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給与の遅配は違法行為!遅れに伴う3つのリスクと避けるための対策方法を解説

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給与の遅配は違法行為!遅れに伴う3つのリスクと避けるための対策方法を解説
資金調達
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事業がうまくいかず資金繰りが苦しくなり、給与の支払いが期日までにできるかどうか不安を抱えてしまう場合があります。その場合、給与の支払いを伸ばすことも検討するかもしれませんが、支払いを遅延させることでさまざまなリスクと隣り合わせになる事実を理解しておかなければなりません。

本記事では、給与支払いの遅延が発生した場合のさまざまなリスクと遅配を避けるための対策、具体的な資金調達方法について解説します。万が一に陥ってしまう前に、会社と従業員を守る術のひとつとして覚えておいてください。

この記事を読んでわかること

  • 給料の遅配によって起こりうるリスクがわかる
  • 給与支払いの遅延を避けるための対処法がわかる
  • 万が一に備えた資金調達の方法がわかる
塚越さん

塚越 一央 / 塚越FP社労士事務所 代表

【専門家の解説】

給与の遅配は、労働基準法の違法行為です。しかも、会社の信用が大きく失墜し、会社の存続が危ぶまれることもあります。また、従業員の生活を脅かすことにもなり、絶対に避けなければなりません。
給与の遅配を避ける方法はいくつかあるので、最後まで諦めずに、給与を支給するための努力をしてください。

  • ファイナンシャルプランナー / 塚越FP社労士事務所

    監修者塚越 一央

    東京都立大学法学部を卒業後、大手都市銀行および銀行系のシンクタンクに41年間勤務。
    定年退職を機に1級ファイナンシャル・プランニング技能士および社会保険労務士のダブルライセンスで「塚越FP社労士事務所」を立ち上げ、現在に至る。
    日本FP協会東京支部主催の「神保町FPフォーラム」に参加し、相続のセミナー講師および相談員を務める。
    また、外部メディアへの記事執筆や監修、コンサルティング業務を手掛ける。

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給料の遅配は法的に違反行為となる

給料の遅配は、労働基準法第24条に定められている「賃金支払いの5原則」に抵触する法律違反です。

(賃金の支払)

第二十四条 

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

2

賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。

引用元
労働基準法 | e-Gov法令検索

賃金支払いの5原則とは、条文に含まれる文言のうち以下の5つを指します。

  • 通貨で支払うこと
  • 労働者本人に支払うこと
  • 全額一括で支払うこと
  • 月1回以上は支払うこと
  • 期日通りに支払うこと

これらの条項は労働者の生活を守るためのものであり、給与の遅配は生活面と労働者のメンタルに悪影響を及ぼします。企業として労働者との約束を守ることを牽制しているのはもちろん、労働者の安定した収入とメンタル維持、企業の生産性向上を守るために必要な条文であることを覚えておきましょう。

罰金や遅延損害金の支払いが必要になる

仮に、給与の遅配が発生した場合、労働基準法違反として30万円以下の罰金が科される可能性があります。さらに、支払い遅延が発生した翌日から1日ごとに、年利3%の遅延損害金を労働者に対して支払わなければなりません。以下は、遅延損害金の計算式と、30万円の支払いを90日間遅延した場合の計算式です。

遅延損害金の計算方法

遅延損害金=未払いの金額×遅延損害金の利率(3%)÷365&×遅延日数

  • 30万円の支払いを90日間遅延した場合の計算方法
    2,219円=30万円×3%÷365×90

例の場合、額面だけ見ると、それほど大きな金額ではありません。30万円の支払いであれば、90日間で2,000円強であるため、重くない処分と感じた人もいるでしょう。しかし、給料の遅配は次章で紹介するお金では解決できないリスクを起こす可能性がある事象です。お金以上に失うものが大きいこともあわせて覚えておいてください。

給料の支払い遅れに伴う3つのリスク

給料の遅配が発生することによって生じるリスクにはさまざまなものがありますが、特に大きなリスクとして次の3つが挙げられます。

遅延損害金の支払いなどの金銭的負担が生じる以外にも、社会的信用に大きな悪影響を及ぼしかねません。万が一に備えて、どのようなリスクの発生が考えられるのかを知っておきましょう。

