コラム
2020/05/12
【社員インタビュー】技術は手段でしかないのか?若手エンジニアが直面したエンジニアの責任と影響
今回のインタビューは、新卒1年目から持ち前の技術力を発揮して活躍するエンジニアのK.K.さんにお話を聞きました。中学生の頃からプログラミングの技術を磨き、とにかくモノづくりが大好きだったそうです。技術者としての「今」、その先の「将来」を語ります。
プロフィール:EC事業本部 エンジニア K.K.さん
ベトナムのホーチミン市出身。小学2年生の頃、来日して埼玉県に移住。中学時代にコンピュータに興味を持ち、中学卒業後は高等専門学校へ進学。情報工学を学ぶ。高専時代、技術にさらなる磨きをかけ、2019年にエイチームへ新卒入社。入社以来、EC事業本部に所属。持ち前の技術力を活かして自転車専門通販サイト「cyma-サイマ-」を技術面で支えている。
ひたすら技術を磨いた学生時代
生物が好きだった少年がコンピュータに目覚める
実はもともと生物が好きだったんです。いつも生物図鑑を眺めているような子供でした。ただ、金魚の飼育もやっていたんですが、水槽のマニュアルを熟読するような傾向もあり、一般的な生物好きとはどこか違っていたのかもしれません。中学生の時、その趣味が変わる決定的な出来事がありました。兄のノートPCが起動しなくなり、それを父が修理する場に居合わせたんです。父がPCのキーボードの部分をパカッと開いたとき、初めてPCの中身を覗き見ました。それまで、PCは魔法の道具だと思っていたんです。でも、中身の構造を見て「これは魔法の道具ではなくて、人が作ったものなんだ」「これは理屈のカタマリなんだ」という発見がありました。
その出来事以来、コンピュータに興味を持つようになったんです。気がつけばかなり本格的にのめり込んでいましたね。周りにひとりだけ趣味が合う友人がいて、一緒にPCを自作しました。ゲームにも興味がありましたが、ただプレイするのではなく、ゲームの構造や技術に興味を持って、分析するようなマニアックなこともしていました。これがプログラミングとの出合いです。
高専へ進学してさらなるスキルアップを実現
技術をさらに磨きたいと思い、高専に進学しました。授業そのものは求めているレベルではなかったのですが、課外でプログラミングを学ぶ有志のコミュニティがあり、そこで多くのことを学びました。高専は5年制で、専攻科も含めると7年なので6学年上の先輩と接することもできました。歳が離れた先輩たちから、プログラミングのもっと先にあるような深い技術を学ぶことができたと思います。全国の高専が参加する「プログラミングコンテスト」にも5年連続で出場し、意欲的にモノづくりができました。課題活動を通して、モノづくりだけではなく、アウトプットやプレゼンのやり方など、ビジネスに必要なスキルも幾らか学べたような気がします。
“素”の自分で挑んだ就職活動
気になる就職先がなく逆求人イベントに参加
学校で紹介されていた求人情報には惹かれる案件がありませんでした。そこで友人たちと就活イベントに参加することにしたんです。自分たちが参加したのは「逆求人(※)」のイベント。イベントに参加して、世の中にはいろんな会社があること、いろんな仕事があることを知りました。そのイベントで、エイチームと出合ったんです。
※学生が逆求人型就活サイトなどを通して自分の強みや経験といったプロフィールを載せて、それを見た企業から学生にアプローチを行うスタイルの就職活動のこと
エイチームの社員は自分の熱意や本音など本質的な人柄を見てくれた
エイチームを含めて複数の企業の方と話す機会を得ました。でも、ほとんどの方から「君が何をやりたいのかわからない」と言われてしまったんです。今考えるとそれもそのはずで、自分は持っている技術の話しかしていませんでした。他の学生は、「世の中の〇〇のような不便さを、技術で変えていきたい」という踏み込んだアピールしていました。一方で自分の場合、「技術を使って社会に貢献したい」という漠然とした考えで、具体性やビジョンに欠けていました。しかしエイチームの社員の方は、まずは自分のこの考えについて共感し、褒めてくれました。そして、その考えの裏にある熱意や、人柄をちゃんと見てくれました。
エイチームを選んだ理由
その後、エイチームのインターンシップに参加。チーム対抗の競技型プログラムでしたが、そこで優勝することができました。個人的に、チームで物事を進めることが好きなんです。チームの総和でバランスを取りながら仕事を進めるような環境で働きたいと思っていました。インターンを運営している方々を含め、エイチームには、自分が求めていた「チームで働く」景色が見えました。
加えて、それまでの就職活動では人事の方が話す内容と実態はかけ離れている、というような印象を持っていましたが、人事の方と社員の皆さんの言葉に全くズレがなかったことも入社の決め手になりました。ずっと関東に住んでいましたが、ベトナムへ帰ることに比べれば名古屋なんて近いものです(笑)。名古屋へ行くことには全く抵抗はありませんでしたね。
