コラム

2023/07/07

【社員インタビュー】ナレッジマネジメントで組織を変える!知識の共有と蓄積で強い組織・事業に導きたい。「引越し侍」のエンジニアが実践するナレッジ活用法

【社員インタビュー】ナレッジマネジメントで組織を変える!知識の共有と蓄積で強い組織・事業に導きたい。「引越し侍」のエンジニアが実践するナレッジ活用法

エイチームに入社する前はフリーランスのエンジニアとして活動していた長尾准誠さん。入社後は引越し比較・予約サイト『引越し侍』の開発を担当しています。「組織の課題を解決することに関心がある」と語る長尾さんは、現在、自らの提案によりナレッジマネジメントを取り組むプロジェクトを推進中。始めた経緯や具体的な取り組み内容のほか、ご自身が考えるナレッジマネジメントのあり方などについてお話を聞きました。

エイチームライフデザイン デザイン開発本部 長尾准誠さん

静岡大学 人文社会科学部卒。大学時代にエンジニアになることを決意してシアトルへ留学。コンピュータサイエンスを学ぶ。卒業後はフリーランスのWebエンジニアとして様々な受託開発に携わる。フリーランスとして働く中で「チームや組織で働きたい」という想いが芽生え、2022年9月にエイチーム入社。以来、「引越し侍」の開発を担当している。

海外留学を経て、フリーランスとして活動開始

エンジニアを目指すきっかけになった出来事

大学時代は吹奏楽の部活動に熱心に取り組んでいました。部活動ではお互いの連絡ツールとして掲示板を使用していたのですが、鍵の貸し借りに関する連絡が上手くいかない事態が発生しました。その際、私が新しくシステムを構築し直したところ課題を解決することができました。この経験が、エンジニアになろうと思った最初のきっかけです。

ソフトウェアを使って人の課題を解決すること。やり方や環境から変えていき課題解決に導くこと。そこに魅力を感じて、エンジニアを目指そうと決意しました。エンジニアの中でも、事業会社で直接プロダクトに関わるWebエンジニアになりたいと思いました。事業やサービスとの距離が近く、サービスを使ってくれるお客さまに直接価値を届けられるところが自分の理想と合致しました。

エンジニアになるためにシアトルへ

とはいえ、大学では法学を学んでいたので全く知識がありませんでした。Webエンジニアになる道について自分なりに調べたところ「英語力」「情報学の知識」が必要との情報にたどり着きました。

この2つが得られるものは何だろう?と考えた時に、「よし、留学しよう」と思い立ちました。エンジニアになる目標を達成するためにシアトルへ留学。1年間、コンピュータサイエンスを学びました。帰国後は大学に通いながら業務委託としてエンジニアの仕事を行うようになりました。

卒業後は就職せず、フリーランスのエンジニアに

ベンチャー企業でインターンシップを経験しましたが、就職はせずにフリーランスのエンジニアになりました。帰国後も学び続けていたのでWebの知識は向上していました。業務委託でWeb制作・開発を安定的に行っていたこともあり、フリーランスとして活動することに不安はありませんでした。また、様々な案件を経験していき、自分のスキルを高めていこうと考えたことも、フリーランスを選択した理由の一つです。

チームで働きたい。想いを実現するためにエイチームへ入社

フリーランスのメリットとデメリット

フリーランスのエンジニアとして働くメリットは、自分が磨きたい技術のキャッチアップに十分な時間をあてられること。また、自分がやりたい案件を選べることだと感じます。一方で、何でも一人で解決しなければならない点はデメリットです。もう一点デメリットだと思うのは、壁打ちできる相手がいないこと。

当時は「技術者として成長すること」を何よりも重視していました。自分の技術や携わっている案件に対して、壁打ちできる相手がいなかった点が一番辛かったかもしれません。技術の成長という観点で言うと、一人よりもチームで仕事をする方がベターだと思います。一緒に切磋琢磨しながら学べますし、お互いの技術をシェアすることで技術の幅も広がります。

転職活動で重視したポイント

転職活動を行ううえで「エンジニアとして技術的に成長できること」「当事者意識を持って取り組める土壌があること」「エンジニアとビジネスサイドの垣根が低いこと」の3つを軸として考えていました。

