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土地だけの購入に住宅ローンは利用できない!つなぎ融資か分割融資を受けよう

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土地だけの購入に住宅ローンは利用できない!つなぎ融資か分割融資を受けよう
住宅ローンの選び方
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注文住宅を建てることになったけど、土地を購入する際に住宅ローンを利用できるのだろうか

このような疑問をお持ちの人もいらっしゃるのではないでしょうか。

原則として、住宅ローンは居住用住宅の購入や建築費用に利用するものです。

土地だけを購入するときには、住宅ローンの利用はできません

しかし、土地の購入目的が注文住宅の建築であれば話は別です

土地と建物の費用をセットにして「つなぎ融資」または「分割融資」を利用すれば、土地の購入代金に住宅ローンを利用できます

ここでは住宅ローンで土地を購入する方法について、わかりやすく解説していきます。

「注文住宅を建てたいけど、土地購入代金をどうすればいいの?」とお悩みの人は、ぜひ参考にしてくださいね。

  • オフィス千日合同会社 代表社員 公認会計士 / 公認会計士中村岳広事務所

    監修者千日太郎

  • ファイナンシャルプランナー / ジョインコントラスト株式会社 代表取締役

    監修者白坂大介

  • 株式会社エイチームライフデザイン

    編集者イーデス編集部

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土地だけの購入に住宅ローンは使えない

原則でいえば、住宅ローンの利用対象は「居住用物件」です。

金融機関の利用条件を見ても、「居住用住宅の購入や建築、借り換え、リフォームのための資金」となっていることがほとんどです。

そのため「土地だけ」を購入する際には住宅ローンの利用はできないのです。

ここで疑問に挙がりやすいのが、注文住宅を建てる場合です。

注文住宅を建てるには、先に土地を購入しなければなりません

親や親族から土地を譲り受ける等の事情がない限り、現金一括で土地を購入できる人は少ないでしょう。

注文住宅のように「土地を先に購入しなければならない」ときは、金融機関によって複数の選択肢が用意されています。

一般的な選択肢は、「つなぎ融資」と「土地分割融資」の2つです。

土地を先行して購入するための2つの方法を紹介

注文住宅の建築で土地を先行して購入する際、費用を用意するための方法は以下の2つです。

土地を先行して購入するための方法

  • つなぎ融資
    住宅が完成するまで利用する“つなぎ”としての無担保ローン
  • 分割融資
    融資を分割で受ける住宅ローン

どちらも土地購入の段階で融資を受け、住宅完成後には住宅ローンとして借入れする方法です。

それぞれの特徴と取扱い金融機関を見ていきましょう。

つなぎ融資

住宅が完成するまでの間、一時的に利用する無担保ローンを「つなぎ融資」と言います。

一般的な注文住宅では、土地の購入代金や工事の着工金、中間金などのまとまった費用を、住宅完成前に支払わなければなりません

そこで住宅完成前に一時的な融資を受け、完成後に住宅ローンに借り換えて諸々の費用を一括返済するのがつなぎ融資です。

つなぎ融資の返済方法には、融資を受けている期間中に利息部分だけを毎月返済するタイプと、住宅ローン実行のタイミングで元金と利息を一括して返済するタイプがあります。

いづれにしても、住宅完成後に住宅ローンを実行して、つなぎ融資と建築費用の残金をまとめて返済します

つなぎ融資で抑えておきたい特徴は、以下の3つです。

つなぎ融資の特徴

特に重要なポイントが、金利の高さ取扱い金融機関の少なさです。

それぞれ見ていきましょう。

つなぎ融資①金利は高めで、つなぎ融資独自の諸費用がかかる

つなぎ融資は無担保ローンですので、以下のとおり住宅ローンと比べると金利は高めです。

金利の相場

  • つなぎ融資:年2~4%
  • 住宅ローン:年0.5~1.5%

またつなぎ融資を利用すると、独自の諸費用が別途必要になってきます。

どの程度の費用が必要なのか、財形住宅金融株式会社のシミュレーションを使って、つなぎ融資にかかる利息や諸費用を計算してみました。

つなぎ融資の利息額と諸費用シミュレーション
金利年3%
つなぎ融資の
期間
180日(6か月)
※土地購入残金180日/
中間金135日で試算
価格の詳細物件価格:
4,000万円
※土地購入価格:1,500万円/
建物建築価格:2,500万円

