コラム
2023/11/29
【社員対談】アウトプットをエイチームの文化に!社内外へ積極的な発信を続ける「アウトプットプロジェクト」の活動内容に迫る。
2022年11月、エイチーム社員による積極的な発信を促進することを目的に「アウトプットプロジェクト」が発足。今回の対談では、社内を代表するアウトプットのエキスパートが集い、自身のアウトプット活動からプロジェクト発足の背景、具体的な活動内容、今後の目標など様々なテーマについて語り合ってもらいました。
綿貫佳祐さん Qiita プロダクト開発部 部長
名古屋学芸大学メディア造形学部デザイン学科卒。2017年にエイチームに新卒入社。ライフスタイルサポート事業の各サービスのデザインに従事した後、2020年よりIncrements(現 Qiita)へ転籍。現在はプロダクト開発部の部長を務める。2022年、自ら声を上げて「アウトプットプロジェクト」を立ち上げる。
藤原宏祐さん エイチームライフデザイン アドマーケティング部 マーケター
大学卒業後、約3年にわたり経理職を経験した後、ジョブチェンジして人材系企業へ入社。同社で初めてデジタルマーケティングを担当する。その後、実務経験や学びを通してマーケティングのスキルを磨き、2019年3月にエイチームに入社。現在は、プロモーションマーケティング本部にて、広告運用やサイト改善のマネジメントを担当している。
出口裕貴さん Qiita プロダクト開発部 デザイングループ デザイナー
法政大学 デザイン工学部 システムデザイン学科卒。大学では主にプロダクトデザインを学ぶ。2019年にIncrements(現Qiita)で内定者アルバイトを経験。翌2020年4月に新卒で入社する。現在はQiitaが展開するサービス全般のデザインに携わるなど、広範囲の領域で活躍している。精力的なアウトプット活動が評価され、2023年の「Ateam FESTIVAL」で「エイチームエバンジェリスト賞」を受賞。
プロジェクトメンバーそれぞれのアウトプット活動
-皆さんは、普段から積極的にアウトプットをされています。具体的にどのような活動をしているのか教えてください。
綿貫:
Qiitaに所属しているので、できる限りQiitaで記事を書くようにしています。多い時では週1回のペースで書いていた時期もありました。Qiita以外でも、意識的に、自分の考えや作成したグラフィックなどを日頃からアウトプットするようにしています。
また、イベントの登壇についても、以前は自分からアプローチして登壇するケースが多かったのですが、最近は声をかけていただく機会が増えました。今、Figma*の地域コミュニティを支援する役割を務めていて、その地域イベントに参加したり等、様々なイベントでアウトプットを実施しています。
※Figma:ブラウザベースのインターフェースデザインツール。UIデザインやワイヤーフレームの作成をブラウザ上で共同編集できるデザインプラットフォーム。
藤原:
今自分がわからないことや新しく気づいたことを独り言のように発信しています。自分用のメモ代わりと言いますか、勉強したものをログのように残している感覚です。その中でも意識しているのは汎用性のある状態で書き残すこと。その時だけ使えるものではなく、後々にも活用することを考慮してアウトプットしています。
また、事業の課題解決に必要だと思った内容をアウトプットすることが多いです。例えば、私はAIに関する発信が多いんですが、決してAIが大好きというわけではありません。課題を解決したり、作りたいサービスをつくるためにAIを勉強する。勉強した内容をアウトプットする。そんな流れです。
出口:
私のアプローチは藤原さんとは少し違うように思います。私は「必要だから」ではなく自分が「やりたい」「面白そう」「興味がある」といったことを中心にアウトプットしています。業務に関連する内容もありますが、誰かの話を聞いて興味を持ったことや、いろいろとインプットしていく中で出会った新しいものなど、自分が面白そうと感じられたものに触れて、それをアウトプットしていくことが多いです。
具体的なアウトプット活動としては、Qiitaの一員としてQiitaに記事を投稿したり、寄せられた質問に回答したりしています。登壇のチャンスがあったら積極的に応募するようにもしています。あとは、ハッカソンへの参加です。毎年一回は必ず参加するようにしていて、先日はとあるハッカソンで最優秀賞を受賞しました。
綿貫:
二人のアプローチには共通点があると感じます。藤原さんは「事業の課題解決に必要だから」というアプローチですが、例えばAIに全く興味がなければ触れないと思います。出口くんも「自分の興味があること」であっても、事業において役立つものを取捨選択しているはずです。どっちに軸足を置くかの違いだけでしょうし、どちらか一方に偏っている人もいないと思います。
私自身も目の前にある事業課題に関する内容を意図的に扱うこともあれば、流れてきた情報に感化されて、例えばグラフィック作品を制作してアウトプットするようなこともある。個人の性質や、その時に置かれた状況によって軸足も変わってくると思います。
プロジェクト発足からの一年を振り返る
-「アウトプットプロジェクト」はどのような経緯で立ち上がったのですか?