法的処置を取られる

繰り返しになりますが、給与の未払いや遅配は労働基準法違反です。従業員からの支払いの催促はもちろんのこと、代理人弁護士による交渉や訴訟に発展することも考えられます。最悪の場合、判決による財産の差し押さえが発生する恐れもあるため、会社の存続のためにも給与の遅配は必ず避けなければなりません。

また、労働基準監督署の抜き打ち調査や従業員の訴えなどで給与の遅配が発覚すると、是正勧告が出される場合があります。内容は遅れている給与の支払いをしなさいというものですが、労働基準監督署からの是正勧告には強制力がありません。

だからといって無視し続ける、具体的な改善策が見られない場合は会社が送検されてしまう可能性もあります。調査の段階で悪質性が認められれば、是正勧告の段階を踏まずに送検される恐れもあるのです。

現代は、昔よりも法律相談ができる法テラスなどの環境が整備されるようになりました。裏を返せば、労働者から訴訟を起こされるリスクは昔よりも格段に高まっていると言えるため、「1回くらい遅れても大丈夫」と思わないことが重要です。

従業員が離職してしまうリスク

給与支払いが遅延することで、従業員の離職リスクが高くなる可能性があります。従業員の心理として、給与の遅配が発生する会社には何かしらの経営上の問題があると判断されがちです。そのような会社に勤め続けたいと聞かれれば、首を縦に振る人は少ないでしょう。結果、よほど理解のある従業員を除いて退職を申し出る従業員が増える恐れがあります。

従業員の退職は、会社にとって大きな損失です。今まで教育してきた従業員が離職することで、会社の生産性に悪影響が出る恐れもあるためです。特に属人性の高い業務をしている人が離職してしまうと、一気に会社全体の業務に影響を及ぼしかねません。給与の遅配ひとつが会社の将来や生産性に強く結びついていることを覚えておきましょう。

採用や新規取引が難しくなる

未払いや遅配が発生すると、新規採用や取引が難しくなる恐れもあります。給料については、いわば会社と従業員の基本的な約束事です。その約束事を守れない状況なのであれば、企業のブランド価値や信用力が低下するのは必須です。

特に昨今は、SNSなどを通じて従業員による情報漏洩のリスクが高まっています。会社として情報を開示するかどうか以前の問題として、従業員伝いに給与の遅配をはじめとする信用力に直結する内容は拡散されやすいため、新規の採用や取引に悪影響となってしまうのです。

1回の給与の遅配で、会社が存続できるかどうかの瀬戸際に立たされてしまうリスクがあることも覚えておきましょう。一度失った信用を取り返すにはそれ相応の時間と労力がかかるため、給与の遅配が発生する前になんらかの対処を講じておくことが重要です。

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
監修者 塚越 一央の一言コメント!

給与の遅配は法律違反であり、罰金や遅延損害金が発生する場合もあります。
従業員から訴えられて、財産の差し押さえに発展する恐れもあります。さらには、従業員が離職したり、新規採用が難しくなったり、取引先との交渉も難航することになります。そうならないためにも、給与の遅配は、何としても避けなければならないのです。

塚越さん

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給料の支払い遅延を避ける3つの対策方法

給与の支払い遅延を避けるためには、以下の3つの対策を順番に講じる必要があります。

  1. まずは支払いの順番を整理する
  2. 役員報酬の削減
  3. 資金調達の検討

いきなり資金調達を検討するのではなく、まずは各種支払いに対して優先順位をつけることです。交渉すべきところに交渉し、給与を捻出することを最優先事項として動きましょう。それでも難しい場合は役員報酬の削減を実施、なおも給与の遅配が発生しそうであれば資金調達の検討に入ります。

それぞれのフェーズで具体的にどう動くのかを見てみましょう。

まずは支払いの順番を整理する

最優先でやることに、支払いの順番を整理することが挙げられます。支払いの優先順位をあらためて整理することで、支払総額を変えられる可能性があります。中には交渉が必要なケースもありますが、交渉次第では支払い時期を先延ばしにすることもできるでしょう。支払い計画が変われば、給与の遅配を発生させずに済むかもしれません。

