コラム

2020/07/07

【対談取材】怒涛の1週間!1,000名を超える社員を在宅勤務に移行した舞台裏

【対談取材】怒涛の1週間!1,000名を超える社員を在宅勤務に移行した舞台裏

エイチームは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、2020年2月下旬より段階的に在宅勤務を推進し、4月6日(月)より原則全社員在宅勤務へと切り替えました。名古屋本社をはじめ、東京オフィス、大阪オフィス、福岡オフィスなど全国で働く1,000名超の社員の在宅勤務における環境整備と移行を1週間で実現しました。今回は、在宅勤務を遂行した管理部IT戦略グループのT.S.さんと、管理部総務グループのN.O.さんに当時の様子や気持ちを座談会形式で話してもらいました。
※本取材は、新型コロナウイルス感染拡大防止のためオンラインで実施しています。

T.S.さん エイチーム 管理部 IT戦略グループ

2006年12月、エイチームへ中途入社。携帯電話向けコンテンツの開発や、ソーシャルゲームやスマホ向けゲームの企画・開発、新規事業の立ち上げに至るまで様々な業務を担当。現在は管理部のIT戦略グループに所属し、社内インフラの管理・運用・構築などに携わる。

N.O.さん エイチーム 管理部 総務グループ

2016年6月、エイチームへ中途入社。管理部総務グループに所属し、オフィス移転やレイアウト変更、設備・備品の管理などのオフィスファシリティの運営・改善等を行う。他にも、社員証導入や社内規程・ルールの整備や見直しなどを担当。

エイチームのコロナ対策の一連の流れ

2月
12日
事業上のイベント等の中止を決定
17日
グループのコロナ対策方針を全社にアナウンス(毎週月曜日に行われる全社員が集まる)全体ミーティングの中止、コアタイムの変更、時差出勤、在宅勤務適用拡大、10名以上での密室会議の自粛、不要不急の出張等の自粛、中国への業務出張禁止、有給取得の推奨
18日
採用面接(新卒・中途)をすべてオンライン化
28日
希望者全員に対し在宅勤務を許可
3月
2日
2020年新入社員57名の研修全オンライン化を決定
12日
2020年入社式の延期を決定
30日
6月末まで全社原則在宅勤務へ完全移行を宣言(4月6日予定)
4月
2日
配送資材購入、PCの配送手配を開始
3日
在宅環境整備によるネットワーク負荷が増大し、コアサーバが危機的状況になり、リプレースを決定
5日
休日深夜にネットワークの切り替え作業を実施
6日
完全在宅勤務対応完了
5月
1日
全社員へ在宅勤務に関するアンケートを実施
28日
8月末まで原則在宅勤務の延長を決定

急きょ決まった原則全社員在宅勤務、準備期間はわずか1週間!

Q:原則全社員在宅勤務が決定されるまで、コーポレート部門はどのような取り組みを行っていたんですか?

T.S.:
まず、IT戦略グループでは少しずつ在宅勤務への対応を進めていました。すでに、2017年10月に導入した「ファミリーサポート制度」を利用して在宅勤務をする社員を対象に、自宅での勤務環境の整備は進めていました。

さらに、2020年夏に開催予定だった東京オリンピックを見据え、関東エリアに勤める社員を在宅勤務へ移行する検討を2019年の春ごろより進めていました。そのため、VPN/VDIといった在宅勤務における環境の検証やシステムのリプレース、セキュリティーツールの切り替えやオンラインMTGツールの検証など、様々な対応にすでに着手していました。

ただ、これらの検討は関東エリアで働く約150名の社員を対象としていたため、全社員在宅勤務は想定していませんでした。

全社員在宅勤務への移行が決定してからは、VPN/VDI設定の拡大、データセンターのメインルーター機器の交換や検証端末用VPNの新規設定など、インフラ環境を整備しました。また、セキュリティーの面では、在宅勤務で利用されるPCのセキュリティーや資産管理ソフトインストールの状況のチェックを実施し、緊急対応であってもセキュリティーが担保される状態にしました。

N.O.:
働く社員の安全と健康を第一に、安心して働けるオフィス環境を整備するため、総務グループでは2月くらいから段階的に様々な取り組みをはじめました。消毒用アルコールやマスク、体温計を全国の各拠点に手配・配布。各拠点の入居ビル側との調整では、郵便や宅配便、オフィス、喫煙ルームの清掃、プリンター補修、自販機、給茶機、置き菓子、社食の運営など、様々な関連業者とあらゆる調整・管理を行っていきました。まずはオフィスを健全に機能させることを第一優先に考えていました。

原則在宅勤務が決まった3月末からは、社員のPCを自宅に配送する作業がはじまりました。その他には、中止していた全体ミーティングをウェビナー形式で再開したり、4月の新入社員の受け入れ準備や対応も行いました。思い出してみると思っていた以上にいろんなことをやっていたんですね(笑)

「事業を止めない」という使命感、困難を乗り越えたその先を想像するとわくわくする

Q:3月30日(月)にグループ経営会議で原則全社員在宅勤務が決定、予定日までわずか1週間。どのように在宅勤務移行を進めたんですか?