綿貫:
社内の「ジュニアボード」への参加が契機となりました。「ジュニアボード」とは、会社の若手社員たちが次期経営層候補として様々な経営課題について考える取り組みです。私は30歳未満のエンジニア・デザイナーによるクリエイターチームの一員として参加しましたが、周りがビジネス職ばかりだったので、クリエイターらしくユニークな提案をしようと意気込んでいました。
「人材の採用と定着」をテーマに取り組んだ時のことです。当時、私が感じていたのは採用が上手くいっている企業は「あの会社はイケてるな」という雰囲気を作っていること。エイチームはまだまだ足りないと感じました。社内を見渡すと最先端でハイレベルなことを実践している人がとても多い。それをアウトプットできていない現状に対して、非常にもったいないと思ったんです。
エイチームに入社する人は入社の決め手として「人の良さ」を挙げる人が多い。それをアピールする意味でも、もっと個人にフォーカスしたアウトプットをしたいと考えました。この時に感じたことがきっかけとなって、アウトプットの必要性を会社に提案。2022年11月に「アウトプットプロジェクト」が発足しました。
-プロジェクトが発足して一年が経ちました。この一年間で、どんな取り組みをしましたか?
綿貫:
記事の投稿やイベントの登壇について共有できるように、チャットツール上にパブリクックなチャンネルを作りました。エイチーム全体ミーティング(毎週月曜日開催)では、プロジェクトの活動内容の振り返りと方針の発表を定期的に行っています。また、社内にはアウトプットしようと思っても、何をどのように発信したらいいのかわからずに躊躇している人もいます。そういった社員に対して「何を発信しても大丈夫、どんどんアウトプットしていきましょう」とフォローやサポートを行っています。
これまで、ちゃんと活動を継続できていることに価値があると思います。何かを立ち上げていざ始めようと思っても、継続できずに立ち消えてしまうことがあります。プロジェクトを立ち上げた私自身が個人としてアウトプットを継続すること。月1回の全社への共有などプロジェクトとしても活動を継続すること。それができていることは大きな価値だと思っています。
藤原:
「何を発信しても大丈夫」とアウトプットのハードルを下げられたことは本当に大きかったと思います。実際に綿貫さんの声をきっかけにアウトプットをする人が増えました。綿貫さんは「SNSに投稿するくらいでいいよ」と上手にハードルを下げて、社内のアウトプットを促進してくれました。
綿貫:
一年前に比べると、社内にアウトプットをする空気が醸成されてきたように感じます。空気をつくっていくのは時間がかかります。プロジェクトを始めた当初は早くても二年はかかると考えていました。できていることとできていないことはありますが、今のところ全体的には順調に進んでいると思います。
アウトプットって何?なぜ、アウトプットするの?
