コラム

2025/08/27

【社員インタビュー】経営変革期に挑む開示・ガバナンスG、専門家集団として企業価値向上を支える

【社員インタビュー】経営変革期に挑む開示・ガバナンスG、専門家集団として企業価値向上を支える

企業が社会からの信頼を獲得し、持続的に成長していくためには、経営の実態を正しく伝える「開示」の役割がますます重要になっています。なかでも上場企業においては、株主や投資家をはじめとするステークホルダーに対して、透明性の高い会計情報を届けることは重要な責務です。その責務の一翼を担うのは、エイチームの会計の開示業務を担う開示・ガバナンスグループのマネージャー今村健登さん。ご自身のキャリアから連結決算・開示の機能と役割、エイチームならではの開示業務の醍醐味、部署が求める人物像など幅広くお話してもらいました。

エイチームホールディングス 管理部 開示・ガバナンスグループ
マネージャー 今村 健登さん

北海道大学卒業後、2018年に新卒でエイチーム入社。経理業務を担当した後、開示に関する資料作成業務に従事する。現在は開示・ガバナンスグループのマネージャーとして部署をマネジメントする他、決算開示業務を主に担当している。

会計という「言語」に魅力を感じる

自ら希望して会計の道へ

新卒で入社し、コーポレート部門への配属は自ら希望しました。大学は心理学専攻で会計の知識は全くありませんでしたが、入社後の新卒研修で「会計って面白い!」と感じたんです。世の中には様々な企業が存在して、いろんな事業を展開しています。それぞれの企業を会計という「言語」で表すと、全く違う業態の企業も同じ土俵の上で比較できることを知りました。そのような世界観に知識好奇心が刺激されたんです。財務諸表を見れば、その会社を語ることができます。しかもそれは、人間がゼロからつくっている領域。とても洗練された世界であると素人ながら感じて興味を持ちました。

経理で経験を積んだ後に開示業務を担当

入社後は経理を担当しました。当社の経理は、エイチームグループの子会社を各メンバーが担当する形を採っています。いくつかの子会社、事業の経理業務を経験し、経理の知識やその他様々な業務のフローを学ぶことができました。経験を積む中で、決算短信や有価証券報告書など、会社全体の会計情報を開示する書類作成を任されるようになりました。開示業務には以前から関心があり、上司にも希望を伝えていたため、担当できるようになったことを嬉しく思いました。直近1年間は、決算開示業務に加え、取締役会事務局や内部統制にも携わっています。

エイチームの成長戦略に貢献するために

開示・ガバナンスグループのミッション

エイチームが東証プライム上場企業として会計基準を満たすこと、そして戦略を遂行して成長していくために会計の専門家集団として“守り”と“攻め”に貢献すること。以上が私たち開示・ガバナンスグループのミッションです。

具体的には、開示・税務関連業務に加え、取締役会をはじめとする意思決定機関の運営・設計にも携わっています。また、内部統制を担当し、想定されるリスクを洗い出し、その低減策を講じる役割も担っています。いずれも高度な専門性を要する分野であり、それぞれの業務は専門知識を持つメンバーが対応しています。

M&A推進とガバナンスの両立

現在、エイチームでは成長戦略として掲げる「売上向上支援カンパニー」への変革に向かって、M&Aを精力的にすすめています。エイチームグループにジョインする企業は、エイチームとはビジネスも企業文化も異なります。ガバナンスの観点では、これまで通じていた「あ・うん」の呼吸が通用しなくなり、統制のあり方を見直す必要が生じています。ジョインする企業に対して、どこをしっかり統制し、どこを尊重して自由を持たせるのか。これまでは考える機会がなかった「線引き」を明確にすることが求められています。今後M&Aを推進していく上で、何を守り、どこまで柔軟性を許容するのか。その考え方を今、構築している段階です。

この1年間の経験で高まった視座

成長戦略を力強く推進したこの1年間で、エイチームグループには4社がM&Aでジョインしました。M&Aに伴う対応は全く経験がなく、手探りで進めるような状態でした。大変な面はありましたが、すべてを自社内で完結させるのではなく、適切に外部の力を借りることで円滑に進められた部分もありました。例えば、会計分野においては監査法人は私たち以上の専門性を有しています。多くの課題について議論し、情報を共有しながら対応を進めてきました。