N.O.:
グループ経営会議を終え、管理部長から「来週月曜日(4月6日)から原則全社員在宅勤務が決定した」と聞かされた時は正直焦りました。コロナによる社会的な緊張感が高まっていたので、ある程度の想像はしていたものの、準備期間が5営業日しかない…そこから怒涛の在宅勤務移行がはじまりました。てんやわんやで3月・4月の記憶がやや曖昧です(笑)

T.S.:
とにかく、やるべきことを粛々と対応していくしかない、そう思いました。在宅勤務の環境構築は、東京オリンピックの開催に備えて準備を進めていたこと、2月から段階的に在宅勤務率が増えていたので、全社員在宅勤務が決定してから焦るということはありませんでしたが、怒涛の一週間でした。VPN/VDIなどインフラの整備を進め、セキュリティーの強化も継続して行いました。また、スピード感を意識しながらもルールや運用方針の整備、手作業で行っていた業務の仕組化・自動化なども進めていきました。私もOさんと同様、当時は必死だったのでその頃の記憶が少し曖昧です…(笑)

N.O.:
IT戦略グループや総務グループなどのコーポレート部門のみなさんは、「どうにかこの危機的な状況を乗り越えなきゃ」という想いを強く持っていたように感じます。「どのように進めていくのか」「いま自分たちがやるべきことはなにか」「その時考えうるベストの方法で最速で対応するには」と、それぞれがお互いの役割を自覚し、お互い声を掛け合いながら取り掛かっていたような気がします。しかも、通常業務も並行して進めていくので、とにかく激務でした。毎日ドキドキしながら、祈るような気持ちでこの危機を乗り越えなければと思っていました。

T.S.:
その時は、「事業を止めない」という想いだけです。自宅でも問題なく業務を遂行できる環境を整えなければ、事業活動がストップしてしまうかも知れない。エイチームは様々なサービスを運営し、多くのユーザーに利用していただいています。それらサービスを支えるのは働く社員たちです。どのようにしたら社員みんなの生産性を維持しながら、事業活動を継続させられるのか。その考え一筋でした。

とても大変でした。期限が迫る対応に緊張感とプレッシャーはありました。ただそれ以上に、「全社員在宅勤務を実現させる」というミッションをクリアして、社員たちが何事もなく自宅で仕事ができて、事業活動が問題なく継続している未来を想像したらとてもわくわくしてきたんです。

緊急時の社内コミュニケーションはスピーディ×シンプルに

Q:社内のコミュニケーションで意識したことは何ですか?

T.S.:
毎日のように新しい情報がアップデートされるため、情報を受け取る社員が混乱しないように伝達方法は工夫しました。見落としてはいけない重要な連絡事項は、「業務連絡サイト」というミニポータルサイトのようなものを作り、そこへ集約しました。また、在宅勤務に不慣れな社員のために、在宅勤務の規定やルールなどを定めた「在宅勤務ガイドブック」を策定しました。必要な情報を、スピーディに社員へ届けることを意識しました。

N.O.:
コーポレート部門間の連携も「あ・うん」の呼吸でしたよね。総務やシステム部門、人事が密にコミュニケーションを取りながら、タスクとスケジュールを共有し合い進めていきました。

システムリプレースを深夜に対応!大量のダンボールをホームセンターにレンタカーで買い出し。ドタバタの1週間

Q:当時を振り返り、何が一番大変でしたか?

T.S.:
在宅勤務率が上がったことでネットワークの負荷が増大したこと、完全在宅勤務予定日である4月6日以降は約1,000名以上の社員によるアクセスが集中することへの備えから、システムのリプレースが必要になりました。データセンターのメインルーター機器代替機の機器交換の対応は大変でしたね。本来であればしっかり検証の期間を設けて2~3ヵ月かけて行うところ、機器交換を決めたのが4月2日で、実際の作業が4月5日の深夜でした。

交換機器の検討やベンダーとの交渉、その他にも重要な判断を迫られる場面がいくつもありました。時には、社長や経営陣のみなさんにも急きょ決裁をもらう、そんな場面もありました。さらに、元IT戦略グループで今は事業部に転籍したインフラ設計に強いエンジニアにも協力してもらい、機器交換と深夜のリプレース作業を行いました。

N.O.:
IT戦略グループのみなさんの様子を見守っていましたが、本当に大変そうでした。先ほどSさんがお話した通り私たちコーポレート部門の今回の最大ミッションは事業を止めず在宅勤務へ移行すること。社員が通常通り業務遂行できる環境をつくること。IT企業にとって通信インフラは事業活動の生命線なので、無事作業を終えた時は本当に安心しました。

T.S.:
ハラハラしましたけどね(笑)「もし失敗したら…」と考えたくはありませんが、もしものことも考えて、他の対応策もいくつか検討していました。事業を止めないためにも、あらゆる手を尽くして、やれる方法を考えていきましたね。総務グループの思い出深い大変なエピソードは?

