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ファクタリングと債権譲渡の違い!債権譲渡登記の必要性も解説

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ファクタリングと債権譲渡の違い!債権譲渡登記の必要性も解説
ファクタリングとは
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※こちらの記事の「債権譲渡」は、サービサー等による「債権回収目的の債権譲渡」にフォーカスして解説しています。

「ファクタリングと債権譲渡の違いって何?」
「債権譲渡登記ってファクタリングで必要なの?」

ファクタリングと債権譲渡は、売掛債権を譲渡する点が似ているため、何が違うかよく分からない方も多いと思います。

ファクタリングと債権譲渡の違いを簡単にまとめると、以下の表のとおりです。


ファクタリングサービサーへの債権譲渡
主な目的期日前の資金調達期日超過債権の回収
代金の受取債権から手数料等を引いた金額回収成功額から手数料等を引いた金額
手続き比較的お手軽深刻さを伴う

 上記のようにファクタリングでは正常な資金調達、債権譲渡ではトラブル時の債権回収の目的がメインとなっています。

明確な目的の違いがあるため、状況に応じて適切な方法を選ばなくてはなりません。

なお今回は、ファクタリングと債権譲渡の違いや、ファクタリング契約で出てくる債権譲渡登記についても解説します。

この記事を読むことで、ファクタリングと債権譲渡の違いを正確に理解して、適切な方法でお金の問題を解決できるようになることでしょう。

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債権譲渡とは

債権譲渡とは

債権譲渡とは

  • 簡単に言えば「債権(お金を受け取る権利)」を「譲渡(他人にゆずり渡す)」ことです。

実際の債権譲渡の例として、以下のケースが挙げられます。

  • 資金調達のための、期日前の売掛債権売却
    【ファクタリング】
  • 債権を回収するために、サービサー(債権回収会社)に譲渡する
    【債権回収】
  • 約束手形の裏書譲渡のように、お金を受け取る権利を第三者へ譲り渡すことで支払いに替える
    【代物弁済】
  • 債権を譲渡担保として融資を受ける
    【債権譲渡担保】

基本的に債権は、(一部の例外をのぞき)自由に譲り渡すことができます。

自由度の高さという特長を活かし、上記のようにさまざまなシーンで債権譲渡が利用されているわけです。

こちらの記事では以下の2点にフォーカスして、両者の違いをわかりやすく比較します。

  • ファクタリングによる売掛債権の売却
  • サービサーへの債権譲渡による債権回収

ファクタリングと債権譲渡の違い

ファクタリングと債権譲渡(債権回収目的)の違いは、次の3つです

  1. 【目的】
    ファクタリングは期日前の資金調達、債権譲渡は期日経過後の(未回収)債権回収
  2. 【代金の受取】
    ファクタリングは債権から手数料等を引いた金額、債権譲渡は回収成功額から成果報酬等を引いた金額
  3. 【手続き】
    ファクタリングは比較的お手軽、債権譲渡は深刻さを伴う

ファクタリングとサービサー等への債権譲渡では、いずれも「債権の譲渡」という点では同じです。

しかし両者には明らかな違いがあるため、より適切な方法をケースバイケースで選択する必要があります。

また受取金額や手続きの複雑さにも以下に解説するような差があるので気をつけてください。

【目的】ファクタリングは期日到来前の資金調達、債権譲渡は期日経過後の債権回収


ファクタリング期日到来前の資金調達
債権譲渡期日経過後の債権回収


「ファクタリング」は、基本的に正常な債権を期日前に早期現金化することが主な目的です。

たとえば期日まで待てば問題なく入金が見込まれる正常な売掛金が、ファクタリングの主な対象となります。

これに対し「サービサーへの債権譲渡」では、すでに何かしらのトラブルが生じている債権の回収が主目的です。

つまり、期日が到来しているにも関わらず支払いを得られない不良債権を処理するイメージとなります。

このように目的が大きく異なるため、債権の状況によりどちらを選ぶべきかは比較的はっきりしているのです。

【代金の受取】ファクタリングは債権から手数料等を引いた金額、債権譲渡は回収成功額から手数料等を引いた金額

ファクタリングの場合、債権から手数料等を差し引いた金額を受け取ることになります。

そのためファクタリング契約時に、いくらを受け取れるのかが確定するわけです。

これに対して、(回収目的の)債権譲渡では契約時点ではいくらを受け取れるのかがわかりません

仮に完全に回収に失敗すれば1円も受け取れないばかりか、逆に手数料分だけ持ち出しになってしまいます。

未回収の売掛金を処理(損切り)する意義はある

未回収の売掛金は財務に悪影響がありますし、いつまでも放置しているわけにもいきません。

汚点となる不良債権化した売掛金は、バランスシートからできるだけ早期に消し去るのがベターです。

仮に未回収に終わるとしても、債権譲渡等で不良債権を切り離す意義は十分にあると言えます。

※なお貸倒損失処理については会計上の基準に沿って行う必要がありますし、損金算入のタイミング等も考慮する必要があります。担当の税理士等の専門家にしっかりと相談するようにしてください。

【手続き】ファクタリングは比較的お手軽、債権譲渡は深刻

ファクタリングは正常債権を譲り渡すだけなので、基本的に売掛先に負担を強いることは、ほとんどありません。

3社間ファクタリングでは相手先の同意が必要ですが、従来どおりの取引維持は可能です。

これに対して債権譲渡ですと、サービサーによる訴訟などの強硬手段も辞さないような売掛先への督促が避けられません。

サービサーに依頼した時点で、売掛先との関係は事実上破綻してしまうわけです。

いきなりサービサーに依頼するのではなく、「○月○日までに入金無き場合は、サービサーに債権譲渡します」といった事前通告や交渉はするべきでしょう。

ファクタリングにおける債権譲渡登記とは?

