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住宅ローン完済までの手続き!準備する書類から注意点まで解説

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住宅ローン完済までの手続き!準備する書類から注意点まで解説
住宅ローンの返済
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住宅ローン完済までの期間は、平均15.7年です。

長年の返済を終え、無事に完済する瞬間には、多くの人が安心と喜びを感じるでしょう。

しかし、住宅ローンの完済時には、忘れてはならないいくつかの手続きがあります。

事前に流れや注意点を知っておかなければ、スムーズに完済の手続きができなくなってしまうことも考えられるでしょう。

この記事では、住宅ローンを完済するまでに行う手続きの内容を徹底的に解説します。

あわせて、準備しておくべき書類や注意点もまとめているため、完済時もスムーズに手続きを終えたいという人はぜひ参考にしてください。

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住宅ローンの完済時に必要な手続きを紹介

住宅ローンの完済時には、主に以下3つの手続きが必要になります。

住宅ローン完済時に必要な手続き

  1. 抵当権の抹消手続き
  2. 火災保険の質権消滅手続き
  3. 全額繰上げ返済の手続き

特に抵当権の抹消手続きは、住宅ローンを借りている誰もが必須となる手続きです。

自宅に書類が届いてから3ヶ月以内に手続きを行わなければならないため、しっかり頭に入れておきましょう。

住宅ローンを借りた人が、ローンを返済できなくなった場合に、銀行側が物件を差し押さえ、債権を回収できる権利のこと。
もしも住宅ローン契約者が何らかの理由で住宅ローンを返済できなければ、銀行側は住宅ローン契約者の不動産を差し押さえ、強制的に競売によって売却し、住宅ローン債権を回収します。

抵当権を抹消しないデメリットは売却が困難になること

抵当権を抹消しなければ、登記簿上では物件に抵当権が設定されたままの状態になります。

物件に抵当権が設定されたままだと以下のような問題が生じ、売却が困難になってしまいます。

  1. 「住宅ローンをまだ完済していない物件」だとみなされる
  2. 住宅ローンに限らず、何らかの債権があると思われる
  3. 抵当権が銀行にあると買い手が住宅ローンを借りられない

また、抵当権の抹消手続きは住宅ローンの契約者自身が行わなければなりません

住宅ローンの完済後、抵当権の抹消手続きに必要な書類が自宅に郵送されるため、3ヶ月以内に必ず自身で手続きを行いましょう

抵当権の抹消手続きを解説

では、抵当権の抹消手続きはどのように行うのでしょうか。

まずは、抵当権抹消手続きの流れを簡単に説明します。

  1. STEP1

    住宅ローンを完済する

    ※全額繰上げ返済をする場合、事前(2週間~1ヶ月前)の連絡が必要
  2. STEP2

    抵当権の抹消手続きに必要な書類が銀行から届く

  3. STEP3

    抵当権の抹消手続きに必要な書類を準備し、法務局にて申請

ここからは、具体的にどのような手続きを行うのか、必要な書類には何があるのかを詳しく解説します。

抵当権抹消手続きの前の準備

住宅ローンの完済後、銀行から抵当権の抹消手続きに必要な書類がいくつか届きます。

銀行から届く書類には、主に以下のものがあります。

銀行から届く必要書類
抵当権解除証書抵当権を解除したことを証明する書類です。
「弁済証書」や「抵当権放棄証書」と呼ばれることもあります。
登記済証
または
抵当権設定契約証書
抵当権を設定した際に発行される書類です。
「登記済」と赤い印が押されています。
登記事項証明書抵当権を設定した際に発行される書類です。
2015年11月からは、住宅ローンを契約した会社法人等番号の記載も必須(※)となっています。
※作成後1ヶ月以内の登記事項証明書の場合は不要
委任状住宅ローンを契約した銀行からの委任状です。
委任状がなければ、住宅ローン契約者のみで抵当権抹消手続きができません。

上記の書類は、すべて手続きの際に必要となるため、紛失しないよう保管しておきましょう。

銀行から届く書類のほかにも、自身で用意すべき書類があります。

自身で用意すべき書類
抵当権抹消登記申請書法務局に提出する書類です。
抵当権抹消登記申請書は法務局のホームページ(※)からダウンロードできます。
法務局「抵当権抹消登記申請書」
住民票
または
戸籍謄本
現住所が、抵当権を設定した際の住所と異なる場合に必要となる書類です。
住所が変わっていない場合は、準備する必要はありません。

