コラム
2020/10/21
【社員インタビュー】“Webのプロフェッショナル”とは?Web業界一筋でキャリアを積んできたエイチームブライズの部長に聞く

エイチーム入社前からWeb制作会社の経営や事業会社のWeb部門責任者など、Web領域で幅広い経験を積んできたHさん。ご自身の経験をもとに、Webのプロフェッショナルに求められること、今後のあり方などについて語ってもらいました。
エイチームブライズ 事業運営本部 マーケティング部 部長 R.H.さん
大学ではグラフィックデザインを専攻するものの、独学でコーディングを学びWeb業界へ就職。独立を経て、制作会社でのWebチーム立ち上げや事業会社でのWeb部門のマネジメントなど幅広い業務を経験。エイチームブライズへ入社後、現在はマーケティング部の部長を務める。
全くの素人からWebのプロへ
始まりは独学で始めたコーディング
就職難だったこともあり、大学卒業後はしばらくフリーターをやっていました。グラフィックデザイナーとしての就活を続けていましたが、なかなか良い企業が見つかりませんでした。
当時はWeb制作会社が増えていたこともあり、もともとWebには興味がありませんでしたが、早く就職を決めたいと思い、3ヵ月間独学でコーディングを習得。努力の甲斐あって、無事にWeb制作会社に就職できました。それが、Webの世界に入ったキッカケです。
スキルを高めるための独立と転職
その後、自分の力で勝負したいと思って独立しました。Web制作会社を3年ほど経営したんですが、改めて将来を考えたとき、より幅広く高度なスキルや知識を身につける必要性を感じたんです。そこで、思い切って企業への再就職を決意しました。経営していた会社は解散してしまいました。
入社した制作会社はそれまでグラフィック広告を中心に扱っており、これからWeb部門を立ち上げようとしているときでした。その立ち上げメンバーとして、媒体制作からプロモーションまでWeb全般を担当しました。
着々とWebのスキルを伸ばしていくなか、今度は「事業会社で技術力を発揮したい」という欲が出てきて、美容関連企業へ転職したんです。その会社もちょうどWebを内製化するタイミングでした。そこでは、内製化に向けたプロジェクト全般を担当。チームビルディングからマネジメント、マーケティングまで様々な業務を担当することができました。
様々な経験をして広がった自分の幅
どんどん新しいことに挑みたい性格のようです。おかげで様々な事業形態の会社で働いたり、自分で会社を経営したりと、幅広い経験を積むことができました。その分、自分の知識やノウハウの幅も広がり、様々な視点を身につけることができたように思います。
例えば、売上のつくり方一つとっても会社によって違うことを学びました。お金については、自分で会社を経営した経験があるためシビアな考え方が身につきましたね。
エイチーム入社後はこれまでの経験を存分に発揮
経験を活かそうとエイチームブライズに入社
エイチームブライズにはマネージャー候補として入社しました。入社当時は、主に結婚式場情報サイト「ハナユメ」のサービス改善を担当。
実は、入社して間もなくは明確なミッションや実務はなく、日々、自ら課題を見つけて社内に企画提案を行っていました。LPOが得意だったので、その知識を活かして改善を進めるなど、自分の培った経験や知識を活かせたように思います。
数ヵ月後にマネージャーになってからは、チームマネジメントと制作管理を担当しました。
「会社を変えてくれた」と評価され部内MVPに
エイチームには「Ateam AWARD」という表彰制度があります。1年間という期間において、成果を上げた人やエイチームが大切にする価値観“Ateam People”を体現した人などが表彰される制度です。
各子会社や事業部門から1名ずつMVPが選出されるんですが、エイチームブライズのMVPに自分が選ばれたんです。選出のポイントは「今までのエイチームブライズを変えてくれた」とのことでした。お伝えした通り、自分はお金に対してシビアな考え方を持っています。おそらく、他の社員よりも「売上、利益」と口にしていたと思うんですね。他の人は、どちらかと言うと「やりがい」を重視する人が多いような気がします。
「やりがい」も大切ですけど、それ以上に「稼ぐことの楽しさ」を繰り返し伝えるようにしていました。それが「エイチームブライズを変えてくれた」という評価につながったんだと思います。
売上をつくるために必要な仮説思考
「お金にシビア」でいえば、社内のデザイナーに対して仮説思考の重要性を説いたこともその一環かもしれません。自分もデザインを学んでいたので理解できるんですけど、デザイナーは「良いものをつくりたい」と考える傾向が強いです。
