住宅ローンがあるとふるさと納税で損するんですか？

八木 陽子

2024-04-30

ご質問ありがとうございます。 2021年に住宅ローンを組まれ、今年からふるさと納税を始められたのですね。 住宅ローン減税とふるさと納税は、どちらも所得税や住民税を控除できる制度ですので、場合によっては住宅ローン控除が満額受けられないことがあります。 ふるさと納税の手続きには２つの方法があります。 ①ワンストップ特例制度 住民税から控除されます。 寄付のたびに各自治体に必要書類を提出すれば、手続きが完了する方法です。 寄付先が5か所までの場合に利用できます。 ②確定申告 所得税と住民税から控除されます。 寄付先が6か所以上の場合は確定申告が必要です。 また、医療費控除や副業収入などで確定申告をする場合は、寄付先が5か所以下であってもワンストップ特例制度の申請は無効となり、確定申告での手続きが必要となります。 なお住宅ローン減税は、2年目以降は会社員は年末調整で申告ができますが、初年度は必ず確定申告が必要です。 ②の確定申告の場合、計算の順番は ふるさと納税（所得控除）　→　住宅ローン減税（税額控除） となります。 したがって、所得税から控除できる住宅ローン減税額が少なくなります。 住宅ローン減税は、所得税から控除しきれなかった場合には住民税から控除されます。ただし住民税から控除できる金額には上限があるため全額差し引けない場合があり、その場合はお友達の言われる「損している」状態に該当することになります。 ※2021年度に住宅ローンを組んだ方の住民税の上限額は、「前年分の所得税における課税総所得金額の7%」と「13万6,500円」のいずれか少ないほうです。 以上のことから、ふるさと納税はできるだけ①のワンストップ特例制度を利用することをおすすめします。 ワンストップ特例制度であれば ふるさと納税は住民税からの控除のみのため、住宅ローン減税の所得税控除額に影響はありません。 また、所得税から控除しきれず住民税からの控除が発生する場合も、互いに影響することなく併用することができます。 なお、ふるさと納税サイトなどでも住宅ローン控除を考慮したシミュレーションができますので、参考までに掲載しておきます。もしくは、税理士やFPにシミュレーションしてもらうこともできます。 昨年の源泉徴収票と住宅ローン控除資料などをもとに、今年の収入と年末の住宅ローン減税額を入力し、おおよその金額を計算してみると良いでしょう。 ●ふるなび「詳しく！本格シミュレーション」 https://furunavi.jp/deduction.aspx ●さとふる「より正確な金額がわかる！詳細シミュレーション」 https://www.satofull.jp/static/calculation01.php#02

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