以下は、優先順位の高い順で対処すべき支払い項目です。ただし、状況次第で順番が前後することを理解しておきましょう。

従業員の給料

従業員の給料は、以下に続く項目の中でも優先順位が高いものです。先述の通り、給与の遅配は労働基準法違反として罰則の対象となるため、必然的に優先順位が高くなります。従業員の生活を守り、メンタルと会社の生産性を維持・向上させるためにも必須項目と言えるでしょう。

ただし、会社そのものが家族経営であり、理解が得られる従業員ばかりの場合は優先順位が低くなります。従業員が家族ではないなどの他人の場合は高リスクであるため優先順位が高いものの、家族などの理解を得られる存在なのであれば、別の項目に優先的に対処すべきです。

手形の支払い

次に優先したいのが、手形の支払いです。手形には支払い期限が設けられていますが、もし半年に2回以上期日内の入金ができない場合、銀行との取引が停止されてしまいます。手形の代金が支払えない状況を不渡りといいますが、不渡りを出す企業と付き合うことは、銀行にとってもリスクでしかありません。

1回の不渡りでも手形交換所に加盟している銀行への信用力が大きく低下してしまい、その後の融資が受けづらくなる恐れがあるため、手形の支払期日は必ず守る必要があります。法的な罰則こそありませんが、ペナルティがあまりにも大きすぎるため、企業として避けたい事項でもあるのです。

そもそも、半年に2回も不渡りを出す会社は、社会的に見れば事実上倒産しているのと同じと判断されます。小切手も同様に、半年で2回の未払いで銀行との取引が停止されてしまいます。手形・小切手の支払いは企業によっては給与支払いよりも優先順位が高い可能性もあるため、きちんと整理して期日内に支払いをすることが重要です。

手形の裏書譲渡については、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。

買掛金

買掛金とは、支払先に支払う商品や材料を購入するための項目のことです。取引先企業に対して発生するものですが、こちらは先方に事情を話すことで、一定期間待ってもらえる可能性もあります。

ただし、買掛金の交渉がうまくいくかどうかは、会社と取引先の関係値に大きく依存します。加えて、いかに関係性が良好な仕入先であっても、支払期日を守ってくれないという観点から信用力の低下を招くリスクから逃れることはできません。支払いを猶予してはもらえたものの、その後の取引を断られる可能性もあることを覚えておきましょう。

税金

法人税などの各種税金や社会保険料についても、1,000万円までであれば滞納の交渉が可能です。会社の経済状況次第ですが、消費税や源泉所得税を含め、支払いを待ってもらえるかもしれません。

とはいえ、黙って滞納するのはあまりにもリスクが高すぎるため、事前に税務署や県税事務所などに相談するようにしてください。放置してしまうと、最悪の場合差し押さえなどの法的措置を取られてしまう恐れがあるためです。

また、交渉しても滞納が認められないケースもあります。その場合は期日内に税金や社会保険料を納めなければなりません。

銀行への返済

一見すると優先順位が高そうな銀行への返済ですが、交渉次第では支払期日のリスケジュールに応じてくれる可能性があります。銀行としてもっとも避けたいのは貸倒れであり、万が一企業が倒産してしまえば、未回収の融資資金は不良債権となって銀行に重い負担となります。銀行側は、期日を変えてでも払ってくれるのであれば、この交渉に応じてくれる可能性があるのです。

しかし、大前提として経済的合理性がなければ支払期日のリスケジュールには応じてもらえない可能性もあります。銀行に返済を待ってもらう際には、ただ単に払えない事実を述べるだけではなく、支払いできない理由といつ支払いできるかをあわせて相談するようにしてください。

経費等

あまりおすすめできる方法ではありませんが、電気・水道・ガスなどの経費を後で支払う方法があります。これらの経費は1カ月程度支払いが遅れたからといって、直ちに影響が出るものではありません。決して褒められた方法ではないものの、どうしてもキャッシュが不足している場合は、経費の支払いをいったん外すことも考えましょう。

ただし、長期間の未払いはライフラインの停止や差し押さえのリスクを孕んでいます。そうならないためにも、早急なキャッシュの用意が必要な点は変わりません。また、繰り返しになりますがあまり推奨できる手段でもないため、可能であれば期日通りに支払いできるのがベストです。

