コラム
2026/02/18
【社員インタビュー】エイチームの変革とともに成長を続けるIR担当が語る資本市場と企業の架け橋となるIRの役割とは?
現在、エイチームホールディングスは「売上向上支援カンパニー」への変革へ向けてM&Aを主軸とした成長戦略を推進しています。会社の変革が適切に評価されるためには、資本市場と向き合っているIR担当が担う役割も重要です。今回は、その役割を担うIR担当の田中伸明さんにお話を聞きました。新卒で入社し、管理会計・財務会計の実務を経てIRの主担当となった田中さん。IR担当の役割の他、入社からこれまでのキャリア、投資家(資本市場)との対話やIR業務を通じて得た学びや気づき、そして自身の強みや今後のビジョンなど様々なテーマについてお話いただきます。
エイチームホールディングス 社長室 IR・PRグループ 田中 伸明さん
名古屋大学(理学部・物理学科)を卒業後、2021年に新卒でエイチームに入社。入社後は、社長室 コーポレート企画グループ(現 経営戦略室)で管理会計を担当する。その後、連結会計などの経理業務担当を経て社長室 IR・PRグループへ異動して、IR担当へ。現在は幅広い領域における専門性を発揮し、IRの主担当としてエイチームグループの変革を資本市場に伝える役割を担っている。
入社以来、領域を越えて専門性を磨き続ける
管理会計の担当領域を広げていった入社1~2年目
入社して最初に配属されたのは、社長室のコーポレート企画グループという部署です。そこで管理会計を担当した後、財務企画グループで全社の予算のとりまとめや見込み数字の更新に携わるなど、徐々に業務領域を広げていきました。その後、コーポレート企画グループと財務企画グループを兼務し、事業ポートフォリオマネジメントにおける投資意思決定の材料としてROA、ROE、ROICなどの各種業績管理指標の算出や、DCF法による投資判断業務にも携わりました。
入社2年目、より専門的な会計業務を担当
入社2年目に社長室内で組織を再編成するタイミングがあり、財務IRグループに異動しました。それを機に、管理会計に加えて、連結会計システム「Diva System」を使用した連結会計業務も担当するようになりました。簿記の勉強はしていましたが座学がメインで、本格的に会計を実務で行うのは初めてでした。ハンズオンで先輩に学べる環境ではあったものの、その先輩が退職することになって、1ヵ月の期間で最低限の引継ぎを行わなければなりませんでした。とにかく「連結決算を問題なく終わらせる」ということを念頭にタスクベースのミッションとして取り組んでいきました。以降、管理会計と連結会計といった会計の業務を担当する時期が続きました。

激動の3年目、経理からIRへ
入社3年目、社長室が担っていた管理会計と連結会計等の機能を経営戦略室と管理部に分けることになりました。それに伴い、それぞれの部署に業務を分けることになり、私が担当していた管理会計業務を経営戦略室に引き渡しました。そして連結会計を含めた財務・資金管理業務を、経理を担う管理部に引き継いだんです。その後のキャリアとして、管理会計を行う経営戦略室、財務会計を主軸に経理を担当する管理部という二つの選択肢がありましたが、私は経理の道を選択し管理部の所属となりました。以後、経理を主軸としながら経営戦略室も兼務して引き継ぎ業務を行っていました。同じ年のお盆明けのことです。IRの部門に異動する話が出てきました。経理として目標を立て始めたタイミングでもありましたが、なかなか経験できない領域だと感じました。声をかけてもらったこともあって、期待に応えようと再度社長室への異動を決断しました。
IRへ異動する道を選んだことに後悔はありません。その当時は、現在のようにエイチームがM&Aを戦略的に行う計画もなく、連結会計も今ほどは複雑ではありませんでした。現在はM&Aが増えており、資本政策やコーポレートアクション、経営戦略としての管理会計に携われたり、連結会計の複雑化も進んでいるので、経理のほうも面白いだろうなと感じます。
IR担当として行ってきたこと、考えてきたこと
