コラム
2025/06/26
【サステナビリティ】車査定・車買取サイト「ナビクル」が考える中古車市場のサステナビリティとは。より良い市場をつくるための使命と役割。

車買取一括査定サイト『ナビクル』は「クルマに関わるすべての人へ、最幸の“出会えてよかった”を」というミッションのもと、2007年にサービスを開始しました。以来、車買取一括査定サービスとして、お得な情報をユーザーにお届けすることで車を手放す際の選択肢を増やすという価値を提供してきました。また、集客支援や営業支援などクライアント企業の事業運営に関わる様々なお困りごとを解決するなど、中古車業界に対して多様な価値を提供しています。今回のインタビューでは、自動車事業部の営業マネージャーである小出泰之さんに『ナビクル』の提供価値や、中古車市場の健全化と発展に向けた取り組みなどについてお話を聞きました。
エイチームライフデザイン 自動車事業部 自動車企画営業グループ
マネージャー 小出泰之さん
2019年、エイチームに中途入社。入社から一年、不動産査定事業の営業を担当した後、自動車事業の担当に。2022年にマネージャーに就任。2023年から自動車事業と金融メディア事業、アフィリエイトメディア事業全般のマネージャーを兼務。現在は、自動車事業部の営業マネージャーとして『ナビクル』の成長を牽引している。
『ナビクル』が提供する「最幸のマッチング」
自分の愛車を高く評価してほしい
私たちは『ナビクル』のミッションである「クルマに関わるすべての人へ、最幸の“出会えてよかった”を」を、ずっと大切にしてきました。車を手放す人に対して、『ナビクル』を通して「最幸の出会い」「最幸のマッチング」を作り出すこと。それが『ナビクル』の目指す姿であり、提供している付加価値であると考えています。
「最幸の出会い」の形はユーザーによって異なりますが、どんなユーザーでも自分の愛車を高く評価してもらえることが「最幸の出会い」につながると考えています。自分が乗ってきた愛着のあるもの、大切にしてきた愛車を高く評価してくれる会社に出会えることが、車を売りたいユーザーが強く求めていることであり、私たちが目指す「最幸のマッチング」です。
https://www.navikuru.jp/
比較することで「最幸のマッチング」は生まれる
「最幸のマッチング」というのは、複数の業者を同時に比較することで生まれるものだと考えています。1社だけでなく、3~5社程度の買取業者を同時にユーザーが比較することで、そして買取業者にとっては複数社と競合することで、最幸のマッチングが誕生します。
買取業者の立場としては、できるだけ安い金額で買い取りたい。しかし、ユーザーから選ばれたい。そのためには、最適な価格で買い取れるよう買取金額を最大限に検討したり、安心して売却してもらえるような制度を設計して、より良いサービスを提供するために企業努力を重ねます。
このように、一括査定という場で競合することで、買取業者はユーザーに対して魅力的な提案をする必要が生じます。そのような適切な競合環境を作り出していることに『ナビクル』の価値があります。ただ引き合わせるだけではなく、このような引き合わせ方を実践することで「最幸の“出会えてよかった”」をユーザーに提供しています。
「最幸の“出会えてよかった”を」提供するための取り組み
中古車買取店ではなくディーラーに売却する現状
「最幸の“出会えてよかった”を」提供するために取り組んでいることが大きく二つあります。一つは、下取りに関すること。車を手放す人の売却先は年間300万台がディーラー、100万台が買取店という調査結果があります。つまり、下取りの市場規模としては、ディーラーは買取店の3倍です。中古車買取店のほうが高く買い取ってくれる可能性があるにもかかわらず、ディーラーに買い取ってもらう人が多い現状があります。
ユーザーを中古車市場に導くことは『ナビクル』の使命
その理由を「中古車買取店が車を高く買い取ってくれる可能性への認知が低いこと」、「そもそも一括査定を知らない人が多いこと」と私たちは分析しました。あるいは、売却先を比較するまでもなく「ディーラーの担当営業が好き」というケース、ディーラーで新車を購入する際にそのまま下取りしてもらうケースなども考えられます。この場合、購入と下取りを同時で行える点において、利便性が高いと言えます。一方で、中古車買取店は中古車販売事業も行っていることが多く、次の買い手ニーズをリアルタイムで把握できているために、魅力的な金額を提示できたりします。
こうした情報を知らずに、せっかく高く買い取ってもらえる選択肢を逃してしまうのはユーザーの機会損失にもつながります。そのため、いかにして一括査定の魅力を伝えていくのか。それを推進していくことが業界トップクラスの一括査定サイトを運営する私たちの使命だと思っています。それはまた、買取業者様に選んでいただいている『ナビクル』の価値でもあると思います。
潜在層を獲得するための広報戦略
『ナビクル』のご利用実績は累計で540万件以上に達していますが、現在も毎年のように件数が増加しています。これだけ高く評価いただけているのは、リスティング広告やSEOといった検索エンジン経由での集客を強化していることが背景にあります。しかし、ディーラーに下取りしてもらっている人は、検索市場になかなか出てきません。今後は、ショート動画やYouTube、テレビCMなどの媒体なども活用しながら潜在層にリーチをしていきたいと考えています。「中古車市場がいいよ」というPRをして裾野を広げていくことを目指しています。
信頼、信用できる存在として安心を届ける
取り組んでいることの二つ目は、『ナビクル』がメディア(媒体)として信頼性・信用性を伝えていくこと。昨今、様々な事案があって中古車市場に厳しい目が向けられるようになっています。実際に、この数年ダイレクトに中古車買取業者を利用する人の数が減っています。一方で、一括査定サイトの利用は増えています。今、ユーザーが「どこかのお店に車を持っていくのは不安だな」と感じられる状況にあり、それが一括査定サイトの利用を促進しています。
