コラム

2026/09/17

【対談インタビュー】グループ間連携におけるシナジーを創出!M&Aでグループ入りした仲間が語る『microCMS』×『PUSH ONE』連携の裏側

【対談インタビュー】グループ間連携におけるシナジーを創出!M&Aでグループ入りした仲間が語る『microCMS』×『PUSH ONE』連携の裏側

エイチームグループはM&Aを軸とした成長戦略を推進しており、法人向けの事業支援サービスへの拡張を図っています。2024年6月に株式会社microCMS、2025年11月に株式会社シグニティがM&Aを通じてエイチームグループにジョインしました。

国内最大級規模(※)の利用実績を誇るAPIベースの日本製ヘッドレスCMS「microCMS」と、リアルタイム配信と高いエンゲージメント獲得に強みをもつWEBプッシュ通知サービス「PUSH ONE」が2026年6月からシステム連携を開始しました。この連携により、オウンドメディアやニュースサイト等を展開する企業やサービスにおいて、コンテンツ公開からユーザーへのプッシュ通知配信までを自動化・効率化が可能となりました。M&Aによるジョイン企業同士の連携の実現によって、集客やプロモーションに課題を抱える企業に対するデジタルマーケティング支援を提供しています。今回は、2社の連携を推進しているmicroCMS社の中嶋春葵さん、シグニティ社の芋田真吾さんによる対談をお届けします。連携の概要や具体的な成果、今後の可能性などについてお話いただきます。

※国内最大級:2025年12月microCMS社調べ。「利用実績」とは、過去に当該サービスを利用した実績がある社数の累計を指します。日本製のヘッドレスCMSを提供している大手3社を比較。他社データは、2025年12月時点で開示している情報およびQiita等ブログプラットフォームでの関連投稿記事数、Google Trendsの結果、各種公式サイトやリリース情報の調査より取得。

関連プレスリリース:ヘッドレスCMS「microCMS」とWEBプッシュ通知「PUSH ONE」が初のシステム連携!~コンテンツ公開からユーザーへの自動通知をスムーズに実現~

中嶋 春葵さん 株式会社microCMS ビジネス推進部 マーケティンググループ マネージャー

新卒でスタートアップのIT企業に入社。WEBメディアの運営などを担当した後、メディア事業の事業責任者も務める。その後、B2B向けのSaaSやB2C向けのECサービスのマーケティング責任者などを経験し、2024年にmicroCMS社に入社。現在はビジネスサイド向けのマーケティングをメインに担当している。

芋田 真吾さん 株式会社シグニティ 開発部 部長

スマートフォンアプリが出始めた初期の頃からモバイルアプリやWEBアプリなどの受託開発に携わる。開発会社でキャリアを積んだ後、自社サービスやゲーム開発の企業などを経て、2019年にシグニティ社に入社。現在は開発部長として開発の基盤づくりを行いつつ、自らエンジニアとしても活躍中。

『microCMS』×『PUSH ONE』連携プロジェクト開始の経緯

-今回の「microCMS」と「PUSH ONE」の連携におけるお二人の役割を教えてください。


中嶋:
私は「microCMS」のマーケティングを担当しているので、今回の連携後の社外への発信などPRプロジェクトの進行を担当しました。microCMS社の開発メンバーに連携に関するブログ記事を書いてもらい、そこからシグニティやエイチームの方々も巻き込んだ社外発信を進行していきました。


芋田:
私が担当したのは、技術的な繋ぎ込みの実装です。具体的に言うと、「microCMS」の機能である「Webhook」(※)を「PUSH ONE」側に繋いで連携するというものですが、プロトタイプ作成から技術的な繋ぎ込みをスピード感を持って行い、構築していきました。