貴重な経験となった資本業務提携
IR担当となってから、決算短信や決算説明会資料などの開示資料の作成および英訳、機関投資家との面談のアレンジ、投資家からのフィードバックを経営層や社内へ展開する社内IRなどを担当してきました。中でも印象に残っているのは、プライベートエクイティファンド(PEファンド)である株式会社アドバンテッジパートナーズとの資本業務提携です。新株予約権と転換社債型新株予約権付社債(以下、転換社債)の発行なども行って外部の専門家とも協力体制を築きながら進めていきました。また、IR担当としてエイチームがどのように変革していくのかをわかりやすく伝えることも重要な業務の一つでした。
資本市場でも事例のあまり多くはない取り組みだったと思いますし、東海財務局や東京証券取引所との調整のほか、開示の順番にも細心の注意を払う必要があるなど大変な部分も多かったです。その後も、中期経営計画の策定と開示、資本コストと株価を意識した経営、転換社債の転換・行使と自己株式の取得といった流れもあり、さらにはプライム市場の上場維持基準への適合に向けた計画と進捗の発表も行うなど大変な業務が続きました。大変でしたが、いずれも自身の成長につながる貴重な経験だったと思っています。
IRの仕事を始めた頃と現在との違い
IRの業務を始めた頃は、「失敗をして迷惑をかけないようにしよう」「今目の前にある業務をとにかくこなそう」「株主や投資家に損失を与えないような開示をしよう」というスタンスでした。その後、自分で勉強をしたり、外部とも交流をしながら業務経験を積んでいくことで、IRの仕事に慣れていきました。今は「自社の魅力を的確に、フラットな立場で投資家や株主の方々にお伝えし、適正な評価をしてもらうこと」が最も重要な役割だと考えています。
私が考えるIRのあるべきスタンス
IRのあるべきスタンスは会社にとって様々だと思います。私が意識しているのは、事実を偽りなく伝えること。そして、会社の評価については良いことは良いこととして受け取ってもらう一方で、悪いこともちゃんと伝えること。しかも、ただ伝えるだけではなく「これからどうするのか」も伝えるように工夫をしています。また、数字で根拠を提示するなど、論理的に筋の通った説明をすることも意識しています。

現在に活かされている過去の業務経験
連結会計におけるプロセスの改善
これまで管理会計や連結会計など様々な領域で経験を積んできました。幅広い領域で身につけたスキルや経験は、現在の業務に活かされていると感じています。その一つが、連結会計におけるプロセスの改善です。実務は社内メンバーや業務委託先が行い、私は業務委託先とのコミュニケーションの導線の整備や、連結仕訳のプロセスや環境整備などを主に行っています。また、社内のメンバーが主導で実施できるように教育をしています。そもそも知識がないと手も動かせないですし、話にもついていけない。まずは最低限のインプットから始めて、実務においては連結会計のスプレッドシートの改善・メンテナンスなどを任せるようにしています。
事業ポートフォリオのマネジメント
管理会計の領域については、事業ポートフォリオのマネジメントの改善を経営戦略室とともに検討しています。管理会計は入社当初に関わっていた領域ですが、IRを経験したことで当時よりも業務のレベルが上がった実感があります。「こうしていこう」「こうすべきだ」ということを感覚的に語れるようにもなりました。どんな情報が必要なのか。どんな計算をして、どのような検討が必要なのか。財務会計ではこうすべきだ。管理会計ではこうすべきだ。そういったことが確信をもって語ることができ、その点に自己の成長を感じます。
今後は財務・会計のスペシャリストでもあり、マネジメントも行えるCFO(最高財務責任者)のような存在を目指していきたいと思っています。知識は自分で学べば身につきますが、マネジメントは人がいないとできません。組織にいる限りはマネジメントもできるようになりたいと考えています。
資本市場からのフィードバックと社内への展開
投資家の声と受賞で感じた手応え
