コラム
2026/09/30
【社員インタビュー】「攻め」の労務へ。労務主導の人事システムリプレイスの裏側。データ活用強化で人的資本の取り組みを推進
エイチームグループは、経営理念である「みんなで幸せになれる会社にすること」「今から100年続く会社にすること」の実現へ向けて、最も大切なのは“人”=一緒に働く仲間であると考えています。この考えのもと、社員の働く環境整備の強化に取り組んでいます。
その一環として、2026年3月に大規模な人事システムのリプレイスを実施しました。今回のコラムでは、リプレイスのプロジェクトを主導した労務グループのマネージャー・齋藤美咲さんにお話を聞きました。大規模なシステム刷新の背景やプロセス、部署を越えたチームでの取り組み、社員の働く環境向上へ向けた想いなどについてお話いただきました。
株式会社エイチームホールディングス 労務グループ マネージャー 齋藤 美咲さん

2012年に新卒でエイチームに入社。入社後はブライダル事業の企画営業を担当。エリアマネージャー、ブライダル事業における新規事業の立ち上げを経験した後、2017年より新卒採用担当に。2020年に産休・育休を取得。2022年4月、新卒採用の責任者として復職した後、2023年9月より労務グループのマネージャー。現在は労務業務全般を担当している。
※人事システムをリプレイスする本プロジェクトは、管理部 労務グループとIT統括部 IT戦略グループのメンバーによる部門間連携プロジェクト。
新しい人事システムへ刷新した背景
高度かつ複雑なシステムの仕様が課題
2年ほど前から、社内では人事システムの活用について検討を進めていました。以前利用していた統合型人事システムは、フレキシブルに設定できる反面、設定が高度で仕様の把握に時間がかかったり、人的資本開示に向けたデータの管理や抽出に一定の手間を要したりと、いくつかの課題がありました。
中でも大きな負担となっていたのが、他システムとのデータ連携を手動で行うプロセスです。特に、採用グループからデータを受け取った後の入社手続きでは、システムへの手入力に加え、タレントマネジメントツール、ワークフローツール、電子契約ツール、健康管理システムなどに個別で手動連携を行っており、かなり工数が重なってしまっていたんです。

人事システムの保守期限が迫り、大規模リプレイスを決断
また、定常的な業務における人事システムの運用のしやすさという点でも、私たちが直感的に、より簡単に使いこなせるシステムを求める声が上がっていました。そんな中、当時使用していた人事システムの保守期限が迫ってきたことが一つのきっかけとなって、大規模な刷新を決断しました。システムのバージョンアップで済ませる選択肢もありましたが、根本から見直そうということになったんです。
今回、新しく導入したシステムは共創プラットフォームという、中央にデータ統合基盤を置く仕組みです。ここがハブになって、勤怠管理や労務管理など様々な専門SaaSと自動連携できるようになりました。労務周りで使っているシステムの大半が自動連携できるようになったのは、本当に大きなポイントだったと感じています。
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自分たちで解決できない歯がゆさ
以前のシステムは、運用の中でさまざまなカスタマイズを積み重ねてきたこともあり、データの裏側で何と何がどう紐づいているのかが把握しづらい構造になっていました。例えば就業規則を変更して残業代の計算を変えようとすると、有給休暇を取得したときの賃金計算まで複雑に連動して設定が変わってしまうようなことがあったんです。
そのため、ベンダーにお問い合わせが必要になる場面も多く、自分たちだけで解決できない歯がゆさをずっと感じてきました。
チャレンジできる時間を創出
今回の新しいシステムを導入したことで、手作業に追われていた時間を大幅に減らすことができました。
手が空いた分、新しいことにチャレンジできる時間が創出できたと感じています。エイチームが人的資本経営を実践していくために、社員の「健康経営」への取り組みをはじめ、男性育休のさらなる推進や各種サポート制度の検討など、労務としてまだまだ着手したい施策がたくさんあります。これまでの労務は日々の定常業務を回すことに注力していましたが、リプレイスを実施したことで、メンバーそれぞれが少し先を見ながらチャレンジができる環境になりました。

労務として目指したゴールと方針
目指しているのは「攻め」の労務
大規模なリプレイスを進めるにあたって、私たちが目指していたのは工数を削減することだけではありませんでした。
もっとスムーズにストレスなく業務が進められる形を作って、浮いた時間やリソースを社員の働く環境向上や人的資本への取り組みへ充てていくこと。これまで手が回りきっていなかった部分にしっかり着手し、守るだけではなく「攻め」ができる労務グループを目指していきたいと考えていたんです。
自分たちで設計して、運用できるシステム
プロジェクトを進めるうえで、みんなで決めたのが「妥協をしない」ということです。その一つとして、「自分たちだけで完結できるものにすること、自分たちの手で設計して運用できる内製化」というのを大事にしました。
今後、担当者が変わったり、新しいメンバーを迎えた時でも、パッと見て構造が分かり、正しく仕様を説明できる設計を目指しました。自分たちで設計が理解できていれば、給与計算のミスが発生する可能性も低くなると思っています。
新しいシステムの選定にあたっても、「自分たちの手で簡単にできそう・使いこなせそう」と実感できたことが導入の決め手になりました。
新システムに合わせて就業規則を修正
今回、新しいシステムの設計に合わせて、社内規程の改定も行いました。例えば、深夜残業の時間帯の変更などを実施しています。もちろん社内規程を変えること自体、簡単な話ではありません。
最も注意しなければならないのは従業員に不利益がないことですので、社労士の先生に一つひとつ丁寧に確認を取りながら進めていきました。他社の方とお話しした際も「就業規則まで変えたんですか!」と驚かれたのですが、私たちにとってはルール自体を働き方に合わせて修正できるなら、そちらの方が楽だと考えたんです。結果として従業員にとっても分かりやすくメリットのある形になり、非常に良い選択になったと思っています。

