コラム
2023/03/16
【社員インタビュー】会社・サービス・仲間への「愛着」が創造性を生み出す。Qiitaのデザイナーが考える「Creativity」のあり方
仕事のモットーは「楽しく仕事をすること」と語るQiitaのデザイナーである相澤春伽さんは、目標を「サービスと会社と一緒に働く人に愛着を持つ」と定めています。「愛着」があることによって、より良いものにしていこう、世の中にその価値を届けよう、と本気に思えるからです。自身の創造性をどのように磨いているのか、お話を聞きました。
Qiita プロダクト開発部 デザイングループ デザイナー 相澤 春伽さん
宮城大学 価値創造デザイン学類卒。UI/UX、グラフィック、3D、動画に至るまでデザイン全般を学ぶ中、UIデザインやコーディングにおもしろみを感じ、IT業界を志望する。インターンシップへの参加をきっかけにエイチームに興味を持つ。2021年4月に新卒でエイチームに入社。以来、Qiitaのデザイナーとして、「Qiita Jobs」の新機能「Devトーク」、「Qiita Conference」「Qiita Advent Calendar 2022」などのデザインをプロジェクトメンバーとして担当。
顧客の本質的なニーズはなにか?「ジョブ理論」で考える
より良いサービス提供のために「ジョブ」に着目
Qiitaでは、「エンジニアを最高に幸せにする」というミッションのもと、ユーザーの本質的なニーズは何か、ユーザー体験を高める取り組みに力を入れています。
そして最近では、「ジョブ理論」を取り入れる動きが活発になっています。ジョブ理論では、「ユーザーが特定の商品やサービスを利用するのは、片付けたいジョブ(仕事や用事)があり、それを解決するため」と考えます。ユーザーはQiitaをなぜ利用してくれるのか。何を解決するために選んでいるのか。こうしたユーザーの「ジョブ」に着目して、そこから自分たちの提供価値、サービスについて考えます。
正解はなく、難しいですが、楽しみも感じながら実践しています。「ジョブ理論」を取り入れたころは、私自身に「この施策はユーザーさんにとって何が嬉しいのだろうか?」と迷いが生じ始めた時期でした。「ジョブ」を意識して迷いを明確にしたいという想いもあって、個人的にも積極的に取り入れたいと考えました。
ユーザーのリアルな声をサービス改善にフィードバック
ユーザーのジョブに向き合うことになったのは、組織変更がきっかけでした。当時、様々な施策を実行するも、上手くいったものもある一方で上手くいかなかったこともありました。そこで、改めて「ジョブ理論」を参考に、ユーザーの「ジョブ」について、もっと考えていこうという話になりました。
こうした取り組みが推進できたのは、顧客体験の向上をミッションとするCX向上グループの存在が大きいです。CX向上グループは、ユーザーの方々とのやり取りで得た情報や、SNSでの意見や感想などをフィードバックしてくれます。
Qiitaの使い勝手や利便性、こうした機能が欲しいなどのリクエスト、サービスへの感想やお礼のメッセージなど、ユーザーの反応をダイレクトに感じ取ることができます。ユーザーの声に耳を傾け、サービスの改善に生かしています。
デザイナーの枠を超えた思考と役割
デザイナーという職種に閉じない働き方を意識しています。学生時代のころから、好奇心旺盛で、幅広い領域に興味がありました。デザイン業務も同じで、幅広い分野に関心があります。もちろん職業・デザイナーとしてUIデザインやクリエイティブ制作などは全力で取り組みつつ、サービスを主語に「もっとこうしたほうが良い」「この機能があれば喜ばれるのでは」など、積極的にアイデアを出して、関わっていきたいと思っています。
Qiitaが目指すべき未来へ向かって、自分ができることを全うしていくことが私の役割であり。そのために、Qiitaが描く将来のビジョン、サービスとして提供すべき価値について自ら考えることが大切だと思っています。
その上で、Qiitaのミッションの実現にむけて自分が為すべきことを考えて、実行する。Qiitaがより良い状態になるために、自分がやれることは全部やる。それは役割でもあり、自分の使命でもあると考えています。
良いものをつくる意義、そのつくり方
良いデザインは価値を届けられる
提供したい価値をユーザーに届けるためには、クリエイティブ、デザインが重要な役割を担います。同じ機能でもUIが使いづらかったり見た目が良くなかったりしたら、ユーザーもなかなか使ってくれません。すごく良いイベントを企画しても、それを告知するバナーが野暮ったいデザインだったらクリックされないかもしれません。
デザインのクオリティによっては価値を届けられない、伝えられないこともあると思います。正しく価値を伝えられるクリエイティブであれば、伝えたい人に伝わりますし、必要としている人に届けることができます。届けたいものをしっかりと届けるために、デザイナーの果たすべき役割は大きいと思います。
ユーザーにとって最高のものをつくる
価値を届けるためには、良いものをつくること。これに尽きると思います。良いものをつくるためにはインプットが必要です。
Qiitaのユーザーの大半はエンジニアです。エンジニアはどんなものを好むのか。エンジニアがよく利用するWebサービスはどのような構成になっているのか。色使いなど、細かい部分までしっかりインプットする。それを元に、「エンジニアにとって良いもの」をつくることを意識しています。