その一方で、ユーザーマインドへの理解に乏しい人が少なくないようにも感じました。仮説思考とは、仮説を立てたうえでトライアンドエラーを繰り返して、良いものをつくろうという考え方。
例えば、缶コーヒー。缶の色が黒か金かでもユーザーの感覚は違いますよね。また、自動販売機が置いてある場所でも変わってくる。仮に自動販売機が老人ホームに置いてあるとします。リサーチの結果、女性の高齢者が薄いピンクが好きだとわかったら、缶の色を薄いピンクにしてみる。
そうやって仮説を立てながら改善を繰り返していかないと良いものはつくれないと思うんです。「今は赤がトレンドだから」「近頃、こんなデザインが流行っている」ということではないんですよね。自分たちの先には誰がいるのか。そこをしっかり考えるべきです。それさえできていれば、売上はつくれると考えています。
Webのプロを目指して、日々取り組んでいること
大切なのは“前のめり”の意識
Webの世界は、とにかく変化のスピードが早いです。常に“前のめり”の意識を持つことが大切でしょうね。日常で業務にあたる際も、あらかじめ工数計算をして、自分がこれまでに培ったものやそれに要した時間を切り崩していくようなスタンスではダメだと思うんです。
例えば、それが3時間かかるとしても40分で終わらせるような“前のめり”の意識です。時間をかけて良いものをつくるというより、思考を巡らせて、それを瞬発的に形にすることが大切だと思います。そうしたことを繰り返すこと、かつ、それを楽しめるような意識や姿勢が大切だと思っています。
毎年かならず1年の目標を立てる
毎年、年始に目標を立てるんです。自分ができないことを明確にして、一年かけて挑戦するようにしています。ちなみに、今年は経営や組織戦略について学ぼうと決めました。現場視点の意見だけではなく、経営の視点から意見を言えるようになりたいと考えたんです。
目標達成のために本を読もうと思ったのですが、実はあんまり読書が好きじゃないんですよね(笑)。なので、興味がある本があったら、それを読んでいそうな人に「読んだ?」と聞いて、もし読んでいたらその人に本の内容を話してもらうようにしています。
年始に立てた目標はまだまだ到達できていないと思いますが、マネジメントの質が変わってきたように感じます。以前よりもメンバーたちの声を聞き入れられるようになりましたね。
敢えて苦手なものに触れて経験値UP
個人的にはWebのプロフェッショナルというより、マーケターでありたいという想いが強いです。マーケターとして自分の経験値を上げるために、敢えて苦手な分野に触れるようにしています。
例えばですが、興味の分野をあえて広げるために、最近では萌えアニメをよく観ていますね。全く興味はないんですけど(笑)、触れてみないとわからないですから。
また、そこまで仲が良いわけではない人とも敢えて食事をすることもあります。普段は接点が少ないからこそ必ず発見があって、自分の固定観念が崩れていく瞬間があるんです。結構、楽しい時間が過ごせますよ。
これから、Webのプロフェッショナルはどうあるべきか
今、求められるプロフェッショナルの役割
今はコロナの影響で、すぐに動けない、すぐに出かけられないような状況にあります。その分、事前に調べる時間が増えていると思います。
以前よりも、ユーザーとWeb媒体の距離は縮まっているのではないでしょうか。そこで重要になるのが、情報の深さ。Webのプロフェッショナルとして、事業会社として情報を提供する我々の役割は、一段と大きくなっていると言えます。
活躍のカギになるのは右脳的なスキル
テクノロジーの進化に伴い、Webのプロフェッショナルのあり方も変化していくでしょう。デジタルマーケティングがさらに進化すると、マーケターがいらない時代が訪れるかもしれません。
これからは仮説思考でユーザーマインドを捉えて、自分のアイデアを軸に証明していけるようなスキルが求められると思います。左脳でデータと向き合うだけではなく、右脳でユーザーの心も掴む。そんな人が活躍する時代になっていくような気がします。
常に「挑戦者」で在り続ける
これまでWeb業界一筋でキャリアを積んできました。でも、自分のことをプロフェッショナルとは思っていないんです。「他の人よりはWebに詳しい人」くらいのレベルでしょうか。
そんなふうに自覚しているので、常に“前のめり”になれるし、挑戦を続けられるんだと思います。同じように、いつまでも自分をプロだと思わないような人と働きたいですね。その人は「挑戦者」に違いありませんから。