コラム

2021/02/03

【ハッカソン開催】在宅勤務マネジメントの課題を解決せよ!グループ横断でハッカソンを開催

【ハッカソン開催】在宅勤務マネジメントの課題を解決せよ!グループ横断でハッカソンを開催

2020年12月7日(月)、エイチームグループ横断で在宅勤務でのマネジメントやコミュニケーションの課題を解決するツールを発案する「ハッカソン」の審査会を開催しました。エイチームでは2020年4月より全社員原則在宅勤務へ移行しており、数多くの社員が在宅勤務を継続しています。在宅勤務を導入して約1年弱、在宅勤務におけるマネジメントやコミュニケーションに課題意識を持つマネジメント層も少なくありません。そこで、これらの課題を解決するツールを発案する「ハッカソン」を開催することになりました。ハッカソンは、組織や職種を混合して7チームを結成、総勢37名のエンジニアやデザイナー、マネージャーが参加。新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、審査会はオンラインで実施しました。

ハッカソンの開催背景と目的

エイチームの在宅勤務について

エイチームでは、2020年4月より全社員原則在宅勤務を開始し、2021年7月末まで継続予定です。2020年8月に、22期の全社目標として「新しいエイチームの働き方をつくる」を掲げ、エイチームの文化や価値観を継承しながらも、ニューノーマルの時代に向けた新たな働き方の実現を目指しています。社員同士の物理的な距離が離れていても、業務や事業運営を円滑に進められるよう、社員一人ひとりが高い当事者意識を持ちながら工夫を凝らしています。

開催の背景と目的

在宅勤務を実施して約1年弱が経過し、リモートでのコミュニケーションやマネジメントに関する課題が浮上しました。在宅勤務によって対面でのコミュニケーションや雑談が減少することで社員同士の交流が希薄化する懸念があること、部下の普段の業務を把握しづらくなることで適切なマネジメントが難しいといった課題です。

そこで、これらの課題を解決するために、エイチームグループ横断で「ハッカソン」を開催することになりました。在宅勤務によって減少したコミュニケーションを増やすこと、マネジメントの課題を解決することが目的です。また、エンジニアやデザイナー、マネージャーなど様々な職種や役職が混合でチームを結成しますので、組織間の垣根を越えたコミュニケーションを期待します。さらに、「ハッカソン」などの経験を通して、社員の自己研鑽の場になればと考えました。

ハッカソンの開催概要

制作期間:2020年11月9日(月)~2020年12月4日(金)の4週間
審査会:2020年12月7日(月) 16:00~19:00
参加者:エンジニア・デザイナー・マネージャー混合で7チーム、総勢37名

ハッカソンとは
ハッカソンとは、ハック(Hack)とマラソン(Marathon)を掛け合わせた造語です。エンジニアやデザイナーなどが集まってチームを作り、特定のテーマに対してそれぞれが意見やアイデアを出し合います。決められた期間内でアプリケーションやサービスを開発し、その成果を競い合うイベントです。

「ハッカソン」審査会がいよいよスタート!

役員による開会のあいさつ

ハッカソンの審査会は、役員のあいさつから始まりました。

11月から始まったこの「ハッカソン」を楽しめたでしょうか。
開催直前に全社に告知された企画でしたが、7チーム・37名が参加し、4週間という短い期間で企画・開発してくれました。たくさんの人が興味をもって、真剣に取り組んで、盛り上げてくれました。こうした「何ごとにも本気で取り組みわくわくする文化」を今後も大切にしていきたいですね。特に今回のハッカソンは入社1~3年目の新卒社員が意欲的に取り組んでくれました。若手中心に今後も盛り上げていきましょう。そして、ハッカソンが終わったときに、みんなが笑顔で楽しかったと振り返ることができたらと思います。エイチームの新しいコミュニケーションの形として「ハッカソン」が根付いていけるといいですね。

今日は審査会ですが、みんなで楽しみましょう。

プレゼンテーション開始!