※ Webhook:WEBサイトにおけるイベントの発生をきっかけにし、別のシステムへリアルタイムにデータを送り出す自動通知の仕組み

-そもそも今回の連携プロジェクトは、どういった経緯で始まったのでしょうか。


芋田:
エイチームグループでの在籍歴の長い、シグニティの現社長(Qiita社の社長を兼任)から「グループとしてシナジーを生み出すために何かできないか」という提案があったのが始まりです。最初はセールスでの連携から話し始めていました。


中嶋:
「microCMS」はWEBサイトを使うところであれば業種を問わず活用いただけるサービスです。「PUSH ONE」との連携では、顧客層の重なりが少ない中でセールス観点での裾野を広げたいという意図がありました。


芋田:
営業面での連携の話が進んでいく中で「システムのほうでも連携できるのでは?」と話が広がっていきました。マーケティング活動において、WEBサイトを作成・管理するシステムであるCMS(コンテンツ管理システム)と、ユーザーにお知らせするプッシュ通知の機能は親和性が高いです。中嶋さんが言ったとおり、両サービスの利用者層がそこまで重複していないこともあって、連携を進めることで相互にメリットがあるだろう、シナジーを生み出すことができるだろうと、連携の実装がスタートしました。

連携の仕組みともたらすメリット

-改めて、今回の連携の仕組みについて教えてください。


中嶋:
簡単に言うと、「microCMS」でWEBサイトの記事を公開したタイミングで「PUSH ONE」側での通知が同時に配信される仕組みです。「microCMS」上で記事を書くときにプッシュ通知の内容も設定できます。つまり、記事の公開作業だけで通知設定まで完了させることができるわけです。「microCMS」上の操作だけで一連の流れがほとんど完結できるのが大きなメリットです。これまでは、記事を公開した後にユーザー向けのメールマガジンや公式SNSアカウント等、様々なチャネルを使って周知する必要がありました。今回の連携により、運用コストをかけずに記事を周知するチャネルを1つ増やすことができました。


芋田:
「PUSH ONE」にとっても大きなメリットがあります。「PUSH ONE」を使ってくださっているWEBメディアでは“CMSで記事を公開して、さらに「PUSH ONE」で通知を設定する” という手順の運用リソースが発生していました。それが「microCMS」上で完結して手間が大幅に削減できるようになったのは、連携の一番大きなポイントだと思います。

-開発中は、両社間でどのようなコミュニケーションを取っていったのでしょうか。


芋田:
たいへんスムーズに進めることができました。まず大前提に、「microCMS」自体がエンジニアにとって使いやすく汎用的に作られています。私のほうで画面を見て「あ、こういうことができるんだね」と確認し、「こんな感じでできました、確認してください」と関係者に共有したくらいです。間に何度もやり取りを挟むようなことはありませんでした。


中嶋:
スムーズに進められたのは、そもそも芋田さんの高い開発力があったからだと思います。(笑)加えて、「microCMS」はシンプルさと外部サービスとの連携しやすさを重視して開発しています。その強みもうまく活かされたと感じます。

-今回の連携により、それぞれのサービスを導入されている企業様にとってはどんなメリットがあるでしょうか。


中嶋:
ユーザーに記事を届けるチャネルが1つ増えることで、より多くのユーザーに情報を届けられるようになります。さらに、WEBサイトを運営する担当者の運用工数の削減にもつながるため、大きなリソースを割かずに手軽にチャネルを広げられる点が大きなメリットだと思います。


芋田:
「PUSH ONE」を導入いただいている企業様から、WEBサイトのリニューアル時に相談や問い合わせをいただくことがよくあります。そうした場面で、私たちから「microCMS」の導入提案ができると思います。「ヘッドレスCMSの柔軟性を活かせば、従来なら開発に時間がかかりそうなケースでも工数やコストを抑えられます」、「microCMSなら連携しているので管理が楽になります」など、それぞれの企業様に寄り添いながら「こういう方法もあります」といった形で提案の幅を広げられると考えています。