※工事の契約として250万円は現金での支払い
つなぎ融資の利用金額:
2,250万円
※土地購入残金1,500万円/
中間金750万円

つなぎ融資の利用期間:
180日(半年間)
1年目の
利息額・
諸費用例
利息額:
約30万5,000円
申込手数料:
3万3,000円
収入印紙代:
2万円
合計:約35万8,000円

※参考:「つなぎ融資シミュレーション」(財形住宅金融株式会社)

上記はあくまで一例ですが、2,250万円のつなぎ融資を利用したときの利息と諸費用の合計額は約36万円となっています。

住宅ローンの諸費用とは別に用意しなければならないので、住宅ローンだけを利用するよりも支払いコストは高くなりますね。

また、つなぎ融資の利息や諸費用は、融資の利用期間によって異なります。

住宅の工事期間が伸びてしまうとかかる費用も増えてしまうので、工事の進捗状況に気をつける必要があるでしょう。

つなぎ融資②つなぎ融資を行っている金融機関は少ない

つなぎ融資は、すべての金融機関で取扱いがあるわけではありません。

また、つなぎ融資を利用した場合、その後に組む住宅ローンも同じ金融機関のものを利用しなければなりません。

元々の選択肢が少ないうえ、つなぎ融資と住宅ローンは同じにしなければならないので、選択肢はかなり狭くなってしまいます。

ここでは、代表的な金融機関でのつなぎ融資対応をまとめました。以下をご覧ください。

つなぎ融資を提供している金融機関
金融機関つなぎ融資の有無
auじぶん銀行×
SBI新生銀行
住信SBIネット銀行×
イオン銀行
三菱UFJ銀行×
三井住友銀行
みずほ銀行×

※2024年1月時点

代表的な金融機関のうち、つなぎ融資に対応しているのはイオン銀行だけです。

つなぎ融資を検討する際は、希望する金融機関で対応の有無を尋ねるようにしましょう。

分割融資

つなぎ融資以外にも、住宅完成前の土地代金を融資してもらう方法として「住宅ローンの分割融資」があります。

分割融資は名前のとおり、住宅ローンを複数回に分けて融資してもらう方法です。

さきほど触れたつなぎ融資は一時的に無担保ローンを利用する方法でしたが、分割融資は最初から同じ住宅ローンを複数回に分けて実行する仕組みです。

分割融資の特徴は、以下の4つです。

分割融資の特徴

  1. 建物への抵当権設定費用が追加でかかる
  2. 提供している金融機関は少ない
  3. 住宅ローンと同じ金利水準なので、金利は低め
  4. つなぎ融資と違い、審査は1度だけ

