コラム
2025/07/25
【社員インタビュー】デザインとは「対話」。Creativityを発揮して、デザインを通したユーザーとのコミュニケーションを大切に

「デザインとは“対話”です」と印象的な言葉を語るのは、エイチームウェルネスのデザイナーであるM.I.さん。中学生のころからものづくりに携わってきたM.I.さんの、デザインに対する価値観や仕事において大切にしていることについて聞きました。
エイチームウェルネス デザイナー M.I.さん
中学生の頃より音楽活動を開始し、複数のアーティストの映像や楽曲の制作に携わる。広告代理店におけるデザインや映像制作に加え、フリーランスでゲームやアプリの開発経験を経て、2023年1月にエイチームに入社。エイチームフィナジー、エイチームライフデザインで勤務した後、現在はエイチームウェルネスにてブランド力の向上やグラフィックの強化を中心に事業成長に向けて尽力中。
若いころから多くの経験を積み、様々なものをつくってきた
中学生の頃から制作の現場に立ち、Creativityの源泉を培った
私には少し特殊な経歴があります。中学生の頃から、知人のアーティスト達のPV・MV制作の仕事に関わったり、伴奏の制作やリミックスなどを中心に音楽を作る仕事をしていました。徐々に仕事の幅を増やし、最初はアーティストのホームページやライブポスターなどからデザイン業務も担当するようになりました。
私の「ものをつくることが好き」という気持ちは、きっと10代の頃のこのような活動から来ているのだと思います。自らが手がけた演出で、お客さんが喜んでくれることが嬉しく、体験を通して感情を揺さぶられている姿に強く惹かれました。この原体験が私のCreativity(創造性)の源泉です。
好きなものを売ることから、「売れるモノをつくる」にシフトチェンジ
フリーランスでの仕事を経た後、広告代理店に入社しました。それまでは自分の好きなものを作って世の中に出すということを中心に活動してきましたが、「売れるモノをつくる」ということに興味を持ち、広告のデザインを学びたいと思ったことがきっかけでした。代理店では、商品やCMの撮影など、クリエイティブリーダーという立場で仕事をしてきました。5年間務めましたが、その間も副業としてフリーランスの仕事を続けていました。
単独でのゲーム制作を通して、チームで働くことに興味を持つようになった
代理店を退職し、エイチームに入社するまでの間は、フリーランスでゲーム制作をしていました。出版社のコンテストに2度応募しましたが、その両方とも優秀賞をいただくことができたことから、企画力も武器にしていくべきだと考えるようになりました。ゲーム制作では企画から開発まで一貫して一人で行っていました。
一人でゲームを開発していて、気づいたことがあります。ゲームって「総合格闘技」なんですよね。3Dモデリングやアニメーション、マテリアルやシェーダーの開発、映像処理やサウンドエフェクトの制作、プログラミング、UIデザイン、プロジェクトマネジメントなど、あらゆる要素が詰まっています。それぞれのタスクをこなすには相応に時間がかかります。時間がかかると、せっかく勢いのある企画も徐々に鈍化し、鮮度が落ちていくような感覚があります。当然、各分野のプロがチームになり、協力しながら制作をした方がクオリティや制作スピードなどあらゆる面で効率がいいはずです。
代理店時代も数名で仕事をしていましたが、個々の仕事を一つにまとめて直線的に送り届けるようなイメージに近かったです。チームで一つのものを作り上げるという雰囲気ではありませんでした。「チームで働く」という価値観はこれまでの私には無かったものなのですが、一人でゲームを開発することを通して、タスクの強度を上げるためにチームで働きたいと思うようになりました。
入社の決め手と、入社後に感じた良いギャップ
代表との面接で入社を決意
エイチームに入社した経緯としては、最初は代理店で美容商品を扱っていたこともあり、化粧品などを取り扱うエイチームウェルネスの選考を受けましたが、適正や業務内容を鑑みてエイチームフィナジーの選考を提案してもらいました。エイチームフィナジーでは企画から携わることができ、グラフィックはもちろん、フロントエンド領域まで任せてもらえるということを知り、受けてみようと決めました。
