老後に必要な資金について
男性63歳その他既婚/子供あり
相談内容:老後資金の見直し・シミュレーション
現在63歳、男です。以下を教えて頂きたいです。 1)老後資金として、最低必要な老後資金額及び、資金的に余裕がある金額は、いくらなのか。 2)現在年金暮らしをしている人は、平均いくら 老後資金を用意したのか。 3)現在年金をもらっている人は、1年間で、いくらで生活しているのか。
回答一覧
- 伊藤 亮太
2023-08-21
ファイナンシャルプランナーの伊藤亮太です。回答させていただきます。 まず、老後資金として、最低必要な老後資金ですが、必ずしも決まった額で断定はできません。一例ですが、(参考1)の総務省『家計調査(2022年平均)』から、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支(2022年)を確認すると、実収入が24万6,237円に対して消費支出が23万6,696円、非消費支出は31,812円。不足分は22,270円となっています。これは、1ヵ月で2万円ほど収支がマイナスになるという意味であり、この分を貯めてきたお金などでカバーしなければならないことを意味します。仮に毎月22,270円の赤字だとして、65歳から87歳(女性の平均寿命を考慮)までの22年間でいくら必要となるかを試算すると、22,270円×12ヵ月×22年=5,879,280円となります。仮に100歳まで生きたとすると、22,270円×12ヵ月×35年=9,353,400円となります。 これはあくまでも平均値から出したものであり、毎月さらに支出がかさむといった場合にはさらに資金が必要となってきます。また、物価上昇等を考慮すると、さらに資金は必要と考えられます。そのため、ご夫婦の場合、65歳の段階で少なくとも1000万円以上の資金は確保しておくべきではないでしょうか。また、余裕のある生活がしたい場合には、月に36万円程度の資金が必要といわれています。仮に厚生年金がご夫婦で22万円入ってくるとした場合、月に14万円不足します。22年で3,696万円、35年で5,880万円不足することになります。これぐらいあれば資金に余裕を持った生活ができるでしょう。 2つ目のご質問は、あくまで参考となるデータとして、(参考2)の家計調査報告を示しておきます。世帯主が60~69歳の貯蓄・負債現在高は、貯蓄が2,458万円、負債が207万円となっています。そのため、2,000万円以上貯めているご家庭が多いように見受けられます。 3つ目のご質問は、(参考1)の総務省『家計調査(2022年平均)』から垣間見ることができます。家計調査によれば、65歳以上のご夫婦での1ヵ月の生活費が268,508円となっています。そのため、1年間で3,222,096円の生活費で過ごしていることがわかります。 持っている人と持っていない人の差が大きくなりつつありますゆえ、あくまでも参考としてください。あとはご自身でどう生活したいかにかかっています。 (参考1)総務省『家計調査(2022年平均)』 p.18に65歳以上の夫婦のみの無職世帯における家計収支が掲載されています。 https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2022.pdf (参考2)総務省『家計調査報告(貯蓄・負債編)(2022年平均結果(二人以上の世帯))』 p.4に年齢別の貯蓄・負債状況が掲載されています。 https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2022_yoyaku.pdf