特に注意すべきポイントが、抵当権設定費用取扱い金融機関が限られている点です。

それぞれ見ていきましょう。

分割融資の特徴①建物への追加の抵当権費用がかかる

分割融資は住宅ローン同様の金利設定なので、つなぎ融資に比べて利息を抑えられる点がメリットです。

このような理由からつなぎ融資と分割融資を比較して、「分割融資のほうが手軽でコストも低い」とされるケースが多いです。

しかし分割融資の利用では、追加で抵当権設定費用がかかる点に気をつけてください。

抵当権設定費用とは、司法書士への報酬や登録免許税、収入印紙代などです。

つなぎ融資や一般の住宅ローンでは、これらの抵当権設定は1度きりとなるため、費用も1回分しかかかりません。

しかし分割融資する場合は、土地と建物を分けて抵当権の設定を行います。

抵当権設定費用は融資金額や司法書士によっても報酬が異なりますが、おおむね数万円~20万円程度と幅があります。

場合によっては、つなぎ融資を利用するよりも諸費用が高額になる可能性も考えられるでしょう。

したがって分割融資とつなぎ融資を比較する際は金利面だけでなく、こうした諸費用面も含めたうえで検討することが大切ですよ。

分割融資の特徴②分割融資を取り扱っている金融機関は少ない

つなぎ融資と同様、分割融資を行っている金融機関も限られています。

以下に各金融機関の対応をまとめました。参考にご覧ください。

分割融資を提供している金融機関
金融機関分割融資の有無
auじぶん銀行×
SBI新生銀行×
住信SBIネット銀行
イオン銀行×
三菱UFJ銀行×
三井住友銀行
※土地と建物の2分割融資なら可
みずほ銀行

※2024年1月時点

つなぎ融資と比べると、対応金融機関はいくつかあります。

それでもすべての金融機関で対応しているわけではありません。

つなぎ融資と分割融資を考え始めたら、まず利用できる金融機関を探しておくことが重要ですね。

土地購入から住宅が完成するまでの流れ

注文住宅でつなぎ融資や分割融資を利用するとき、住宅完成までの大まかな流れは以下のとおりです。

つなぎ融資・分割融資 利用時の流れ
つなぎ融資分割融資
1土地購入の仮申し込み土地購入の仮申し込み
2建物の工事費用の見積もりを業者に依頼建物の工事費用の見積もりを業者に依頼
3つなぎ融資と住宅ローンの事前審査住宅ローン(分割融資)の事前審査
4つなぎ融資と住宅ローンの本審査&契約締結住宅ローン(分割融資)の本審査&契約締結
5土地購入契約の締結&手付金の支払い土地購入契約の締結&手付金の支払い
6土地購入代金の残金を支払い
<つなぎ融資1回目>
土地購入代金の残金&諸費用を支払い
<分割融資1回目:
住宅ローン返済開始>
7工事請負契約を締結工事請負契約を締結
8着工金の支払い
<つなぎ融資2回目>
着工金の支払い
<分割融資2回目>
9住宅の建築工事開始住宅の建築工事開始
10中間金の支払い
<つなぎ融資3回目>
中間金の支払い
<分割融資3回目>
11住宅完成、引き渡し&住宅ローン融資実行
(建物残代金の支払い)
住宅完成、引き渡し&建物残代金の支払い
<分割融資4回目>
12つなぎ融資完済不動産登記手続き
13不動産登記手続き

上記はあくまで一例なので、実際の流れは金融機関によって異なります。

特に融資のタイミングや回数は、スムーズに手続きを進めるための重要なポイントです。

それぞれの融資を利用する際は事前に金融機関に確認し、タイミングと回数をしっかり確認しておきましょう。

なぜこのような確認が必要になるのかといえば、注文住宅ではお金の支払いが複数回に分けて発生するからです。

支払い回数と費用について、簡単に解説していきましょう。

注文住宅ではお金の支払いが複数回発生する

注文住宅は、実際に住宅が完成する前に複数回の支払いが発生します。

具体的なタイミングと費用の目安を以下にまとめました。

注文住宅の支払い発生時期と費用の目安
支払時期費用の目安
土地購入時数百万~数千万円
工事契約時工事費用の約10%
着工時工事費用の約30%
上棟時(中間金)工事費用の約30%
引き渡し時(※1)工事費用の約30%

※1:つなぎ融資の場合は完済と住宅ローンの融資実行
土地購入代の一部は手付金として現金で支払う

注文住宅では、住宅の完成前に土地購入代金を支払ったうえで、工事費用の70%を建築業者に支払う必要があります。

しかし一般的な住宅ローンでは、建物の引き渡し時でないと融資は実行されません。

注文住宅を建てる際は、ご紹介したつなぎ融資や分割融資をうまく活用し、複数回の支払いをスムーズに済ませるようにしましょう。

費用の詳細については、次項で詳しく見ていきます。

土地の購入と建築時にかかる費用

注文住宅でかかる費用の詳細は、以下のとおりです。

  • 土地購入時:土地購入代金の支払い
  • 工事契約時:契約金の支払い
  • 着工時:着工金の支払い
  • 上棟時:中間金(上棟金)の支払い
  • 引き渡し時:残代金の支払い(※)
    ※つなぎ融資の場合はつなぎ融資の完済と住宅ローン融資実行