部門連携で進めた移行プロジェクト
IT部門との連携でリプレイスを推進
今回のリプレイスはIT戦略グループとの連携で進めていきました。全体の設計は私たち労務で行っていきましたが、セキュリティに関することや労務管轄外のシステムとのつなぎ込みなど、技術的な部分でかなり力を借りました。
また、労務メンバーにとって大規模なシステムリプレイスが初めての経験だったこともあり、プロジェクトの進め方やベンダーとの定例ミーティングでもサポートしてもらいました。特に専門的なシステムの話は、IT部門が入って専門的な観点から的確に伝えてくれたおかげで前進できた場面がたくさんありました。
お互いを尊重しながらチームで前進
労務グループもIT戦略グループも、共通して「今回のリプレイスを通じて、エイチームにとって絶対に良いシステム基盤を作り上げるんだ」という前向きな想いを持っていました。
部署は違いますが、お互いに認め合い、ミーティングでも感謝の言葉が飛び交うような良い雰囲気でした。エンジニア側とビジネス・労務側という領域が異なる両者でしたが、共通のゴールを目指してリスペクトしながらチームで進められた点は、すごくエイチームらしい進め方だったと感じています。

他部署を巻き込んでのデータ検証
リプレイスを進める中ではデータの検証が本当に大変だったのですが、そこでも他部署に協力してもらいました。給与計算については7ヵ月分のデータを使って検証を行いましたが、そのうち2ヵ月間はコーポレートの部門や一部の事業にお願いして、旧システムと新システムの両方に勤怠を入力していただくテストを実施したんです。
同じデータが出力されるかを私たちで突き合わせて、新旧の給与計算システムで正しく同じ計算がされているかをチェックする検証を行いました。最初は少し数値のズレが出てきたりもしましたが、ベンダーの方にも確認しながら本リリースの期日に間に合うようにみんなで整えていきました。
刷新が生んだ業務変革
給与計算体制の最適化で人員削減
今回のシステム刷新の中で、給与計算体制の最適化を行い、業務の効率化を実現しました。属人化されていたところが解消され、人員2名の削減にもつながっています。この最適化を実施するにあたっては、シミュレーションを入念に行いました。それによって「大丈夫」という確信を持って全員が臨むことができました。完了後にいくつか問題が出てきましたが、自分たちで設計したシステムなのですぐに解決ができました。そういった点も、今回の刷新がもたらした成果だと思います。
ミスの削減と利便性の向上へ
以前のシステムでは、扶養申請の際にご家族の名前欄に誤って自分の名前を書いてしまうような申請不備や、確認の手間がありました。新しいシステムではどこに何を入力すればいいのかが画面上すごく明確なので、そういった申請不備がほとんどなくなりました。
新しい勤怠システムを使い始めて数ヵ月経ちますが、利用状況のアンケートを取っても使いやすさに関してポジティブな意見が多かったです。カレンダーからの申請や、マネージャーが部下の残業状況を一目で把握できるダッシュボード機能など、現場の皆さんにとっても利用しやすい環境が作れたかなと思っています。今後もメンテナンスなどを定期的に行いながら、従業員の皆さんがより利用しやすいシステムになるよう運用していきたいと思っています。
人的資本経営へ向けたデータ活用
データの一元管理や即時出力が可能になったことで、人的資本開示に必要なデータの集計や各種調査への回答がすごくスムーズに行えるようになりました。
また、今後は健康経営に力を入れていきたいと考えており、従業員の健康に関するデータの活用も進めていきたいと思っています。まずは各種データを収集・整理して、どこに手をつけたらいいかの目星をつけたうえで具体策を進め、最終的には「健康経営優良法人」の認定の取得にも挑戦していきたいと考えています。

信頼を守りながら新たなチャレンジへ
攻めるために他部署との連携を強化
これまでは日々の運用を回すことに時間を割くこと多かったのですが、今後は先ほどお話したような健康経営や人的資本経営、サステナビリティ、その辺りの領域へチャレンジをしていきたいです。
また、「攻めの労務」として踏み込んだ施策を作り込んでいくためには、労務単体というよりも人事企画や広報など他部署との連携が不可欠だと感じています。部署を超えた連携を強化しながら、より良い環境づくりを進めていきたいと思っています。

従業員みんなの信頼を裏切らない
従業員の皆さんは「労務に預けているデータは安全に活用されている」「基本的に給与計算が間違っていることはない」と認識しているのではないでしょうか。その認識を崩すようなことは絶対にあってはいけないと思っています。
今回のリプレイスによって、より安心安全に管理・運用できる基盤ができ、私達自身も自信が持てる状態になりました。皆さんの信頼を裏切らないように気を引き締めつつ、新しいチャレンジを続けていきます。