とにかく、ワンチームで働ける会社であることを重視しました。課題解決や事業の成功には、一人ひとりが言われたことをやるだけではなく、当事者意識=オーナーシップを持つべきだというのが私の考えです。みんながオーナーシップを持っていれば、エンジニアとビジネスサイドの垣根もなく、ワンチームで課題解決や事業の成功を目指せると考えていました。

エイチームの社員に感じた仕事へのオーナーシップ

転職活動を続ける中、エイチームのエンジニアの方がSNSで人材採用のイベントを告知しているのを目にしました。その方のお名前は個人的に技術的なことを調べていた時によく見かけていましたし、エイチームにも興味があったので採用イベントに申し込みました。

選考の際にそのエンジニアの方や、現在エイチームで一緒に働いているメンバーと面談する機会がありました。その時に、全員がオーナーシップを持っていることを実感したんです。他社からもオファーをいただいていましたが、まさに自分の定めた軸に一致したこともあり、エイチームへの入社を決めました。

初めて組織で働いて感じたこと

会社員になって知った難しさ

2022年9月にエイチームライフデザインに入社しました。入社以来「引越し侍」の開発部署に所属し、引越し侍に関する新規サービスの開発に携わっています。入社してまず感じたのは事業を成功させることの難しさ。

何を進めるうえでも予算に応じて計画を立てて、実行して、評価をしていかなくてはなりません。予算を考えながら進める難しさを会社員になって初めて痛感しました。

自分の考えを言語化できるように

入社してから意識的に取り組んでいることは、自分の考えを言葉にすること。もともと自分の考えを言語化するのが苦手です。でも、自分の意見を伝えて納得してもらうためには、ちゃんと言葉にしなければなりません。

個人的には定量的な情報、客観的な証拠をもとに次の計画や施策を考えることを大切にしていますが、その際も自身の考えをしっかり言語化する必要があります。今、私が所属しているチームには、自分と同じようなことを大切にしている人がたくさんいるので、皆さんから学ばせてもらうことも多いです。

自ら手を挙げてナレッジマネジメントを推進

対話の内容や意思決定のプロセスを記録する

今、チーム内でナレッジマネジメントを推進しています。まだまだ準備段階ではありますが、様々な取り組みを始めています。例えば、ドキュメントツールの活用。チームでの対話や得られた知見や学びなどが自然と記録されるように業務フローを設計して試験運用しています。

この取り組みを始めたのは、同じ事業を担当している部署間でも所有する情報にズレがあるのを感じたからです。エイチームライフデザインは部署が職能ごとに分かれています。そんな中でエンジニアの部署は数字を十分に把握できていない、一方でビジネス職の部署は開発されたプロダクトの内容を詳細に把握していない、といったように部署によってナレッジの理解度に差がありました。

また、情報が属人化している傾向もありました。そのため情報が失われてしまったり、過去にどのような意思決定がなされたのか把握できなかったり等、後に加わるメンバーがナレッジを得づらい状況もありました。そうした課題を解決するために、対話の内容や意思決定のプロセスを詳細にドキュメントに残したいと考えたんです。

ナレッジマネジメントに行き着いた理由

ナレッジマネジメントを始めようと思ったのは、ある気づきが得られたからです。私が担当する新規サービスの開発では機能を頻繁に更新していきます。その度にセキュリティも担保しなくてはなりません。更新のサイクルが早い中で、対応しきれずにインシデントが発生してしまうこともありました。後工程である私たち開発部門がなんとかして納期に間に合わせるといった進め方が常態化していました。

こうした事態についてメンバーたちに話を聞くと、これまで看過してきたわけではなく改善しようと個別には動いていたようでした。ただ根本の解決に至っていないことを考えた時に、私は「解決までに至らないボトルネックは、組織内での情報の非対称性や情報の属人化にあるのではないか?」と疑問を持ちました。この気づきが、後のナレッジマネジメントの提案につながりました。

組織の課題に強い関心を持つ

自らナレッジマネジメントを推進できる理由は二つあると思っています。一つは、組織の課題に対する関心の強さ。学生時代に行っていたインターンシップで、オーナーシップが求められる案件を担当したことがあります。しかも、事業の発展に直接影響するようなポジションを任されました。

この経験で学んだことは、自分一人で成果を出すよりもチーム全体で成果を出すことが事業の発展には欠かせないこと。そして、チームとしてより価値を生み出すためには、組織課題の解決が大切であること。以来、組織の課題に対して強く関心を抱くようになりました。その関心の強さが、主体的にナレッジマネジメントを推進する原動力になっているように思います。