土地の購入代金は、地域や土地の広さによって大きく異なります。

地方の場合は数百万円程度でも購入できますが、都心であれば地価は大きく跳ね上がるでしょう。

つまり「どこに住むのか?」によって全体の資金計画が変わってくるため、予算に合った土地を探さなければなりません。

土地の購入が決まったら、建築業者を決めて工事の契約を結びます。

一般的には工事契約時、着工時、上棟時、引き渡し時の4回に分けて費用の支払いが発生するため、これらのタイミングにあわせて迅速に支払えるローンで対応しなければなりません

工事費用の支払いは、住宅の完成前に70%程度、住宅完成後に残代金の30%を支払います。

工事の途中で別途作業の発生や工期延長などで追加の費用がかかる場合もあるでしょう。

工期延長で融資期間も伸びてしまい、利息額が膨らむ恐れもあります。

なるべく無駄な利息を発生させないためにも業者と綿密な話合いを重ねたうえで、予定通りに進められるよう計画を立ててくださいね。

またHOME4U「家づくりのとびら」では、ハウスメーカー出身のアドバイザーに、無料でオンライン相談ができます。

住宅ローンの予算シミュレーションや、住みたいエリアの坪単価などもお調べできますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

無料でオンライン相談

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まとめ

土地の購入代金だけに住宅ローンを使うことはできません。

しかし購入する土地に注文住宅を建てるという目的なら、つなぎ融資または分割融資によって住宅ローンを利用できます。

つなぎ融資と分割融資を利用する際の重要ポイントは、以下の4点です。

簡単にまとめると

  • つなぎ融資は住宅完成前の一定期間だけ利用する無担保ローン
  • 分割融資は融資を複数回に分けて受けられる住宅ローン
  • どちらも利用できる金融機関は少ない
  • つなぎ融資は金利が高めで分割融資は抵当権設定費用が追加でかかる。
    それぞれコストのかかりかたが異なるので、総合的な費用を見ながら検討する

注文住宅では、住宅完成前に土地を購入し、工事代金の70%を支払っておく必要があります。

金融機関によって融資のタイミングや回数は異なるので、利用しやすい金融機関を探しましょう。

ご案内したポイントを参考に、納得できる注文住宅を建ててくださいね。

編集部のアドバイス

千日太郎

千日太郎 / オフィス千日合同会社 代表社員 公認会計士

【専門家の解説】

固定タイプの住宅ローンを借りる人であれば、つなぎ融資と分割融資で金利の変動リスクが変わってきます。

つなぎ融資は完成時点で住宅ローンの実行となるため、土地の購入時点では低金利だったのに住宅完成時点で高金利となると、住宅ローン全額を高金利でかりなければなりません。

その点、分割融資であれば土地の購入時点の低金利での住宅ローンもミックスできるというわけです。

しかし金利の動きが逆(高金利から低金利に推移)であった場合は、つなぎ融資は全額を低金利で借りられますが、分割融資は一部を高金利で借りなければならないということになりますね。

土地購入でつなぎ融資や分割融資を受ける場合に注意すべきもう一つのポイントが、住宅ローン控除との関係です。

住宅ローン控除は、年末の住宅ローン残高に控除率(1%又は0.7%)を乗じた額を上限として10年又は13年にわたり税金がキャッシュバックされる減税制度です。住宅購入者にとっては、かなり大きなメリットですよね。

住宅ローン控除を受けるには、その年度の12月末時点で対象物件に居住していなければなりません。

つまり、土地を購入して借りている段階では、つなぎ融資や分割融資に対して住宅ローン控除を受けることができないのです。

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