いよいよ参加チームのプレゼンテーションが始まります。参加チームは7チーム。在宅勤務で減少したコミュニケーションを再び活性化させるコミュニケーションツールや1on1マネジメントツール、お互いの情報共有を活性化させる日報ツールなどが発表されました。

発表者の他にも、役員や事業部長、エンジニアやデザイナー職のスペシャリストなどが審査員として参加。ハッカソンの審査会は他の社員も自由に見学が可能で、最大で100名超の社員が視聴しました。

プレゼンテーションを真剣に聞く他の発表者や審査員

プレゼンでは、デザインやエンジニアリングでの工夫したことも発表

「ハッカソン」結果発表!

3位 仮想空間チャットサービス「AVATAR(アバター)」

<サービスの概要>
アバターを使った仮想空間でチャットすることで会話のきっかけをつくり、雑談・相談を促すサービス。

在宅勤務では社員同士の気軽なコミュニケーションが減少する。「AVATAR」は「気軽な相談がしづらい」「雑談が生まれない」といった課題を解決する。アバターを使った仮想空間チャットサービスで、リアルタイムで社員同士がフラットな交流を図ることが可能。具体的には、仮想空間上の一定範囲内のユーザーに対してチャットを送信したり、自分のコンディションや会話ステータスを選択・表示することができる。仮想空間で他のユーザーの状態を即座に確認することができ、気軽なチャットによって会話の「きっかけ」を作る。

このサービスでコミュニケーションが完結するものではなく、「きっかけ」を提供する。その後の密なコミュニケーションはテレビ会話ツールなどに誘導するという利用方法。一般的なチャットと違う点は、アイコンの移動や会話がリアルタイムで処理される点、「部屋」という概念をなくしリアルに近づけた点。

審査会で公開したデモ画面。仮想空間で気軽なコミュニケーションが可能。

<デザイン面での工夫>
「AVATAR」のサービス名称は、「Ateam」×「井戸端会議」×「AR」を掛け合わせている。由来である「井戸端会議」を促せることができるように、画面内のどこでてもコミュニケーションが取れるように設計。テキストボックスなどのツール類を画面の端に寄せ、画面のほとんどをコミュニケーションが取れるエリアにすることで、発言しやすい・雑談しやすいデザインにした。AVATARのロゴデザインは、DNAの二重螺旋構造をイメージして、「A」と「V」を重ねて表現している。

<システム面での工夫>
なるべく現実空間の動きに近づけることにこだわった。現実空間と仮想空間の大きな違いは「レスポンスの遅延」であるため、すべての処理を同期(リアルタイム)にすることが重要だった。そのために、画面の再描画の頻度調整、同期する際の単位粒度調整、同期に耐えうるバックエンド側の設計やツール選定などの工夫を凝らした。

特別賞 バーチャルオフィス空間「VAY(ベイ)」

<サービスの概要>
リアルに近しいコミュニケーション体験が可能なバーチャルオフィス空間を提供するサービス。

オフィスに出社し勤務する働き方は、一緒に働く空間を共有することができ、無意識に受動的かつ自然発生的な交流が可能だった。在宅勤務の拡大により、偶発的なコミュニケーションが減り、自然発生的な交流が個々人の「能動的な行動」や「意識」に頼らざるを得なくなった。「VAY」はこうしたコミュニケーションの課題を解決する。「VAY」は出社せずとも、オフィスで勤務するようなリアルに近しいコミュニケーション体験の実現ができるバーチャルオフィスを提供。

バーチャルオフィスでは、実際のオフィスの風景を表現し、「自席」という概念を取り入れた。「在席中」「離席中」「取込中」などのステータスを用意し、一緒に働く仲間の状態をリアルタイムで把握することができる。またバーチャルオフィス内で自身のアイコンが自由に動くこともでき、身近な人に気軽に映像やチャットなどで気軽に声をかけることができる。

「VAY」を使うことで、リアルタイムで仕事をしている仲間の状況や様子を感じることができるようになるため、社員同士がリアルタイムで業務の連携を図ることができ、コミュニケーションが活性化されることで新たなアイデアを生み出すきっかけをつくることができる。偶発的なコミュニケーションおよび自然発生的な交流の活発化が期待できる。