法務局のホームページには抵当権抹消登記申請書の記載例もあるため、記載例を参考に事前に記入しておくと良いでしょう。

また、抵当権抹消手続きには「登録免許税」として費用が発生します。

登録免許税=不動産の数×1,000円

さらに、抵当権の抹消手続きを司法書士に依頼する場合は、上記の費用に加え「司法書士への依頼費用」が別途発生します通常、物件の売却時は物件だけでなく土地もセットとして考えられるため、抵当権の抹消手続きには登録免許税として2,000円が必要だということを覚えておきましょう。

この依頼費用は、依頼先の司法書士により異なるものの、15,000円前後が相場と言えるでしょう。

抵当権抹消手続きの流れ

ここまで、抵当権抹消手続きに必要となる書類を紹介しました。

では実際に、どのような手順で手続きを行うのでしょうか。

ここからは、自身で手続きを行う場合と司法書士に手続きを依頼する場合とで、手続きの流れを詳しく紹介します。

自身で抵当権抹消手続きを行う場合

  • STEP1

    物件の所在地を管轄する法務局を調べる

  • STEP2

    銀行から届く必要書類・自身で用意すべき書類をまとめる

  • STEP3

    抵当権抹消登記申請書を作成する

  • STEP4

    管轄の法務局に行き抵当権の抹消登記申請を行う

  • STEP5

    抵当権抹消登記の完了書類を受け取る



司法書士に抵当権抹消手続きを依頼する場合

  • STEP1

    司法書士事務所に問い合わせる

  • STEP2

    銀行から届く必要書類・自身で用意すべき書類をまとめ、司法書士事務所に郵送する

  • STEP3

    抵当権抹消手続きの完了を待つ

  • STEP4

    抵当権抹消登記の完了書類が郵送される



自身で抵当権抹消手続きを行う場合は、自身で法務局を調べたり登記申請書を作成したりする必要があります。

一方で、司法書士に依頼すれば必要書類を郵送するだけで抵当権抹消手続きが完了するため、時間のない人や複雑な作業が面倒な人にはぴったりだと言えるでしょう。

しかし、別途依頼費用がかかる点がデメリットです。

抵当権抹消手続きは「郵送のみ」でも可能

抵当権抹消手続きは必ず法務局まで出向き、窓口で必要書類を提出しなければならないわけではありません。

法務局に必要書類を郵送すれば、抵当権抹消手続きは完了します。

管轄する法務局が自宅の近くにない場合は、郵送がおすすめです。

しかし、抵当権抹消手続きを行う人の中には、法務局に申請を出してから書類の不備に気付く人も多くいます。

必須項目の記入漏れ程度であれば、法務局の窓口に必要書類を提出した場合はすぐに対応することができます。

一方で、郵送で法務局に必要書類を提出した場合は、再度記入しなおしてから郵送しなければなりません。

結果として手続きに時間がかかってしまったり、郵送費用がかかってしまったりする可能性は大いに考えられます。

自身で抵当権抹消手続きを行う場合は、抵当権抹消手続きをスムーズに終えるためにも、なるべく法務局に出向くようにしましょう

火災保険の質権消滅手続き

一般的ではないものの、住宅ローンを借りる際は、銀行から火災保険の「質権」の設定を求められる場合があります。

火災保険の「質権」とは

火災保険の「質権」とは、火災保険の保険金を住宅ローンの担保として設定する権利のこと。

つまり、火災保険の質権を設定しているままだと、万が一物件が火災被害に遭った際、保険金は質権を設定している銀行が受け取ることになります。

そのため、住宅ローン完済後は必ず「火災保険の質権消滅手続き」を行わなければなりません。

また前述のとおり、火災保険の質権設定は一般的ではありません。

自身の物件に火災保険の質権設定がされているかは、住宅ローンを借りている銀行に直接問い合わせると良いでしょう。

火災保険の質権消滅手続きに必要な準備

火災保険の質権消滅手続きは、抵当権抹消手続きと同じく、必要書類を提出して自身で手続きを行うことが可能です。

火災保険の質権設定がされている物件であれば、住宅ローンの完済後に、銀行から以下2点の書類が届きます。

  1. 火災保険の保険証券
  2. 質権消滅承認請求書

また、質権消滅手続きはあくまでも火災保険の質権を消滅させるための手続きであるため、火災保険は継続して加入できます。

追加で保険料が発生するということは基本的にありません。

火災保険の質権消滅手続きの流れ

銀行から届いた書類の項目を記入し、保険会社に提出すると、火災保険の質権消滅手続きが完了します。

抵当権の抹消手続きほど複雑な作業ではないものの、提出する書類に何らかの不備があった場合は、当然修正しなければなりません。そのため、正しく記入することを心がけましょう。