債権譲渡登記というのは、債権を譲り受けた側が債権の権利を主張できるようにするための法制度の1つです。

法務局で債権譲渡登記することでファクタリング会社に債権が譲渡されたことが公的に明らかにされるなど効果(公示)があります。

ファクタリング会社にとっての具体的なメリットは主に次の2つです。

こちらでは上記の「ファクタリング会社の債権譲渡登記のメリット」について解説します。

二重譲渡の防止になる

債権譲渡登記により公的に譲渡が行われた事実を証明してもらうことで、二重譲渡を防ぐ狙いがあります。

二重譲渡とは

  • 複数の相手方に債権を譲渡してしまうこと

二重譲渡がまかり通ってしまうと、2重どころか3重4重と無限に譲渡を繰り返せてしまいます。

ファクタリング会社は、そんな状態ではリスクが高すぎて債権買取などできません。

一度登記さえしてしまえば、その後の二重譲渡は難しくなります(登記を確認されれば二重譲渡は確実にバレるため)。

このように債権譲渡登記は、ファクタリング会社にとって理想的なリスク抑制策となるわけなのです。

債務不履行に伴う差押時の法的根拠になる

債権譲渡登記があることで、万が一裁判になった時に、ファクタリング会社が損害賠償請求などの法的根拠を明示しやすくなります。

売掛先が債務不履行に陥ったときには基本的に裁判所へ損害賠償請求の訴えをすることになりますが、債権譲渡登記はその際に強力な法的資料として機能してくれるのです。 

ファクタリング利用側は債権を売却したら終わりですが、ファクタリング会社側は万が一の債務不履行で回収不能になると丸々損失を背負います。

つまり、ファクタリング契約後の債権回収リスクは、ファクタリング会社が全面的に負うということです。

ファクタリング会社は、なんとしても買い取った売掛債権を回収する必要があり、債権回収リスクを低減したいと考えるのです。

ファクタリングで債権譲渡登記は必須なのか?

結論から言うと、ファクタリングにおける債権譲渡登記は義務ではありません。

ファクタリング会社がリスクを抑える目的で行う手続きであって、債権譲渡登記がなければ違法などということもありません。

ただし、以下の理由から「債権譲渡登記なし」は必ずしも利用者にメリットとは言えないことに注意が必要です。

  • 債権譲渡登記なしだとファクタリング会社のリスクが高くなり、リスク分が手数料に上乗せされてしまう
  • リスクが上乗せされる分、審査が厳しくなるのは避けられない
  • 詐欺的な悪質ファクタリング業者である可能性が高まる

債権譲渡登記に伴う登記費用や金融機関のローン審査への悪影響なども考慮する必要はあります。

しかし債権譲渡登記を無理に回避すると、デメリットも大きくなってしまうことに留意しなければなりません。

【注意】債権譲渡禁止特約が有効だとファクタリングができない

大手取引先ほど、売掛債権に「債権譲渡禁止特約」を設定しているケースが多い傾向があります。

債権譲渡が禁止されているため、売掛債権譲渡が前提のファクタリングは利用不可となるので注意が必要です。

ファクタリングを実際に申込する前に、売掛先と交わした契約書などを精査してください。

なお平成29年6月2日交付、令和2年4月1日施行の民法改正により、債権譲渡禁止特約の取り扱いが変化。

※参照:法務省「民法の一部を改正する法律(債権法改正)について

明治29年(1896年)以来、およそ120年ぶりという改正で、ファクタリングにも影響を及ぼすものと推測されます。

詳細の解説は省略しますが、簡単にまとめるなら

  • 「債権譲渡禁止特約が設定されていても、民法改正後はファクタリング可能になる余地が生じる」

ということになります。

民法改正後にファクタリングの実務がどのように変化するかは、蓋を開けてみなければわからないというのが正直なところです。

ただしファクタリング利用側に有利となる可能性があるので、今後のゆくえには要注目です。

まとめ

こちらではファクタリングと債権譲渡について解説しました。

最後にもう一度、大切なポイントを振り返ります。

ポイント

  • 債権譲渡とは「債権(お金を受け取る権利)」を「譲渡(他人にゆずり渡す)」こと
  • ファクタリングの目的は「期日前の資金調達」、債権譲渡は「期日経過後の債権回収」
  • ファクタリングは債権から手数料等を引いた金額、債権譲渡は回収成功額から手数料等を引いた金額を受取
  • 債権譲渡は売掛先との関係破綻がまず避けられないのに対し、ファクタリングは正常な取引継続も可能
  • ファクタリングにおける債権譲渡登記は義務ではないが、無理に避けても良いことは無い

これらのことを理解していただくことで、ファクタリングと債務譲渡の違いを正しく把握できるようになったことでしょう。

どちらも似ている部分がありながら、もたらす結果には大きな違いが生じます。

記事を参考に、適切な手段を確実に選択するためのヒントを掴んでください。

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