新卒一年目から第一線で技術力を発揮
自分が必要とされること
入社後はEC事業本部に配属されました。実は別の事業部へ希望を出していたのですが、EC事業本部のほうから「K君が欲しい」と指名を受けたことを後から知りました。今、EC事業は本格的に収益化を目指している事業。そのメンバーとして指名いただいたことをとても光栄に思いました。
入社してすぐ、実戦モードに
入社していきなり、システムのリプレイスによって生じた不具合の解消に携わりました。5~6年使用してきたシステムを、機能そのままでのリプレイスを目指してわずか半年で入れ替えたんです。結果、約1,300個の不具合が発生し、それを解消する作業を続けました。同期入社の人たちが新卒向けの研修に参加する中、自分は入社初日からソースコードを書いていました(笑)。でも、研修に参加するより現場に放り込まれるほうが性に合っているので、それに対して不満はありませんでした。
仕事を始めて最初に感じたのは、実際にビジネスとして稼働しているシステムは学校で学んだものよりも格段に複雑であること。学校では比較的シンプルなシステムを使って学ぶ機会が多かったんです。「cyma-サイマ-」のシステムは一つの注文が発生するだけでも、決済や整備工場(通称LC:Logistics Center)の在庫管理など様々な要素が同時進行で動き、しかもそれがLCごとに行われる。ビジネスのシステムならではの複雑さを実感しましたね。
見える化と自動化のメイン担当
その後は、情報の見える化やシステムの自動化を主に担当しています。例えば、システムの自動化では、手動で行っていたECショッピングモールの受注業務を自動で行えるようプログラミング。ECモールへの出店規模を大きくしようという話があり、それを実現するために取り組んだ事例です。結果、3~5分かかっていた作業をわずか2~3秒で処理することに成功。売上を大きく伸ばすためのボトルネックが解消できました。現在は、「見える化」「自動化」の主担当として自分のもとに相談が寄せられるようになりました。
失敗から学んだ仕事の責任と影響
入社1年目から幅広い業務を任されていますが、もちろん全てが順調だったわけではありません。いろいろと失敗もしています。中でも記憶に残っているのは、開発環境のデータを操作すべきところを、誤って本番環境で行ってしまったことです。入荷処理をしてしまったのですが、自分の誤操作により社内やLCはもちろん、お客様にも影響が及んでしまう可能性があることを痛感しました。このミス以来、自分の仕事に対する責任と影響について深く考えながら仕事をするようになりました。
自分の技術をアピールしていた就活時代は、「何を、どんな技術で実現していくか」という技術優先の考え方を持っていました。今は「お客様に安心で快適な体験を提供するためには何をすべきか」というユーザー重視の考え方もできるようになっています。サービスの実装を通して「技術は手段」であるという意味がようやく実感として理解できるようになりました。
より良いサービスをつくっていくためには、「どんなサービスにしていきたいか」「そのサービスを技術的にどう解決に導くか」、この両方の視点を大切にしていきたいと思っています。
自分の将来について考えていること
自分の可能性を探しに行くフェーズ
今、様々なことに挑戦させてもらえる時期にいます。自分の可能性を探しに行くフェーズにいるとも言えます。入社して1年が経ち、新卒社員の指導メンターを任されることになりました。技術面以外で人に指導することは初めての経験です。どこまでできるのか。自分の可能性を確かめたいと思っています。その他にも、インフラも担当できるようになったり、技術の専門的なアドバイスができる立場になったりなど、様々な可能性が広がっていると思います。自分の得意領域をどれだけ広げていけるか。これからは幅広くチャレンジしていくことが大事だと思っています。
ずっと手を動かしていたい
現時点では、将来について明確な目標を設定していません。幅広い知識やノウハウを身につけて必要に応じて様々な業務に対応するゼネラリストの道もあるでしょう。技術に特化したスペシャリストの道もあります。いずれにせよ、自ら手を動かす技術者であり続けたいと考えています。
「IT企業に就職するならエイチームがいいよね。」にしていきたい
地元の関東に帰って友人と話すときに感じるのは、IT領域における名古屋に対するイメージはまだまだであること。ちょっと悔しいんですよね。確かに、東京に比べるとIT企業は少ないですし、盛り上がりに欠けるところはあると思います。自分はそこを変えていきたいんです。「IT企業に就職するなら渋谷か名古屋」と思ってもらえるように、この街を盛り上げていきたい。エイチームはその中心になれる会社だし、そうした夢を抱ける会社でもあると思います。