チームの課題を解決して、みんなで幸せに

もう一つは、私独自の考え方。「誰かの行動は周りの環境に規定される」と私は考えています。例えば、冒頭でお話した大学の部活動の掲示板。掲示板自体が扱いづらいものだったら、そのうち書き込むことすら忘れてしまいます。

このように外部の環境に人の行動が決定づけられることもあると思います。さらに「環境に人の行動が決定づけられることで、みんなが幸せにならない状況も生まれてしまう」と考えているのが私の特性です。

そして「自分が何かを提案し、環境を変えることで状況を改善したい、みんなが幸せになる状況にしたい」と強く思います。チームの課題を解決することが根っから好きなんです。だからこそ、ナレッジマネジメントに意欲的に、かつ楽しく取り組めているんだと思います。

私が考えるナレッジマネジメントのあり方

ナレッジワークの思考をドキュメント化して共有

組織の様々な場所で情報が活用されるように設計、運営されることがナレッジマネジメントの一般的な定義だと思いますが、これを実現する手段は幾つもあると考えています。私が実践したいと考える手段は、ナレッジワークと言いますか、知識や情報を活用して問題解決や創造的なことを行うような仕事で、それぞれが考えていることをしっかりドキュメントに残して共有すること。

そして、残したドキュメントをもとに対話を行うこと。つまり、それぞれの意見の思考の部分も含めてあらかじめ文章に書き出し、メンバー同士のコミュニケーションを通して、伝達できる学びに昇華させて、共有できる知識にしていきます。このような手段は、ナレッジマネジメントを達成する組織運営のやり方としても有効だと思います。

コミュニケーションの具体的な内容も記録すべき

コミュニケーションも感情を含めてドキュメントに残すべきです。例えば、議事録は、話した内容だけを事実として記録することが多いと思います。しかし、それだと後から読んで伝わるナレッジになっていかないと思います。ドキュメントをより価値あるものにするためには、その場で交わされた会話、感情など、結論に至るまでのコミュニケーションもちゃんと記録すべきです。

結論だけが残っているよりも、結論に至るまでのプロセスまで残っているほうが、よりハイレベルな情報共有、情報活用ができるはずです。

ナレッジを活用して競争優位性を生む

組織で知識を共有する重要性が以前よりも高まっているように感じます。その背景にはインターネットの発展があると思います。情報の平準化が進んでおり、その情報をもとに事業やサービスを再現できるような環境が整ってきたことで、既存のサービスをマネしやすい状況にあるのではないでしょうか。

マネをされないためにも、自社のナレッジを共有し、活用して競争優位性を生み出すことは大事です。技術は模倣されやすいですが、自社に蓄積された知識、あるいは想いや感情といったものはマネされません。自社ならではの付加価値をつける意味でも、組織で知識を共有することがより重要になってきていると思います。

これからの方向性、実現したいこと

大きな組織だからこそ、ナレッジマネジメントを

事業を成功させていくためには、一人ひとりがオーナーシップを持つことが必要だと思います。小さな組織ではお互いにコミュニケーションが取りやすく、一人ひとりのオーナーシップをコラボレーションさせることも比較的簡単です。

エイチームライフデザインのような大きな組織になると、なかなか簡単にはいきません。対話の機会が減って、お互いが前提としている背景なども把握できず、意見が噛み合わない事態も起こり得ます。そうならないためにもナレッジをドキュメントとして残し、メンバー全員が理解したいときに理解できるようなマネジメントを実施していきたいと考えています。

お互いを認め合いながら課題を解決

エイチームの採用メッセージ「仕事を楽しくするのは、自分だ。」を日々実感しています。というよりも、実感させてもらっているという感覚に近いかもしれません。エイチームでは、自分がやりたいことがやりやすい形で進められます。

その中で私が大切にしているのは、課題のボトルネックになっている環境を特定して課題を解決していくこと。それを個人的には「根本的に課題を解決していくこと」と呼んでいます。そして、解決のために提案をして、組織の中で実行していくことが自身のミッションであると考えています。

ミッション遂行のために意識していることは、周りのメンバーや関係者の方とのコミュニケーションを通じて、お互いが納得できる形で仕事を進めていくこと。“Ateam People”にも「お互いを認め合える」とあるように、お互いを認め合える組織の中で多くの課題を解決していきたいと思います。

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