新NISAのメリットと銀行預金とのバランスについて
男性55歳会社員既婚/子供あり
年収:900万円
貯金・資産:600万円
相談内容:NISAの活用方法
現在は父親か ら相続した月極駐車場の収入と仕事の給与から毎月8万円銀行の普通預金に預けているのみで、投資は全く行っていません。 新NISAが始まったという情報は聞いたことがあるのですが、知識がなくYou Tubeなどで解説を聞いても難しくてよく理解できません。 新NISAを始めることのメリット・デメリットと、銀行預金と新NISAへの理想的な割合を教えて欲しいです。
回答一覧
- 青山 創星
2024-03-29
初めまして。ファイナンシャルプランナーの青山創星と申します。ご相談ありがとうございます。 投資の世界は広く奥が深いので、初めは戸惑うことも多いかと思います。しかし、着実に小さな一歩を重ねていけば、必ず自分に合った投資スタイルが見つかるはずです。 まずは新NISAについて、その概要とメリット、デメリットをご説明します。 【新NISAとは】 新NISAとは、2024年1月から開始された新しい小額投資非課税制度のことです。従来のNISAと大きく異なる点は、非課税期間が無期限となり、非課税保有限度枠が大幅に拡充されたことです。 具体的には、つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)の2つの枠が設けられ、つみたて投資枠では金融庁の定めた条件に合致する投資信託のみ、成長投資枠では上場株式、REITやETFなど様々な商品も投資対象となっています。非課税保有限度額(総枠)は1,800万円となっています。 【新NISAを始めるメリット】 1. 長期の資産形成が可能 :無期限の非課税措置により、長期の資産形成が可能になります。資産運用の複利効果を最大限に活かせます。 2. 多様な運用が可能 :投資信託から株式まで、さまざまな商品に投資できるので、自分のリスク許容度に合わせた運用が可能です。 3. 手数料の節約 :通常の課税口座に比べ、運用コストが抑えられるのがメリットです。運用コストというのは2つの意味があります。税金と手数料です。課税口座の場合は生まれた利益から20.315%の税金が引かれますが、NISA口座で運用すればその税金が引かれません。また、特に積立投資枠で使うことが認められた投資信託からは手数料の高いものなど長期投資に適さないものは除かれています。長期運用ほど、コスト節約の効果は大きくなります。 【新NISAのデメリット】 1. 損益通算ができない :損失が出た際、他の利益と相殺(損益通算)ができなかったりその年に相殺しきれなかった損失を翌年以降に最長3年間まで繰り越して翌年以降の利益と相殺(損失の3年間繰越控除)できなかったりするため、損失を有効活用できません。 2. 投資対象商品の制限 :投資信託については金融庁の定めた条件に適合するものに限定されているため、自由度が課税口座に比べると低くなります。 3. ロールオーバーができない :旧制度のNISAからの移行(ロールオーバー)はできません。 【銀行預金と新NISAへの理想的な配分】 投資に対する心構えとしては、銀行預金と新NISAとを上手く組み合わせることが重要です。 銀行預金は生活に必要な資金として、数か月~1年分程度の生活費を用意することをおすすめします。緊急時のリスクヘッジとなります。 新NISAは長期の資産形成に適しています。 まずは今毎月銀行の普通預金に預けている8万円のうち、いざという時になっても使わなくて済む金額(例えば3万円程度)を新NISAのつみたて投資枠で積み立ててみてはいかがでしょうか。 まだ55歳とのことですので20年後の75歳以降に使えばいいということでしたら、株式指標に連動する投資信託で積み立てるということでもよいかと思います。 リスクをなるべく下げたいということでしたら世界株(MSCI World Index)、リスク負担をもう少し上げてもリターンを高めたいということでしたらS&P500の指標などが選択肢となります。 ご質問は新NISAについてですが、老後資産作りが目的でしたら実は新NISAより税金がお得になる制度があります。 お勤めの会社に企業型DC制度があればそれを、なければiDeCo制度の利用を検討されるとよいと思います。 これらの制度は、新NISAと同様に利益非課税のメリットがあるのに加えて所得控除のメリットがあります。掛金についての所得税が全額非課税となるのでとてもお得な制度です。 企業型DCは70歳未満まで、iDeCoは最大65歳未満まで掛金をかけることができます。今から始めれば最大10年から15年程度掛金をかけることができますので決して遅くはありません。貯まった掛金は75歳までに引出しを始めればよいので、今からでしたら20年以上これらの口座の中で非課税で運用することができます。 但し引出しのできるのは最も早くても63歳以降となりますので、この時までは使わずに済むお金を掛金にしましょう。 投資を始めるには少し勇気がいるかもしれませんが、人生の自由度を高め、夢の実現へと一歩を踏み出す第一歩でもあります。見通しを持って着実に歩んでいけば、必ずや豊かな人生を手に入れられるはずです。 私からのアドバイスは以上です。今後のさらなるご活躍を心よりお祈り申し上げます。 青山創星(あおやまそうせい)
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