役員報酬の削減

通常、役員報酬は年に1回しか変更できません。しかし、経営状況の悪化など、正当な理由があれば変更前に減額できるようになっています。

当該事業年度において当該内国法人の経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(業績悪化改定事由)によりされた定期給与の額の改定(その定期給与
の額を減額した改定に限り、ⅰ及びⅱに掲げる改定を除きます。)(法令 69①一ハ)

引用元
国税庁│No.5211役員に対する給与

国税庁の見解としても認められている方法であり、役員報酬を見直すことでキャッシュフローが改善できるかもしれません。支払いの優先順位を決めつつ、役員報酬削減についても同時に検討してみても良いでしょう。

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
監修者 塚越 一央の一言コメント!

給与の遅配が発生しそうになったら、まず支払いの優先順位を整理することです。従業員の給与や支払手形の決済は、優先順位が高いと言えます。
一方、買掛金や税金、銀行への返済は、交渉によっては先延ばしができるかもしれません。それでも難しければ、役員報酬の削減を検討してみてください。

塚越さん

塚越さん

資金調達の検討

支払いの優先順位をつけても資金が足りず、役員報酬の見直しを実施してもまだ足りない場合は、資金調達を検討してください。いくつかの資金調達方法が考えられますが、代表的なものは以下の通りです。

資金調達先調達までのスピード調達額金利(手数料)
ファクタリング即日数十万円~数億円1.0%~
ビジネスローン即日数十万円~数千万円1.0%~
カードローン即日数十万円~数百万円1.5%~
公的機関数週間~数カ月数百万円~数千万円1.21%~

※商品や状況等によって金利(手数料)は相違することがあります。

もっとも優先順位が高いのはファクタリングで資金を調達する方法です。それでも資金が不足するようであれば、ビジネスローンやカードローンの活用を検討しましょう。事前に資金不足の未来が予測できる状況であり、時間に余裕があるのであれば公的機関からの融資を検討することも考える価値があります。

ファクタリングの活用

ファクタリングとは、申し込み者が提出した債権を買い取ってくれる資金調達方法です。発注書や請求書などの売掛債権を使って代金の証明をしたうえで、手数料を引いた金額が受け取れます。わかりやすくいい換えれば、売掛金の前払いサービスです。ファクタリングには2社ファクタリングと3社ファクタリングの2種類があり、それぞれ以下のような特徴があります。

ファクタリングの種類特徴
2社ファクタリング・売掛債権を持つ会社とファクタリング会社の間で行う
・取引先が含まれないため、関係悪化のリスクがない
・3社ファクタリングと比較すると、手数料が高め
3社ファクタリング・売掛債権を持つ会社とファクタリング会社、取引先の3社で行う
・取引先が含まれるため、回収リスクが少ない
・3社による協議が必要で、実行までに時間がかかる

ファクタリングは、売掛金の支払期日よりも前に資金を調達できるため、資金繰り改善が見込めます。次項で紹介するビジネスローンなどとは異なり、借入や融資とは違うサービスであることから、負債が増えないという特徴もあります。一方で手数料がかかる、ファクタリング会社への返済は全額一括などの制約がある点にも注意しましょう。

おすすめのファクタリングについては、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
監修者 塚越 一央の一言コメント!

給与の遅配をしないために資金調達をする場合、まずファクタリングを検討してみてください。ファクタリングは、売掛金の前払いサービスのことです。資金が早く入手できますが、手数料がかかるので注意してください。
ビジネスローンを利用する場合は、金利が高いことと借入限度額が低いので、よく考えてから借りるようにしてください。

塚越さん

塚越さん

ビジネスローンの活用

ビジネスローンとは、事業で使う資金を金融機関から借入するローンのことです。法人だけではなく個人事業主も申し込み可能で、新規事業の立ち上げや設備投資、運転資金などで活用できます。

ビジネスローンは総量規制の対象ではないため、年収の1/3以上の資金調達も可能です。また、銀行融資よりも早く融資が実行されるケースが多いため、急ぎの資金調達には適しています。反面、銀行融資や公的機関と比較すると、金利が高く借入限度額は低いというデメリットがあります。これらのメリット・デメリットをよく理解したうえで、利用するかどうか検討しましょう。

