低金利、住宅ローン控除、それでも持ち家派？賃貸派？

千日 太郎

2023-12-16

世界の人事部さん、ご相談をありがとうございます。公認会計士の千日太郎です。 賃貸か持ち家か？というのは、インターネット上の議論として永遠のテーマであるかのように言われますね。 私の見方としては家を売るための広告装置にすぎないと思っています。「家を買うべきではない」という結論になる意見もまた、家を売るための広告です。読んだ人がその理論の穴を見つけて「こいつは間違っている、家を買った方が得だ」と思わせる仕掛けです。 私の著書の「家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本」（日本実業出版社）では、その議論について、一つの回答を書いていますので、良かったら読んでみてください。 自分にとって「家を買うとは何か？」という命題に対して、ちゃんとした答えを持つことが、初心者が百戦錬磨の営業マンと対等以上に渡り合い、後悔の無い家を買うことにつながると思っています。 賃貸か持家のどっちが得か？これは家を売りたい人と家を貸したい人が考えた広告装置なんですよね。営業マンは、家を買った方が得になる計算をして「ホラ、家は買った方がトクでしょ？」と言いたいんです。ひいては我々の判断を彼らの得意分野である損得勘定に誘導することが目的です。 もちろん、彼らが我々を陥れることで自分だけが得をしたいと思っているわけではありません（そういう悪徳業者もいますが）、殆どの営業マンはただ家を売りたいだけです。買いたい我々と利害の一致する所だってあります。それにこちらは初心者ですから、彼らから情報を集めることも必要なんです。けして対立することを勧めているのではありません。 損得だけに縛られないことが重要なのです。 家を買う人の多くは既に家族を持っています。これから買う家で暮らすのは家族です。我々が買うのは不動産としての家だけではなく幸せな家族の人生なのです。目には見えませんが、こっちの方が遥かに大事なことですよね。ですよね？これを実現するための損得勘定ならいいんです。 目的：将来にわたり家族と自分の人生を守ること。 手段：現時点で判断できる損得勘定。 しかし、どうしても目に見える損得の方に目を奪われてしまいます。目に見えないものは、もちろん大事と頭でわかっていても後回しにされがちです。そしていつのまにか手段と目的がひっくり返ってしまう。 家を買うというのは家族と自分の人生を守る、人生のプロジェクトです。不動産としての家だけでなく、完済までの資金計画、完済後の老後資金も含めて、家族と自分の人生を守る計画をも含むものなんですよ。 世界の人事部さんが人生のプロジェクトをやりとげ、ご家族と素敵な人生を歩まれることを祈っています。

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