『ナビクル』は、上場企業であるエイチームグループが運営するサービス。ユーザーも安心感を抱けるであろうと思います。また、買取を進める際に何かトラブルが発生した際は、私たちがユーザーと買取業者の間に入って対話させていただくこともあります。中古車業界や買取業者に対してユーザーが抱いている悪い印象、不信感を払しょくし、安心して車の買取を進められる存在であることも私たちの価値です。
ユーザー体験を改善、向上させる取り組み
ユーザーのセーフティネットに
一般的に一括査定サイトはNPS(ネットプロモータースコア)が低い傾向にあります。つまり、他人におススメしたくないサービスだと多くの人から思われています。その理由の一つが、申し込み後にたくさん電話がかかってくること。このユーザー体験を改善したいと考えており、現在、新しい機能のリリースを検討しています。
また、中古車市場全体として、入金や契約に関するトラブルが多い点もNPSを下げている要因です。そうした状況がある中で、『ナビクル』はユーザーのセーフティネットになれると思っています。そのためには、ユーザーに対する入金が遅れたり、キャンセルフィーが発生したり、契約書にない内容があったりした場合、『ナビクル』が是正していかなくてはいけないと考えています。ユーザーと買取業者の間に入って対話を進めるだけではなく、それでも改善されない場合は『ナビクル』での配信を止めるといった対応も必要だと考えます。
実際に『ナビクル』では、禁止事項を設けて禁止行為をした場合にペナルティを課す制度を導入しました。違反の内容に応じて、車両情報の配信停止などの措置をとらせていただく制度です。導入時は、約1ヵ月かけて提携先の買取業者に対して説明を行いましたが、多くの業者が「必要ですよね」と理解を示してくれました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002603.000001348.html
また使いたい、誰かにおススメしたいと思えるサービスに
車の乗り換えのサイクルは7年から9年と言われています。7年前に『ナビクル』を利用してくださった方が「また使いたい」と思ってもらえるサービスにしていきたいです。NPSが低いと「また使いたい」と思ってもらえないですし、家族や友人に紹介することもないでしょう。継続して利用してもらえるように、ユーザー体験を改善、向上させる取り組みを引き続き行っていきたいと考えています。
中古車市場の健全化へ向けて
サービスに厳しい基準を設ける
自動車買取業界の健全な発展のため設立されたJPUC(日本自動車購入協会)という団体があります。私たちは団体の理事として業界・市場の健全化を推進し、深刻なトラブルを減らしていかなくてはいけないと思っています。JPUCは、「一般消費者への安全・安心なサービスの提供」という理念のもとに、顧客への不当な勧誘を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択、および一般消費者が安心かつ安全に契約できる環境を提供することで、自動車の取引の公正化を図ることを目的としています。活動の一環として、消費者相談窓口の設置、車買取業者に関わる情報収集及び業界への共有、車買取業者及びWEB広告表現に対するガイドライン制定などを行っています。
車の買取は古物商許可があれば誰でも始められます。そうした状況がある中で、私たちのような媒体社もJPUCと同じように厳しい基準を自社サービスに設けることで、業界の健全化を推進できると考えています。先ほど申し上げたペナルティの制度もその一環です。
深刻なトラブルを業界から排除する
一括査定サイトは、実績がない企業も登録ができます。そのため、ご利用いただく買取業者は、本当に様々な方がいらっしゃいます。時には、安易に商売を始めてトラブルを引き起こすような企業…というのも存在しています。こうした買取業者に対する是正を行うこと、一定のご利用基準を設けること、そうした仕組みをつくれば、深刻な問題を徐々に減らしていけるものだと考えています。
私はこれまで業界の様々な人と接してきました。多くの人が「ユーザーのため」を考えてこのビジネスを始めています。一部の企業によって業界のイメージが悪くなり、ユーザーのために頑張っている人や企業が報われない状況もあるように感じています。そんな状況を変えていくためにも、健全化へ向けた取り組みを継続していきたいです。
『ナビクル』が実現したい未来
これからも「最幸の“出会えてよかった”」を
「クルマに関わるすべての人へ、最幸の“出会えてよかった”を」というミッションを届けたいという想いは、これからも変わりません。「最幸の“出会えてよかった”」を届けていくために、今まで車買取の一括査定を知らなかった人に一括査定のことを知ってもらったり、『ナビクル』というサービスをもっと知ってもらえるようなプロモーションを展開していきたいです。今はウェブを中心にPRをしていますが、今後はマス広告や店舗などリアルにユーザーと接触できるところでプロモーションを行って裾野を広げていきたいです。
業界イメージを改善してマッチングを増やす
プロモーションを通してより多くの人に知ってもらい、より多くの適切なマッチングを生み出していきたいです。また、中古車の業界や買取業者にネガティブなイメージを持っている人に対して『ナビクル』が信頼・信用できる、安心して利用できる媒体であることを伝えていきたい。そうした取り組みの積み重ねが中古車業者を敬遠する人を一人でも減らすことになり、それが「最幸のマッチング」の数を増やすことにつながると思います。そして、次回の乗り換えのタイミングで家族や友人にもおススメしたいと思ってもらえるような、ご自身も「また使いたい」と思ってもらえるような媒体に育てていきたいです。