本記事では、特におすすめのビジネスローンとして、GMOあおぞらネット銀行の「あんしんワイド」を紹介します。

あんしんワイドは、GMOあおぞらネット銀行が2022年5月にスタートさせたビジネスローンです。最大1,000万円まで融資可能で、決算書や事業計画書の提出が不要です。その代わり直近7カ月間の入出金データが必要となるため、口座を持っていない場合は審査を受けられない可能性があります。

また、創業初年度の企業や前年度に赤字決算となった企業でも、直近の取引状況によっては融資を受けられる場合があります。仮に他行の口座を利用している場合でも「freee入出金管理」を利用すれば、この情報が融資審査で利用されます。ただし、個人事業主は利用できない点、借入限度額が1,000万円である点には注意してください。

おすすめのビジネスローンについては、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

カードローンの活用

カードローンとは、借入と返済の機能を有した専用のカードを用いて融資を受ける方法です。銀行や大手消費者金融が取り扱っている金融商品ではありますが、銀行のカードローンは事業用での借入ができないこととなっており、消費者金融のカードローンに申し込む必要があります。

特に制約がないカードローンであれば、個人で借入した資金を事業用として利用しても問題はありません。大手消費者金融であれば即日融資が可能なため、困ったときにすぐに資金調達できるのが大きなメリットです。一方で金利が高めに設定されているため、返済総額が借入額よりも高くなってしまう点に注意しましょう。また、先に紹介したビジネスローンとは異なり総量規制の対象となる点にも注意が必要です。

おすすめのカードローンについては、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

公的機関の活用

日本政策金融公庫などの公的機関に申し込むことで、資金調達できる可能性があります。ここまで紹介した資金調達方法とは異なり、申し込みから融資実行までには1カ月前後かかるのがデメリットです。即金性はないため、一刻も早く資金調達をする必要がある場合には不向きと言えるでしょう。

反面、金利は低く、条件を満たせば基準金利よりも低い金利になるケースもあります。何よりも融資の上限額がほかの資金調達方法よりも大きいため、時間が許すのであれば申し込みしてみる価値がある制度です。

代表的なものとして、日本政策金融公庫の事業再生支援資金を見てみましょう。事業再生支援資金は、過剰債務に陥っている企業や、すでに借入している別の事業資金の弁済負担軽減を目的に用意されている公的な制度です。融資限度額は直接貸し付けで7億2,000万円にも上り、金利も2.5%が上限となっています。

返済期限も運転資金で15年以内、設備投資で20年以内と長く取られているため、返済の負担も大きくなりにくいのが特徴です。ただし、申し込みには担保が必要な点、複数の申請書類が必要になる点、企業再建計画の作成が必要な点に注意してください。

おすすめポイント

  • 金利が低く、返済期間も長い
  • 公的機関の制度であるため信頼性が高い
  • 直接貸し付けで最大7億2,000万円の融資が受けられる
資金の使用用途経営改善や経営再建などに取り組む中小企業の運転資金や設備資金
融資限度額7億2,000万円
金利標準利率:1.2%~2.5%
特別金利:0.55%~2.5%
返済期間運転資金:20年以内
設備資金:15年以内
担保の有無担当者と相談のうえ決定
融資までの期間数週間~数カ月
申し込み方法日本政策金融公庫の各支店にある中小企業事業窓口

まとめ

給与の遅配を起こしてしまうと、会社として大きな損失を被ってしまうのはもちろん、社会的に信用を失ってしまいかねません。遅配を防ぐためには、支払いの優先順位の高い場所に給与を持っていき、是が非でも支払う意識を持ちましょう。ほかにも支払わなければならないものが複数あるかもしれませんが、まずは従業員と会社を守るのが優先です。

もし、役員報酬の削減を行っても資金繰りが難しい場合は、本記事で紹介した資金調達の方法を検討してください。難しいものもあるかもしれませんが、なんらかの方法で給与を用意しなければならないのであれば、とにかく申し込んでみるのもひとつの方法です。常にキャッシュフローを改善しながら同じ事態に陥らないことがベストではあるものの、万が一に備えて資金調達の方法を知っておくと、何かのときに役に立つかもしれません。

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