併せて、Qiitaらしさを損なわないことも大切にしています。エンジニアにとって、何が良いものなのか。これについて正解はないと思うので、多くのインプットを通して自分の物差しを養って、測りながらつくっていくことを心がけています。
いろいろな意見を参考にして、より良いものに
良いものをつくるために、いろいろな人の意見を参考にするようにもしています。社内のデザイナーやその他の職種のメンバーにレビューしてもらったり、作成中のものをSlackで共有して反応を見たり。たくさん「いいね!」がついたから今回のバナーのデザインは良いのでは?など、参考になることも多いです。
リリース後は、ユーザーの皆さんとのコミュニケーションの場としてGitHub Discussionsで提供している「Qiita Discussions」やSNSなどで、ユーザーの意見をチェックするようにしています。また、ターゲットであるエンジニアが自社にいるので、意見が聞きやすいのも嬉しいです。
サービス、会社、仲間に「愛着」を持つ
楽しく仕事をするために
エイチームでは半期ごとに個人で目標設定を行います。私は自身の目標を「サービスと会社と一緒に働く人に愛着を持つ」と定めていて、入社以来「愛着」というワードを目標に入れています。
もともと「楽しく仕事をすること」が自分のモットー。楽しく仕事をするためには何が必要かと考えた時「サービスのことを好きじゃないと良くしようと思えないし、会社のことが好きじゃないとこの会社で頑張ろうと思えない。一緒に働く人のことが好きじゃないと毎日の仕事も楽しくない」という考えに至りました。
ですから、私にとってサービス、会社、一緒に働く仲間を好きであることはとても重要なことです。その気持ちを表す言葉として最もしっくりきたのが「愛着」だったんです。
日に日に高まったサービスへの理解度
Qiitaというサービスへの愛着は、日を追うごとに深まっているように感じます。時が経つにつれて自分が担当した企画や機能が増えていくので、サービスに対する理解度も増していきます。
自分がデザインやコーディングをしたもので、ユーザーの立場で触れているようなものも増えてきました。つくる側、使う側の両面から理解することで理解度も増してきましたし、その分、愛着も深まっていると思います。
「愛着」を持つためには徹底的に理解することが大切
入社した当時、サービスに愛着を持つためにQiitaのことを根本から理解しよう考えました。私が実践したのは、組織内に残された過去のドキュメントを片っ端から読み漁ること。
「なるほど、こんな体験が元になってこうつくられているんだ」「ユーザーさんにこんなに支持されていたんだ」など気づきも多く、収集した情報を一つ一つ分析しながら理解を深めていきました。ユーザーの方から「Qiitaのおかげでエンジニアは助かっている」といったコメントもあり、Qiitaが愛されている理由を知ることもできました。
愛される理由を知ると意思決定もしやすい
Qiitaが愛される理由を知っていると意思決定もしやすいです。例えば「ここは簡単には削れない機能だ」「ここは譲れない部分だ」といった判断をするための軸になります。
また、仕事へのモチベーションを高める効果もあります。自分がやっていることが何の意味もない、価値がないと感じていたら、デザインやコーディングがただの作業になってしまいます。
でも、自分がやっていることは価値がある、誰かに必要とされ、その人のためになっていると思うことができれば、仕事も楽しくなりますし、アイデアもどんどん湧いてくる。愛されている理由を知っていることは、日々のモチベーションにも影響しています。
“Ateam Purpose”の実現と、Qiitaの成長へ向けて
“Ateam Purpose”を初めて聞いた時の想い
エイチームの社会的意義・ミッションとして策定された“Ateam Purpose”である「Creativity × Techで、世の中をもっと便利に、もっと楽しくすること」を最初に聞いた時から、共感、納得ができました。
これまでエイチームがやってきたことであり、これからも継続していくことだ、と。エイチームでは「三方よし」という考え方を大事にしていて、個人的には内定者の頃から気に入っている言葉です。これにも通じる内容ですし、Qiitaのミッションである「エンジニアを最高に幸せにする」にも近いと感じました。これまで大事してきたことを今まで通り頑張りつつ、“Ateam Purpose”の実現にも取り組んでいきたいと思います。
Qiitaの一員としての今後の目標
そのためには、ユーザーの本質的なニーズに向き合い続け、サービスの付加価値を高めていきたい。Qiitaをより良くするために必要な経験やスキルを身につけて、会社やサービスを成長させていきたいです。
Qiitaは2012年にリリースされ、10年の歴史があります。そのことに誇りはありますが、一方で技術的負債やデザインでの改善点もあると感じます。例えば「見た目がモダンじゃない」という声が聞こえてきますが、そういった点も改善していきたい。
これからもQiitaが長く続き、多くのユーザーに価値を提供していくためにも、今よりも成長できるように貢献していきたいです。