-アウトプットとは何なのか?皆さんの考えを聞かせてください。
綿貫:
個人的には「ビジネスパーソンであるならば学ばないわけにはいかない」と考えています。また、学びはインプットだけでは成立しない、アウトプットをして初めて一つの学びとして成立するという考えも持っています。つまり、個人的な考えとしては、学びの中にアウトプットは包含されているわけです。ビジネスパーソンならば学ぶのは当たり前。だから、アウトプットも自分にとっては普通のこと。アウトプットすること自体は目的ではありません。
出口:
私も学ぶことが当たり前になっています。エイチームに新卒で入社してからずっと綿貫さんの下で働いてきたので、間違いなく影響を受けていると思います(笑)。あとは、学んでいない自分が嫌い・・・と言いますか、インプットだけだと自分がダサいように感じるんです。だから、日常的にアウトプットをしています。でも、アウトプットをすること自体は特別なことだと思っていません。アウトプットをして、ようやくスタートラインに立ったような感覚です。
藤原:
私の場合は「アウトプットが一番効率良い学習方法だ」というシンプルな考えを持っています。アウトプットをする際は、自分が必要なエッセンスだけをインプットしていると思うんです。例えば、何かをアウトプットする際に、辞書に書いてある内容を全部インプットしてからアウトプットするようなことはないですよね。アウトプットすることが決まっていて、そこに紐づいた内容をインプットする。これは非常に学習効率が良いと思うんです。そういう意味では、私にとってアウトプットは目的ではなく手段です。
また、アウトプットしたことは組織にとって集合知になります。誰かに何かを伝える時に「この記事に書いておいたから」と伝えるだけで物事が伝わると効率が良い。自分が書いた記事なので質問をされてもちゃんと答えられます。アウトプットをして残しておくことで、何かを聞かれる度に毎回同じことを答えるといった手間がなくなります。こうした効率の良さは組織にとってもメリットがあると思います。
-皆さんにとって、アウトプット活動のモチベーションの源泉は何でしょうか?
出口:
綿貫さんから「Qiitaでアウトプットをしていこう」とお声がけいただき、「よし、一緒にやっていこう」という気持ちでアウトプットを始めました。以降、その気持ちをモチベーションとして日々アウトプットを続けました。でも、始めたばかりの時は大変でした。
最初の1年は週に一本のペースで記事を投稿。それよりも大変だったのは「Qiita Advent Calendar」での25日間連続投稿です。「Qiita Advent Calendar」とは、毎年12月1日から25日までの期間限定で展開される記事投稿イベント。クリスマスまでをカウントダウンする慣習に基づいて、Qiitaにおける様々なテーマのカレンダーを埋めていく形で記事を投稿するものです。通常は日替わりで記事を担当するんですが、25日分の記事を一人で投稿することをやり切ったんです。
Qiita運営の一員としての意地もありました。Qiitaの企画で、25日間連続でやり切った人を称える「完走賞」という賞を設けたんです。賞をつくるだけつくって自分たちがやらないのは社外の人からの見え方も良くない、Qiita社内で誰かがやらないと・・・と思って「やります!」と宣言。口に出したからにはやり切ろう、と。今振り返ると、やるぞ!と宣言することも大事だと思います。
最初にハイペースでの記事の投稿を経験したので、その後は2週間に1回投稿するくらいは平気でしたし、いつの間にかアウトプットすること自体が当たり前になっていきました。今ではすっかり日常のレベルになっています。
藤原:
Qiitaとは別で、私も一人でAdvent Calendarのような企画を立て、完走しました。私が挑んだのは今年の8月。その1ヵ月間、つまり31日連続で記事を投稿しました。もともと夜にデスクに向かって勉強する習慣があったんですが、そのモチベーションがちょっと下がっていたんです。このままではマズイと思っていた時に、出口さんが全社表彰イベント「Ateam AWARD」で日ごろのアウトプット活動を称える「エイチームエバンジェリスト賞」を受賞され、その姿や受賞理由に刺激を受けました。自分もアウトプット活動を頑張ってみようと奮起したんです。
連続の記事投稿にチャレンジすることで、以前のように机に向かうことを習慣化しようと考えました。その気持ちがモチベーションでしたが、私も最後は意地でやり切ったところがあります(笑)。
アウトプット活動を通して得られたこと
-アウトプット活動を継続することで、どんな成果が得られましたか?