N.O.:
ダンボール事件ですね(笑)
全社員在宅勤務が決定して最も懸念したのが、社員のPCを自宅への配送するオペレーションです。ノートPCを利用している社員はそのまま持って帰ることができますが、デスクトップPCを使う社員も結構多く。特に、エンターテインメント事業はゲーム開発のため、ハイスペックなデスクトップPCを使う比率が高く、ディスプレイも2つや3つ利用する人もいるので、配送用のダンボールを確保できるかどうかが不安でした。必要な数を棚卸したところ、なんと700枚ものダンボールが必要だと判明したんですよ。

インターネットで業者に問い合わせても在庫が全くたりない。総務グループ内で相談した結果、直接ホームセンターに買いに行くしかない!と決まりまして。急きょレンタカーを手配して、早朝に買いに行きました。

T.S.:
そうそう! IT戦略グループのマネージャーがレンタカーの運転手を務めたんですよね(笑)

N.O.:
本当に助かりました!近くのホームセンターまで行って、店員さんに「あるだけのダンボールを全部ください!」と言って買い占めて。ダンボールを社員食堂に運ぶと、まるで資材置き場みたいで…(笑)結局のところダンボールが足りなくて、もう1度買いに行きました。

配送業者との調整もちょっと大変でした。一度に約300台のPCを送らなきゃいけないので、配送センターの方々に協力してもらって、対応していただけたんです。

ダンボールをホームセンターに買い出しに行った時の様子

社員食堂「LaPyuta」に積み上げられた大量のダンボール

コーポレート部門はエイチームの動力源として、事業の成長を支える存在

Q:今回の対応にあたって、エイチームらしさを失わないために工夫したことは?

N.O.:
最も意識したことは「自宅での仕事が止まらないこと」です。在宅勤務が初めての社員も多かったはずです。オフィスと同等レベルの業務環境の整備は正直難しいところもあります。そのため、事業を止めないためにも「社員が自宅で問題なく業務を行える状態」を第一優先としました。PCの配送においても、2枚目・3枚目のディスプレイの配送はできるだけ時期をずらしてもらったりしました。

今回のようなケースは、物事の判断軸が難しいと思うんです。誰もが経験したことがないことで、何が正解なのかもわからない。時には判断が二転三転したこともありました。ですが、仕方ないと思うんです。やってみて初めて気づくこともあると思います。トライ&エラーを繰り返しながら、少しずつ前進するしかない、そう思いました。

T.S.:
自宅での仕事で社内環境にアクセスできないのは致命的です。なので、私もOさんと同じく「事業を止めない」その一言に尽きると思います。また、時間は有限なので、優先順位付けは徹底しました。早急に対応しないとダメなもの、優先順位を下げても社員の仕事には直接影響しないものなど。

IT戦略グループや総務グループが所属する管理部が掲げるミッションは「エイチームグループの動力源として、事業成長を押し上げる存在」であることです。圧倒的な当事者意識を持ち、社員が事業に専念できる環境をつくっていくことが使命だと思っています。

N.O.:
その役割を強く意識していたので、誰が言うまでもなく「事業を止めない」「社員が通常通り仕事を遂行できる環境をつくる」「そのためにできることをあらゆる手を尽くしてやっていく」それが自然体でできていたような気もします。

社員一人ひとりの高い当事者意識が在宅勤務移行を後押しした

Q:事業部の社員とのコミュニケーションで感じたエイチームらしさはありますか?

N.O.:
社員自身の当事者意識が高かったこととか、良い意味で「空気」を読んでくれたんだと思います。今回のように業務のオペレーションが大きく変化するときは、本来ならば社員からの問い合わせがコーポレート部門に集中してしまい、社内の問い合せ対応に忙殺されてしまう状況になりがちなんです。ですが、今回はそうしたことは起きなかったんですよね。社員のみなさんがコーポレート部門のひっ迫した状況や雰囲気を悟ってくれたようで、私たちは在宅勤務への移行業務に専念することができました。また、社員同士がお互いに情報共有をするなどして、自ら解決したり、できることは自身で対応したり、協力してくれました。

そして、コーポレート部門だけではリソース的に対応できないところは、事業部も手伝ってくれました。私たちだけで完結しようとせず、お互いを助け合いながら進めることができたのがエイチームらしいなと感じました。

T.S.:
今回対応を行ったコーポレート部門だけではく、社員一人ひとりが会社のビジョンや目標など、目指すべき方向をちゃんと理解していて、そのために私たちは何をやるべきなのかという役割を認識して、業務で体現できているからではないでしょうか。こうした危機的状況の中でも、お互い助け合いながら、感謝の気持ちを忘れずに、目標に向けて進めることができたのはエイチームならではなのではないでしょうか。

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会社・事業の成長を支える役割であるコーポレート部門の取り組みをご紹介しました。「事業を止めない」という強い使命感を持ち、無事に在宅勤務への移行を完了させることができました。これからも、社員がわくわく・いきいきと、長く安心して働ける職場環境づくりを目指してまいります。

採用に関する情報:新卒採用 中途採用

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