入社を決めた最終的な理由としては、当時のエイチームフィナジーの社長との面接です。腹を割って正直に対話をするところなど、人に対しての考え方が「自分と合う」と感じ、こういう社長の元であればきっと似た社員が集まっているだろう、自分が楽しく働けるだろうと思ったんです。スキルに関しても、今はまだできないことがあっても、できるようになるまで努力をすればいいだけだと考えていたので、まず第一に「私は誰と何がしたいのか」を大切に考えた結果、「私はこの会社の人と一緒にものづくりがしたい」と思い、エイチームへの入社を決めました。
エイチームに入社して感じたギャップ
正直に言いますと「規模の大きい会社は人の意見は重要視されない」「トップダウン型の社風」というイメージがありました。しかし実際にエイチームに入社してみるとそんなことはありませんでした。社員の小さな気づきや意見もとても大切にしていて、意見を言ってみたら実現することも多く、柔軟性がある社風です。一人ひとりの意見にしっかりと耳を傾ける文化があり、意見を言いにくい雰囲気は感じませんでした。また、挑戦心のある人が多く、そこもエイチームの良さだと思っています。
入社してからの様々な経験を通して
社内イベントを通して仲間に認めてもらえるようになった
入社後すぐ、エイチームフィナジーの設立4周年記念イベントが行われることになり、レクリエーションを企画することになりました。私は誰かに喜んでもらったり楽しんでもらうことが大好きだったので、クリエイティブ係として立候補しました。上長の方の顔を3Dモデルで作成してみたり、洋画のパロディの動画を制作したりしました。撮影に協力してくださったみなさんが楽しんでくれ、映像の完成を心待ちにしてくれていました。そこで、余韻まで楽しんでもらおうと思い、パロディ元の作品との比較動画やメイキング動画なども作成しました。この経験は今の私に大きな影響を与えていると思います。
エイチームフィナジーでの経験にわくわくや楽しさを感じたこともあり、グループ全体で行う「Ateam PARTY」という表彰式イベントの制作スタッフにも立候補しました。私からチームのメンバーに、「参加者にどんな体験を届けたいか言語化すること」、「参加することで得られるメリットやモチベーションを明確にすること」を提案しました。それがきっかけとなり、コロナ禍以降初めてのオフラインイベントであったため、「イベント後も交流が続くような関係性をつくりたい」という方針が生まれ、「PARTY」というタイトルから派生した「仲間」「友達」「ゲーム(RPG)」といった関連するワードを元に、「Ateam RPG」というコンセプトが誕生しました。当日は、社内のメンバーの交流が深まり、楽しんでもらえたと思います。
社内イベントへの参加を通して、私が「人の感情を動かすクリエイティブ」が得意領域であることを社内で認知していただけたり、様々な技術を駆使できることが多くの方に伝わり、幅広い業務を最前線で任せていただけるようになりました。特に「人の体験を最優先にしたコンテンツやグラフィックの制作」については、一番最初に声がかかるようになり、仲間に技術を認めてもらえてとても嬉しかったです。
深く反省した失敗経験
仕事をしている中で、失敗したこともありました。私は一人で仕事をしてきた時間が長いため、チームでの合意形成が曖昧なまま仕事を進めてしまう傾向があります。良くも悪くも、思いついたら自分からすぐに動いてしまうんです。
深く反省した失敗体験は、カードローン事業においてこれまでとは全く異なる仕様で新規LPを制作することになったときのことです。動的な動作を入れるための実装を、「お客さまの触れる範囲はデザイナーの仕事」と自己判断し、エンジニアに十分な相談をせずに開発を進行してしまいました。開発自体はできたのですが、エンジニアにとっては読みづらいコードとなってしまい、今後の運用や保守を行うエンジニアの判断で、コードを書き直すということが起きてしまいました。もちろん上長や前任者のエンジニアには相談していたのですが、担当エンジニアが途中で変わってしまったこともあり、こういった失敗が起きてしまったんです。お客さまが触る部分はデザイナーが責任を持ちたいと考えてやったことなのですが、結果的にエンジニアに迷惑をかけることになってしまいました。