また、必要書類が揃っていなければ質権消滅手続きは行えないため、銀行から届いた書類は大切に保管しておくようにしましょう。

銀行によっては質権消滅手続きの方法や流れが異なるため、詳しくは住宅ローンを借りた銀行に問い合わせることをおすすめします。

全額繰上げ返済の手続き

全額繰上げ返済によって住宅ローンを完済する際にも、正しい方法で申込手続きを行わなければなりません。

「全額繰上げ返済」とは

「全額繰上げ返済」とは、住宅ローン残高の全額を、前倒しして一括返済すること。

全額繰上げ返済を行う際の手続き方法は、銀行によりさまざまです。

主な方法としては、以下の3つが挙げられます。

  1. 店舗・窓口にて申し込み
  2. 電話にて申し込み
  3. インターネットにて申し込み

銀行によっては、「全額繰り上げ返済日の〇日前まで」などのように、申し込み期限が定められている場合もあるため、なるべく早めに手続きを行うようにしましょう。

また、住宅ローンの金利プランによっては、全額繰上げ返済に手数料が発生することがあります。

全額繰上げ返済の手続き方法や具体的な手数料の費用は、住宅ローンを借りている銀行に問い合わせることをおすすめします。

住宅ローンの完済までの期間は平均15.7年

住宅ローンの契約時には、ある程度定められた返済期間を選べるように、「〇年で返済すべき」といった決まりはありません。

しかし、住宅金融支援機構が発表している「2019年度 民間住宅ローンの貸出動向調査」の結果から、平均15.7年で住宅ローンが完済されていることがわかります。

一般的に、住宅ローンを借りる人のうち、20~35年の長期間で住宅ローンを借りる人が大半を占めており、全額繰上げ返済をしている人が多い傾向にあります。

一部繰上げ・全額繰上げにかかわらず、繰上げ返済には手数料が発生することも珍しくありません。

しかし、早期返済をするほど上乗せされる金利が減るため、なるべく支払う利子を減らしたいという人は、資金計画を立てた上での繰上げ返済をおすすめします。

まとめ

ここまで、以下について紹介しました。

簡単にまとめると

  •  住宅ローンの完済時に必要な手続き
    (抵当権抹消手続き火災保険の質権消滅手続き・全額繰上げ返済の手続き)
  • 各手続きに必要な書類
  • 住宅ローン完済までの平均期間

住宅ローンの完済時は「ただ完済して終わり」ではなく、さまざまな手続きが必要です。

特に抵当権の抹消手続きは複雑で、かつスムーズに行わなければ申込期限が過ぎてしまう可能性があります。

そして、住宅ローンを完済するまでの道のりは、決して短いものではありません。

住宅ローンを借りる多くの人は「繰上げ返済」という手段をとって、総返済期間の短縮を実現しています。

しかし、早期返済を意識しすぎて無理に繰上げ返済をすると、生活水準が大幅に下がってしまう可能性もあるため、無理な繰上げ返済は避けましょう。

無理のない返済計画を立て、急にお金が必要になったときでも安心できるほど手元に資金をしっかり残しつつ、堅実的に住宅ローンを完済できるようにしましょう。

千日太郎

千日太郎 / オフィス千日合同会社 代表社員 公認会計士

【専門家の解説】

統計では住宅ローンの完済までの期間は平均15.7年となっています。
これを見て『繰り上げ返済を頑張らないといけないな』と思う人がいるかもしれませんね。

また『借入年数は最長の35年ではなく15~16年程度の完済を想定して短めにしよう』と考える人もいるかもしれません。

しかし、15.7年という平均期間を出した母集団には『住宅ローンの借り換えで完済する人』や『住み替えでマイホームを売ったお金で完済する人』が含まれているというのがミソなのです。

つまり、純粋に自己資金で住宅ローンを完済する場合の平均期間ではありません。

住宅ローンを貸している債権者の立場として、完済するために債務者が振り込んできたお金が、借り換えで得たお金なのか?売却で得たお金なのか?自分のお金なのか?をいちいち調査して統計をとっていないのです。

そのため、自己資金で完済する人の平均は正確なところは分からないのですが、少なくとも15.7年よりは長い年数だろうと思いますので、15~16年の完済を目途として繰り上げ返済をしたり、借入年数を短めに設定したりする必要はありません。

また15.7年という平均期間のもう一つの見方としては、住宅ローンを最後まで返済し続ける人が、思ったほど多くなさそうだということです。

自分で想定しているよりも意外と早い段階で金利環境が変わって借り換えたり、ライフスタイルが変わって住み替えたりする可能性も十分にあるのです。

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