中嶋:
導入企業様側が「microCMSを使ってプッシュ通知も同時に送れる」という潜在ニーズに気づいていないケースもあるかもしれません。そういったニーズを顕在化させて提案につなげていくことも今後のポイントだと思います。


芋田:
そうですね。今はまだ、このシステム連携は、PoC(※)の段階です。お互いのクライアント企業様に対して、それぞれのサービスを紹介していく導線を設計することは今後の課題だと思います。

※PoC…新しいアイデアや技術、システムなどの実現可能性や導入効果を、本格開発・導入の前に小規模で検証する「概念実証」のこと

エイチームグループ内で生まれるシナジー

-今回の連携に限らず、エイチームグループ内での連携やシナジーについて事例やお考えがあればお聞かせください。


芋田:
エイチームグループは、引越しや結婚、車の買い換えなどライフステージごとのWEBメディアを多数運営しているため、それらのWEBメディアとの連携を進めています。例えば、車査定・車買取サイトの「ナビクル」において、サイトを離脱したユーザーに「PUSH ONE」を活用したプッシュ通知でリピート訪問を促す施策を進めています。現在は、各事業に「PUSH ONE」を導入して効果があるかどうか検証している段階ですが、「PUSH ONE」の機能を最大限に活用できるようなアイデアを提案していきたいです。


中嶋:
「microCMS」は、現在で16,000社の企業に導入いただいており、複数の事業でご利用いただいています。エンジニア向けのプロダクトという点で特にエンジニアコミュニティ「Qiita」との親和性が高く、プロモーションの施策などで連携しています。私たち自身が「Qiita」上で「microCMS」に関する記事を公開するなどをメインで行っていますが、自社だけだとリソースも限られてきます。そこで、プロモーションの施策での連携によって「Qiita」のユーザーに「microCMS」に関する記事を執筆してもらうことで、認知の獲得やコンテンツの資産を増やしていける点は大きな価値だと感じています。

-グループ企業同士で連携していく際のハードルやコミュニケーションはどう感じていますか。


芋田:
今回のプロジェクトを通して、グループ企業同士での連携のしやすさ、コミュニケーションの取りやすさを実感しました。要因として大きかったのは、元々エイチームグループに在籍していた方が旗を振ってくれたこと。今回で言うと、シグニティの社長(Qiitaの社長を兼任)が旗振り役として「この人と繋げばいいよ」と導いてくれたのが大きかったです。正直、誰かが「こことここを繋げたら面白いんじゃない?」と旗を振る役割を担わないと、担当者レベルではなかなか難しい部分もあります。「なんか考えてよ」と振ってくれたほうがやりやすいです。


中嶋:
私も同じような実感があります。エイチームグループから出向していた方が、microCMS社の取締役に就いています。エイチームグループに在籍していた方々が架け橋になって、旗を振ってもらったことで円滑に進んだと感じています。旗振り役の存在は必要ですね。

グループ入りを経て、両サービスが今後目指すことは

-現在、それぞれのサービス強化に向けて取り組んでいることはありますか。


中嶋:
取り組みの方向性は大きく2つあります。1つは「AIフレンドリーなCMSを構築すること」。もう1つは「従業員規模が大きく、CMSに多くの人が関わる大手企業でも使いやすいCMSにすること」です。この2軸を並行して進めています。1つ目のAIについては、時代の流れもあり、さまざまなAI技術が進化しています。実際、「microCMS」の管理画面を直接操作しなくても、AI経由でコンテンツを更新できるケースがすでに出てきています。こうした変化に合わせて、主に開発者向けの使いやすさを高めていく必要があります。

一方で、エンジニアではない方や大手企業については、現時点では適切にコンテンツを管理する運用が中心です。だからこそ、使いやすさも追求し、より幅広いユーザーにとって利用しやすいサービスへ磨いていきたいと考えています。今はどちらか一方に注力するのではなく、AI対応と使いやすさの両方を同時に強化しながら、サービスを向上させていく方針です。