綿貫:
アウトプットすること自体、大変なイメージがあると思います。実際に社内でもそんな雰囲気がありましたが、いざやり始めると「これもアウトプットできそう、あれもアウトプットできそう」と目線が上がっていくものでもあると思います。そんな声や動きが社内に増えてきたことがとても嬉しく思います。
藤原:
綿貫さんの言うように、メンバーからアウトプットに対する前向きな声を聞けるようになってきました。「一つ記事を書いてみました」とか、自らアウトプットを始めようとする姿勢が見られるようになっています。私自身のアウトプット活動に対して声をかけてもらえる機会も増えました。「これは藤原さんに聞いてみよう」というスタンスで質問を受けることもあります。
ある時期に、ノーコードツールに関する内容を集中して発信していたことがありました。また私はAIに関する発信も多く、社内には「ノーコード」「AI」のイメージがついているのかもしれません。イメージがつくと自ら動かなくても巻き込んでもらえますし、巻き込まれると事業や組織の動きもわかりやすくなります。カバーしていない領域のことで巻き込まれる場合もありますが、そこに挑戦することは自身の成長につながります。
出口:
私はこれといった成果が思いつきませんが・・・こうした対談の場に呼んでいただけることも成果の一つかもしれませんね。
綿貫:
出口くんがもたらした成果や影響は大きいと思いますよ。最初、プロジェクトの活動は私一人でスタートしましたが、そこに二人目として出口くんが続いてくれた。二人目がいると「やったほうがいいかな」「やってみようかな」という動きも出てくる。一人だけじゃなくて、二人、三人と人数が増えてくると動きが波及していきます。そういう意味では、出口くんの役割は大きかったですし、感謝もしています。
「アウトプットプロジェクト」が目指す未来
-今後、個人として、会社として、どのような状態を目指したいですか?目標があれば教えてください。
藤原:
学びやアウトプットには「大変そう」「しんどい」といったイメージがあると思います。でも、できることが増えると人は楽しさを感じると思うんです。普段から「やってみたらいいのに、絶対に楽しいから」と思う機会は多いです。アウトプットは楽しい。それがみんなに伝わり、会社としてアウトプットすることが当たり前になるような状態にしたいです。
個人的な目標は、自分のやりたいことと会社が求めていることの重なりを増やしていくこと。仕事をしていると、やりたくないと感じることもあります。でも、やりたいことだけをやれるわけではないですし、ビジネスパーソンとしてやらなきゃいけないこともある。
そうした状況の中では、自分のやりたいことと、会社が求めていることの双方を擦り合わせていくことが大事だと思います。実はこの考え方は、エイチームに入ってから得られた気づきです。それまでに勤めていた会社では具体的に目標を立てることもありませんでした。エイチームに入社して、目標を立てる上で自分のやりたいことと会社が求めていることの重なりを増やしていく重要性を学びました。
出口:
自分の理想像、ありたい姿については現在模索中です。自分がどうなりたいのかを模索しながらインプットとアウトプットを繰り返していきたいと思います。会社としては、みんなでアウトプットを頑張れるような空間が作れるといい。限られた人数での活動は辛く感じることもあるので、関われる人を増やしていって、みんなで取り組めるようにしたいです。
綿貫:
まずは、マネージャーやスペシャリストなど組織や技術を率いる人たちが当たり前にアウトプットをする状態を目指したいです。その状態ができれば、きっとよりその他のメンバーも「アウトプットをすることが当然だから自分もやろう」という気持ちになるはずです。
結果、社員一人ひとりがそれぞれの分野でスペシャリティがあるアウトプットをする。そうなることでお互いにレベルの高いリクエストも飛ばしやすくなります。お互いにスペシャリティを発揮する働き方は、エイチームの社名の由来である「『特攻野郎Aチーム』(※)のように、どんな問題もチームワークで解決し、困難を乗り越えていくスペシャリスト集団にしたい」という想いにもつながります。
※ 得意分野を持つスペシャリスト達が活躍するアメリカのテレビドラマ
スペシャリティがある人たちが活躍している様子を目に見える形で表出していくことも大事です。社内では相乗効果が生まれるでしょうし、社外にも伝播していけば、例えば、採用活動においても大きなアピールになります。今在籍しているメンバーだけではなくて、エイチームの未来を担うような人たちにも広がっていく状態にしていきたいです。
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