投資家とのやりとりにおいて、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」という開示については、すんなり受け取ってもらえたという手応えがあります。受け取ってもらえた理由は、具体的な数字と投資家の皆さんが使う言葉を用いて細かく説明できたことだと思います。実際に面談の際に、投資家の方から「具体的でわかりやすい」「安心して投資ができる」という評価もいただきました。また日本IR協議会による「IRグッドビジュアル賞」も受賞し、ビジュアルに加えて内容を評価いただけたことも自信につながりました。手応えがある一方で、会社が変革期にある中で「エイチームは結局何をやる会社なのか」という点が伝わりきっていないとも感じます。そこは今後の課題だと認識しています。
経営層や社内へ向けたIR活動
投資家からのフィードバックは、四半期ごとにエイチームホールディングスの経営会議で報告しています。資本市場からどのような関心をもってもらうのかを意識しながら、新規の投資家から久しぶりに面談する投資家まで様々な方からのフィードバックを報告しています。厳しい意見もちゃんと報告しますが、内容によって表現には配慮するようにしています。また、頻度は少ないですが、社内に向けた勉強会も実施しています。「IRとは何か」「株式会社、上場会社とは何か」、「財務諸表の読み方」といった基本的な内容について、普段の業務で接することのない方々にも分かりやすいように説明をしています。少しでも理解を深めてもらうことでIRに興味を持ってもらいたい、協力してもらいたいという想いで実施しています。

目指したい自分のキャリアとエイチームの未来
何でも面白いと思える「適応力」
自身の強みを挙げるとすれば「会計や数字の領域」「論理的思考力」「適応力」です。特に適応力については、どんな状況でも適応し、やり遂げる力があると思っています。やらず嫌い・食わず嫌いもなく、何でも苦手意識をもたずにやってきたと思います。エイチームに入社してから、組織の変更や急な役割変更といった環境の変化は激しかったですが、「面白い経験をした」と素直に思えます。「振り回された」と捉えることもできるかもしれませんが、自分で選択してきた道ですので後悔はありません。
目指してきた「π型人材」へ
以前から「π型人材」になりたいという想いがあります。2つ以上の専門性を持ち合わせて、それをつなげる人材です。これまで管理会計・財務会計を経験してきてその領域は柱が積みあがってきた実感があります。そして、もう一つの柱としてマネジメントの部分を経験し始めている。先ほどCFOを目指したいともお伝えしましたが、「π型」の形が見えてきていると自身で感じています。
足りないところ、伸ばしたいところ
金融関連や経営戦略の知識や業界動向に関する情報収集は、まだまだ足りないと思います。また、財務会計の部分や社内状況の細かいKPI、業績指標などのキャッチアップについても、さらにストレッチできると認識しています。今後は社内活動にもっと力を入れていきたいです。社内IRはもとより、社内の事業に関する情報のキャッチアップや、そこの協力を仰ぐ働きかけなどはもう少し取り組めるところだと感じます。将来的には、M&Aに携わってみたいです。また、銀行借り入れなどの資金調達、いわゆる「財務」に関わることにも挑戦したいと考えています。
今後、エイチームはこんな会社でありたい
エイチームには、スペシャリティを有した人たちが集まっています。そうしたスペシャリストたちが社名の由来である「エイチーム」を体現する、つまり、一人ひとりがスペシャリティを発揮して世の中の課題を解決する。そんな会社になっていけると良いと思っています。それを資本市場、ステークホルダーにしっかり伝えていける会社でありたいとも思います。“Ateam Purpose”にもある「Creativity × Tech」をたくさんのスペシャリストたちが発揮して、枠にとらわれず挑戦していける会社でありたいです。加えて、AIなど時代の先端をいく技術力も発揮できるといい。そうなると、企業価値もより高まると思います。