こういった失敗を通して、反省を繰り返しながらだんだんと個人からチームに主軸を置けるようになってきたと思います。
職能の越境は「人の仕事を奪うことではない」
こうした経験を通して、職能の越境は「人の仕事を奪うことではない」と考えるようになりました。違う職能の人がどんな仕事をしているのか理解し、その視点を持った提案ができるようになることが越境の正しい姿だと思っています。
例えば「バナーを作ってください」という依頼一つとっても、職能によって解像度は違います。デザイナー以外の職能にとっては、必要な文言を決めて色を決めて配置する、というイメージだと思いますが、デザイナーにとっては、「なぜそのバナーが必要なのか」という背景を理解した上で、「ブランドやターゲットに合わせて興味をもってもらえるような内容、配置、配色を設計し、アクセシビリティにも十分配慮したバナーを作ってください。」という風に聞こえるんです(笑)。
同じように、他の職能によってもそれぞれの解像度があると思います。越境とは、お互いの仕事を理解し合うことです。また、「ここまでは責任を持てる」という範囲を自分で理解しておくことも重要です。
仕事をする上で大切にしていること
クリエイティブの力を通してみんなに仕事を楽しんでもらう
仕事をする上で大切にしていることの一つは、クリエイティブの力を通してみんなに仕事を楽しんでもらうことです。例えば、社内で何かイベントや発表があるときはスライドを一からデザインしたり、壮大で特別な映像をつくったりします。その際、より自社のブランドを感じてもらいやすいようにデザインすることで、ブランドへの愛着を持ってもらうことを意識しています。
また、社内用であるからといって気を抜かず、十分なクオリティでしっかり作り上げるようにしています。自社のコンテンツを見て「おしゃれ」、「かっこいい」と感じてもらうことができれば、それだけでも自社への愛ややる気が湧いてくるのではないかと思います。
人が触れる部分に責任を持つ
デザイナーとしては、「人が触れる部分」について誰よりも責任を持つことを大切にしています。ユーザーが見たい、触れたいと思うもの、思った通りの反応を返せるようなUIをつくることを意識しています。
また、この先も廃れていないものを創造できるかという部分も大切にしています。技術はどんどん古くなります。古いものを今使うと、3年後にはさらに古いものになります。今できる最新のものであり、なおかつ一緒に働く仲間の手にも馴染む技術を選定することを意識しています。
デザインとは「対話」
私にとって、デザインとは「対話」です。制作した全てのものは、お客さまに見ていただいたり実際に触れてもらうことで、初めてその価値を発揮します。提供するサービスに何らかの興味を示し、利用してくださるお客さまに全力でリアクションするイメージで仕事をしています。
ゲームの開発においては特にその要素が強いと思っています。意味深なドアが目の前にあれば、誰でも「開けてみたい」と思いますよね?「何が起こるかな…」という期待に応えること、それが大切です。未知の世界が広がっている、ゾンビが出てくる、ドアが開かない代わりに鍵の在処などヒントが表示されるなど、お客さまがドアに触れたという行動に対して、必ず何かしらのリアクションを返すようにしています。何のリアクションもないまま反応しないということだけは絶対に避けなければいけません。
デザインにおいて、お客さまがせっかく触ってみたのに何も起きないなんてことがあってはなりません。それは、勇気を出して「おはよう!」と挨拶したのに無視をされるようなものだと思います。
デザインを通してお客さまと「対話」すること。それこそが私の仕事であり、何よりも大切にしていることです。
新しいカルチャーの中で成長したい
私は中学生のころからCreativityを発揮し、さまざまな経験をしてきました。一人でもチームでもものづくりをしてきた経験を通して、今の価値観が出来上がったと思います。今後はエイチーム合衆国という新しいカルチャーの中で、会社と共に幅広く成長し、世の中をもっと便利に、もっと楽しくするために、貢献していきたいです。