芋田:
「PUSH ONE」はアプリなしで手軽に使える一方で、手軽だからこそ通知が過剰になり、受け手にとってノイズになってしまうことがあります。実際、「通知が多くて嫌だ」と感じるユーザーも少なくありません。そこで現在は配信の最適化を進めています。「誰に、いつ、どこで」といった文脈をきちんと取り入れ、本当に必要としている人に、必要なタイミングで通知が届くようにし、ユーザーに合ったコンテンツを最適なタイミングで届ける仕組みにしたいです。

また、目指しているのはWEBサイトのエンゲージメント向上です。ユーザーとの関係性を深め、ファンを育てられるプラットフォームにしていくために、ノイズにならず、自然とエンゲージメントが高まる配信の仕組みを構築し、開発していきたいと考えています。

-グループ入りしてから、エイチームに対してどんな印象を抱いていますか。


中嶋:
microCMS社のフルリモートなどの働き方や文化をすごく尊重してもらえている印象があります。業務の効率化やプロダクトそのものについても、率直なフィードバックをいただけます。頭ごなしに押し付けるのではなく、仲間入りした私たちを尊重したうえで、必要なことを伝えてくれていると感じています。


芋田:
これまで大きな組織で働いた経験がなかったので、「こういう感じなんだ」と新鮮に感じる部分もありました。特に、グループ全体で一体感を持ちながら運営していこうとする雰囲気を強く感じています。組織が大きくなると、管理の難しさが増したり、メンバー間の考え方にズレが生じたりしがちだと思います。それに対して、ビジョンやミッションをきちんと共有するためにさまざまな取り組みを進めている姿勢が伝わってきます。また、グループ全社員が参加する毎週月曜日の全体ミーティングやグループ表彰式「Ateam AWARD」などを通じて「情報を共有する」「みんなで一体感を持って盛り上げていこう」という雰囲気を強く感じています。


中嶋:
大きな組織という点では、管理機能にも助けられています。契約書のチェックやセキュリティに関することなどコーポレート部分のプロセスがしっかり整備されているため、自分たちは安心して事業に集中できており、すごくありがたいです。


芋田:
インフラ周りの共通化などで通信コストが下がるような実利面でのメリットも大きいと感じています。

-最後に、お二人の今後の意気込みをお聞かせください。


中嶋:
エイチームグループの中で、「microCMS」を収益の大きな柱に育てていきたいと考えています。「microCMS」の特徴の一つが、サブスクリプション型のSaaSモデルであること。そのため、継続顧客により収益を積み上げで安定的に伸ばしていける点が強みだと思っています。そうして得られた収益をグループにしっかり還元していきたいと考えています。

また今後、M&Aなどで同様にサブスク型SaaSの企業がグループに加わった場合にも、培ってきた知見を共有し合えるはずです。「microCMS」は、エイチームグループが現在運営している既存事業とは異なるビジネスモデルだからこそ、そこから得られる気づきやノウハウもあると思っています。「microCMS」の取り組みを一つの良い事例として、グループ全体に展開していきたいです。


芋田:
今後は、サービス同士の連携を強化し、より大きな成果につなげていきたいと考えています。併せて、規模の大きいグループ会社でもあるため、グループ内の交流を増やし、メンバーのスキルや組織力を底上げしていきたいです。

また、「Ateam AWARD」のような機会には、シグニティとしてもノミネートされる、あるいは関われる体制を整え、メンバーのモチベーション向上にもつなげたいと思っています。エイチームグループ入りしたことをきっかけに、こうした「全体の底上げ」を継続的に進めていく方針です。


「microCMS」と「PUSH ONE」、それぞれの強みが合わさることで生まれた今回の連携。M&Aでグループ入りしたサービス間のシナジーを起点に、エイチームグループでは今後も数々のシナジーを生み出せるようまい進いたします。

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