有する業界の場合、不要な在庫を持たないことも資金ショートを防ぐのに有効な施策です。在庫を保管しているだけでも保管料が発生し、出金が増えていきます。また、取り扱っている製品によっては在庫の劣化を起こす恐れもあり、棚卸資産評価損を負うリスクも考えられます。

需要が低下したものや劣化したものなど、不要な在庫はまとめ買いセールのような方法で減らすことが重要です。在庫を抱えていても問題はありませんが、抱えすぎは会社に出費として重くのしかかってくるため、これらの方法を活用して在庫を抱えすぎないようにしてください。

長期的に取り組むべき対策

長期的に取り組むこととして、次の2つが挙げられます。

ポイントは、資産の見直しと売上向上のための事業多角化です。資産を見直すことで出金を減らせられて、事業の多角化によって、会社の収益増加も見込めます。

ただし、多角化に関してはある程度の投資と入念な準備が必要です。多角化を実施する前に損益分岐点をしっかりと計算し、撤退するラインを決めてから臨みましょう。

遊休資産の見直しを行う

遊休資産とは、土地や建物・機械設備などのうち、現在使用していない資産のことです。遊休資産は会社の大事な資産ではありますが、所有しているだけで固定資産税や維持管理費がかかる場合もあります。特に土地や建物と行ったものには毎年固定資産税が発生するため、しっかりと見直して不要なものは売却するなどの措置を取りましょう。

また、次章とも関連しますが、事業の多角化を実施するうえで遊休資産を活用する方法もあります。新しく土地や機械設備を購入しなくても遊休資産を利用することで新事業が開始できるのであれば、利用しない手はありません。いずれにしても遊休資産を見直して、売却や別の活用方法を見出すことで、お金だけがなくなっていく状況を阻止できます。

事業の多角化

業種や事業内容によって異なりますが、事業の多角化をするのも将来的な資金ショートを防ぐ方法になります。先行投資としてまとまった費用が必要になりますが、ひとつの事業だけで収益を得ている状態よりも複数の収益事業を持っている状態のほうが、資金ショートが発生しにくくなるでしょう。特に新型コロナウイルスのような不測の事態が発生した際にも、別事業があったために資金ショートを起こさなくて済んだというパターンもあります。

事業の多角化にはそれ相応のリスクが付いて回るのは仕方がありません。しかし、会社の防御力を高めるためにも、事業を多角化しておくと良いことも覚えておいてください。もちろん、うまくいかなかったときのために損益分岐点の計算や撤退ラインの決定も忘れずにしておきましょう。

資金ショートしそうなときの相談先

ここまで、早期・中期・長期で行う資金ショートへの対策を紹介してきました。しかし、上記の対策はほんの一例であり、すべてではありません。もし専門家などに相談したいと思った場合は、次の3つへの相談をおすすめします。

  • 顧問税理士
  • 公的機関
  • 中小企業診断士・行政書士

それぞれの特徴と相談できる内容について解説します。

顧問税理士に相談する

ひとつ目の選択肢は顧問税理士です。会社専属の税理士のことで、特に資金繰りに関する相談においては以下で紹介する2つよりも圧倒的な守備範囲を誇っています。顧問税理士ができる資金繰りに関する業務内容やアドバイスについては以下の通りです。

  • 決算書に基づいた企業分析と業務計画の見直し
  • 資金関連の計画の見直し
  • 資金繰りの改善方法の提案
  • 改善対策実施に向けた各種支援

ほかにも手続きや書類作成も請け負ってくれる場合があります。顧問税理士とどのような契約を結んでいるのかの確認は必須ですが、一度相談してみると良いでしょう。

公的機関に相談する

公的機関への相談も、資金ショート対策にはおすすめです。ひと口に公的機関といっても多くの種類があり、代表的なものは次の通りです。

これらの機関はいずれも原則無料で相談を受け付けています。また、国の融資や補助金の窓口になっていたり、独自の融資制度を持っていたりするため、相談する価値はあるでしょう。予約が必要ですがお金はかからないため、ぜひ活用してみると良いでしょう。

中小企業診断士や行政書士に相談する

税務以外の相談をしたいのであれば、中小企業診断士や行政書士に相談すると良いでしょう。いずれも国家資格であり、中小企業診断士は企業の状況を理解したうえでの的確な分析やアドバイスをくれます。行政書士も資金調達や融資に向けたアドバイスや資料作成をお願いできます。

基本的にはどちらへの相談も一定の費用がかかるのが原則です。しかし、各地の商工会連合会などが用意している専門家派遣制度をおよびエキスパートバンクなどの制度を利用すれば、回数に上限はあるものの無料で支援を受けられる可能性があります。地域によって実施の有無が異なるため、詳しくは会社の所在地がある地域の商工会議所や商工会に訪ねてみましょう。

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
監修者 塚越 一央の一言コメント!

資金ショートを防ぐ中期対策としては、ビジネスローンなど外部から資金調達をすることです。また、請求漏れや未入金を無くすことも大事です。資金繰り表を作成して、管理することも必要ですし、不要な在庫を減らすことも効果があります。
長期対策としては、遊休資産の見直しと売却があり、事業の多角化も効果が期待できます。

塚越さん

塚越さん

まとめ

資金ショートは企業活動を存続するうえでは必ず避けたい事態です。最悪の場合、どうしようもできなくなってしまって倒産する以外に方法がなくなるケースもあります。そうならないためにも時期別の対策を理解しておき、常に資金ショートにならないような運転資金の確保と入出金管理をしておきましょう。

また、資金ショートをさせないためにも、各種相談窓口を有効活用することも重要です。顧問税理士や公的機関など、相談できる窓口は比較的多く存在しています。自社だけで解決できない、どうしたらいいかわからないという場合は、相談先を選んで相談するようにしてください。転ばぬ先の杖ではありませんが、事前に相談しておくことで資金ショートを防げるかもしれません。

資金調達の関連記事

  • Facebook
  • x
  • LINE

© 2022 Ateam LifeDesign Inc.