自分自身のことで言うと、M&Aというこれまで経験したことがない領域に携わり、またレベルの高い方々と議論を繰り返す経験をしたことで、視座が高くなった実感があります。それまではいちスタッフの視点で物事を捉えていて、エイチームグループ全体について考えることはあまりありませんでした。M&Aの対応においては、ジョインする企業の組織全体や経営のあり方について考える必要があります。そのような経験が1年続いたことにより視座が高まり、考える領域も一気に広がったように感じます。

開示業務を担当する者の心得

なぜ「開示」「連結決算」は必要なのか

エイチームは上場企業なので多くの投資家・株主が存在し、業績を正確かつ適切に伝える義務があります。決算短信や有価証券報告書などを通じて、一定期間の業績を開示する必要があり、その際は国の法律や会計基準に則ったルールに従うことが求められます。統一された基準に基づいて情報を開示することにより、株主・投資家の皆さまはエイチームと他の企業を公平に比較・判断することができます。いわゆるアップルトゥアップルでの比較が可能となるように整えなければなりません。

また、エイチームグループには複数の子会社があるので、エイチームに投資する方はエイチームグループ全体に投資していると言えます。したがって、エイチームホールディングスの業績だけではなく、エイチームグループ全体の業績を発表する必要があります。そのためにグループ全体を一つの企業とみなして、グループ全体の財務状況を明らかにする連結決算を行う必要があります。

プライム上場企業ならではの責任の大きさ

エイチームはプライム上場企業ですので、株主・投資家の皆さまからの期待も大きいです。皆さまの期待に応えることも開示の役割の一つだと考えています。やはり期待を裏切ることはできないですし、開示することの責任についてはプライム上場企業だからこその大きさを感じます。そのような責任の大きさも意識しながら、開示業務に取り組んでいます。

専門家集団ゆえに意識すべきこと

専門的な分野を扱うので、常に学び続ける姿勢が求められます。ただ、私たちのような専門性の高い集団は、知識やスキルを持つと「自分の知っていることがすべて」と自信を持ってしまいがちです。その結果、外部に頼ることを忘れ、自分の知識の限界に気づけなくなることがあります。

だからこそ、常に「本当にこれでいいのか?」と意識し続けることが大切です。プライドは捨てて、知識や進め方を含めて、外部に目を向けることは大事だと思います。例えば、監査法人に意見を求めたり、開示書類を作成するシステムを扱う会社に相談したり等、各方面のプロフェッショナルと連携することが重要です。そうした外部と良好な関係を築き、適切に頼り続けられるようにすることも意識しながら取り組んでいます。

積極的に取り組んでいること

お互いの専門分野を理解する機会を創出

開示・ガバナンスグループは専門家集団とはいえ、メンバーそれぞれの専門分野は異なり(内部統制・開示・税務など)、他のメンバーの業務内容を十分に理解していないこともあります。しかし、同じ部署内で業務を進めている以上、お互いの領域を理解しておくことは重要です。

そうした中で最近、中途入社で内部統制の経験が豊富なメンバーが加わり、定期的に内部統制の勉強会を開催しています。各子会社の業務に関わるメンバーも対象として、内部統制の基本的な考え方から具体的なフロー、実施の背景や理由に至るまで丁寧に解説しています。「なぜこの対応が必要なのか」といった根本的な理解を、全員で共通して持つことを目的とした取り組みです。難しい内容も噛み砕いて説明してくれるため、とても有意義な学びの機会になっています。

グループとしてやるべきこと、やるべきではないこと

その他、意識的に取り組んでいるのは「グループとして取り組むべきこと」と「そうでないこと」の線引きです。私たちは会計や税務などの分野で他部署から頼られることも多いです。頼ってもらうことも大切ですが、そうした対応に時間を取られすぎてしまうと、今、会社として注力すべきM&Aの対応等に十分な時間を割けなくなります。今、自分たちがやるべきこととそうでないものを整理し、他部署とも連携しながら進めています。他部門とは、単なる“御用聞き”ではなく、健全な関係性を保ちたいと考えています。