ログインページ

審査会当日のデモ画面。バーチャルオフィス空間。

<デザイン面での工夫>
「VAY」は、「Virtual」×「Ateam」×「YY(わいわい)」の頭文字をとった。ベトナム語で「再会する」「絶えず動く」という意味で、仲間と共にいるさま、仲間の元に駆け寄る様などを表現している。UXデザインにおいて、空間の連続性と「自席」の概念を取り入れることで偶発的なコミュニケーションのきっかけづくりを目指した。リアルに近いコミュニケーション体験を実現するうえで、現在自社で導入している「Zoom」や「Discord」などのコミュニケーションツールの「入室」というハードルを取り払う工夫をした。ユーザー間の空間断絶を無くし、近づくと声が届き、離れると聞こえなくなるというような「距離」という概念を取り入れた。

<システム面での工夫>
通常開発でReactを利用することが多いため、アプリケーションはNext.jsを採用。コア機能である音声通話はSkywayを採用することで短い開発期間をカバーした。インフラはFirebaseをフル活用。リアルに近いコミュニケーション体験の実現を目指し、社員状況を同期的かつリアルタイム表現するためにCloud Firestoreを利用した。

優勝 偶然の出会いを加速させる1on1活性化ツール「KIKKAKE(きっかけ)」

<サービスの概要>
偶然の出会いを加速させる1on1活性化ツールで、面談希望者同士を自動でマッチングし、1on1をサポートする。

「KIKKAKE」は1on1コミュニケーションをサポートするツール。まだ話したことがない人とのつながりをつくるきっかけに特化している。面談頻度と関連テーマを登録しておくだけで、「KIKKAKE」がマッチング処理を行い、適した相手との1on1を自動的に予定登録する。1on1の公開メモ・非公開メモを残すこともでき、1on1で話したことを周りに伝えたり、自分だけのメモを見返して振り返りに役立てたりすることが可能。

ユーザーの関心が高いキーワードを事前に登録することでマッチングを行う。他にも面談に頻度も登録する。

面談の予定を管理する画面

<デザイン面での工夫>
ツールを使うこと自体は目的ではないので、UIはあくまで「普通」「特に何も感じない」ことをテーマにした。画面の左側に1on1の項目(キーワードと頻度)、右側に詳細な記録や今後の予定などの必要な情報を一覧化した。すぐに覚えられるような構成に工夫した。ハッカソンで開発したツールだが、今後も開発を継続する想定で簡易的なデザインシステムまでを構築。流行のダークテーマに対応。

<システム面での工夫>
実運用を見越して拡張性、保守性を考慮してシステムを設計。フロントはNext.js、バックエンドはRails API、インフラはECS Fargate + Github Actionsで構成し、それぞれ並列で開発することで、短い期間で高品質なプロダクトに仕上げることを目指した。開発期間中は、Github IssueやPull Request、Discordを駆使して非同期にコミュニケーションを取った。

役員による総評と閉会

約4週間にわたる開発と審査会を終えて、ハッカソンは幕を下ろしました。在宅勤務におけるコミュニケーションやマネジメントの課題を解決する7つのツールが発案され、いずれも素晴らしいものでした。今後は受賞したツールを社内で本格導入するかの検討が始まります。

審査会の最後に、代表取締役社長の林より総評がありました。通常業務がある中で、クオリティの高いツールを作ってくれたこと、参加する一人ひとりが妥協せず全力でやり切ったこと、会社をより良くしていきたいというみなさんの気持ちを知り、感謝の気持ちでいっぱいであると伝えました。そして、企画力や技術力、いずれも高水準であることを再認識し、今のエイチームを支えてくれていること、今後もみんなで頑張っていこうとエールを送り、審査会は閉会しました。

今後も、エイチームの文化や価値観を継承しながらも、社員のパフォーマンスやモチベーションを高め、イキイキと楽しく働ける環境や制度をつくり取り組んでまいります。そして、ニューノーマルの時代に向けた新しい働き方の実現を目指してまいります。

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