企業価値向上を実感できた取り組み

今期、暗号資産を扱うサービスを運営するPaddle社がジョインしました。暗号資産の市場価格変動が営業利益に影響を与えることから、決算発表では投資者に向けて事業の収益性を適切に表す必要がありました。会計処理についても、開示についても、非常に難易度が高く、慎重な検討が必要でした。

会計領域において、暗号資産に関する会計処理は新しい分野であり、法的にも整備が整っておらず、かつ導入企業も少ないため先進事例がほぼありません。手探り状態ではありましたが、何度も会計処理について議論を重ねていきました。また、専門的な内容をいかに投資者に説明するのかという点は、IRグループが試行錯誤しながら開示資料をつくっていきました。最終的には「調整後EBITDA」という業績評価指標を導入したことで、適切に株式市場に対して説明することができ、株価のボラティリティ低減という点でも寄与できたのではと感じています。

【調整後EBITDAの解説記事】新たに導入した業績評価指標「調整後EBITDA」を解説

エイチームの開示業務に相応しい人材

エイチームならではの醍醐味・やりがい

今、会社は大きく変化しています。その変化の波に乗れることが、大きなやりがいにつながっています。今の変化の様子を会計というフォーマットで明確に伝えることも、私たち開示・ガバナンスグループの役割の一つです。その業務に直接関わることで、会社の変化を肌で感じることができます。そうした実感がありながら、各事業が生み出した価値を世の中にどう伝えるのかを考え、整理することに面白みを感じています。

また、M&Aによってエイチームグループにジョインする企業が増える中、それに伴い新しい「当たり前」を自分たちがつくれるところも醍醐味です。今、確かに大変な時期ですが、10年後を見据えた時に「あの時に考えたことが、今、当たり前になっているよね」と振り返られるような、まさにその転換点にいると感じながら仕事をしています。仕事のスケールが大きく、会社全体を動かす仕事に携われている実感があります。

一緒に波に乗れる人と働きたい

開示・ガバナンスグループに新たな仲間を迎え入れるとしたら、専門的な知識とスキルを持っていて、なお且つ、今の変化の波に乗って前進してくれる人が理想です。専門性とフットワークの軽さの両立は難しいと思いますが、だからといって妥協したくはありません。専門性が高いだけではなく、今、エイチームが迎えている大きな変化を面白がれる人、楽しみながら前進していける人と働きたいです。

知識の習得はあくまでも手段

もともと難易度、専門性の高い業務であり、開示要請レベルも高くなっています。当然、学び続ける姿勢が求められます。とはいえ、いわゆるアカデミックな勉強、学びに関心が高い人を求めているわけではありません。知識は、会社を成長させるための手段です。自分の知識を高めることを第一の目的に置くのではなく、会社の成長のために知識を身につけたい、学びを深めたいと考えられる人が良いです。

人に興味を持ち、チームで仕事が進められる人

もう一点求めたいのは、エイチームの文化であるチームで仕事を進められる人であること。個人で仕事を進めるのではなく、仲間と対話や議論を重ねながら仕事を進める志向がある人が良いです。人が好き、人に興味がある、おせっかいなくらいに人に介入するようなタイプ。そういう方は仕事の領域がじわじわ広がっていきますし、壁を設けることなく、様々な業務に積極的に携わっていってくれると思います。

開示・ガバナンスグループのこれから

先回りして提案できる専門家集団に

この一年は「今、目の前にあるM&Aの対応をする」ことに終始していました。これからは目の前の対応に追われるのではなく、先回りして提案できるグループでありたいです。そのために一年でやってきたことを振り返って、自分たちがやるべき方向性を洗い出したいと思います。その上でエイチームが掲げている成長戦略に対して、専門家集団として貢献していきたいと考えています。より遠くを見られるように視座を高めて、先回りで提案していける集団を目指します。

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